ヒト免疫不全ウイルス研究の必需品 抗 HIV-1 由来 Vpr マウスモノクローナル抗体

HIV-1 感染症に対する新しい診断法・治療法の開発研究において非常に有用なツールとなる抗 HIV-1 由来 Vpr(8D1) 抗体を、コスモ・バイオ抗体ブランド「CAC（CosmoBio Antibody Collection）」で試薬化されました。

[本試薬は独立行政法人国立国際医療研究センター研究所・難治性疾患研究部・部長・石坂　幸人先生の研究成果を元に製品化されました。]

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HIV-1 のアクセサリー遺伝子の一つである vpr は、ウィルス性粒子(ビリオン) に結合する核タンパク質 Vpr をコードしており、潜伏感染に重要なマクロファージへのウィルス感染やアポトーシス、細胞周期のG2期停止、核移行など多様な生物学的機能が報告されています。また Vpr は HIV-1 陽性患者の血液中や脳脊髄液中に存在することや、中枢神経系の機能異常に関与することも報告されています。

また、細胞の DNA に傷が付くと、これを修復するために ATM や γ-H2AX がリン酸化され、細胞の増殖を停止させます (左図)が、Vprは DNA の二重鎖切断を誘導すること、そしてその結果 ATM や γ-H2AX が活性化されることが Vpr (8D1) 抗体によって明らかになりました(文献 6))。

HIV-1 感染症に対する新しい診断法・治療法の開発研究に於いて非常に有用なツールとなる抗 HIV-1 由来 Vpr(8D1) 抗体を、コスモ・バイオ抗体ブランド CAC で試薬化しましたので是非ご活用下さい。

MIT-23細胞(vpr-mRNA発現 HT1080細胞)におけるATM, H2AXの検出
培養細胞にVprを含むウィルスで感染させた場合には、ATMやH2AXのリン酸化が検出され、DNAに傷が付いていることが示されていますが、Vprを含まないウィルスによる感染の場合には、そのような変化を認めずDNAに傷がついていないことがわかります

• 本抗体により、HIV-1 感染者の約 40％ の血液検体に Vpr (ng〜pg/mL (nM〜pM）) が検出されます。
• 本抗体は, ウエスタン解析、FACS解析、免疫沈降に、適用可能であり、中和活性を有します。
• 8D1-アフィニテイーカラムにより純度の高いリコンビナント Vpr が精製可能です。

lane 1 vector control
lane 2 pCMV-Vpr with SNF2h siRNA
lane 3 pCMV-Vpr with control siRNA.

図1. 抗HIV-1由来Vprマウスモノクローナル抗体を用いたウェスタンブロッティング解析
HEK293T細胞から調製したクロマチン分画を用いています (参考文献1, Fig. 3 参照)。

lane 1  rVpr ( - )
lane 2  5 ng of standard rVpr
lane 3  2.5 ng of standard rVpr .
lane 4  1.25 ng of standard rVpr .
lane 5  Molecular marker.
lane 6  HIV-1-positive plasma #006
lane 7  HIV-1-positive plasma #011

図2. HIV-1 陽性患者血清中に存在する Vpr 蛋白質のIP-WB 検出
患者 #006 と #011 の血清中に 14-kDa の明確なシグナルが検出されています (参考文献 5, Fig. 1 参照)。

1st. グルタチオンビーズからの溶出
2nd. 8D1 アフィニテイーカラムからの溶出

8D1: anti-Vpr monoclonal antibody Cat# NCG-M01
C217: anti-Vpr monoclonal antibody

図 3. グルタチオンビーズと 8D1 ビーズを用いた LPS フリー Vpr の精製

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