SNL 76/7 フィーダー細胞はネオマイシン耐性とマウスLIF 遺伝子を形質転換したマウス線維芽細胞、STO 細胞のクローンに由来します。本不死化細胞は、ES細胞のほか、ヒト/マウスの iPS 細胞培養においても未分化状態を維持するフィーダー細胞として有用です。
背景
ES細胞 と LIF
胚性幹細胞(ES細胞)は、多くの種において、胚盤胞の内部細胞塊(ICM:inner cell masses)に由来します。これらES細胞は、フィーダー細胞層上で培養することで、未分化状態を維持しつつ無制限に増殖することができ、正常な表現型と核型を安定に維持します。また、ES細胞は、in vitro および in vivo で多様な細胞種に分化する能力を有します。マウスES細胞(mES)では、フィーダー細胞を用いることによって培地中にLIFを添加することなく培養することができます。しかしながら、LIFはヒトES細胞(hES)においては、mES細胞と同様の効果を示しません。したがって、hES細胞の維持と誘導両方でフィーダー細胞を必要とします。
Dr. Allan Bradley によって樹立されたSNL 76/7 細胞[1]はネオマイシン耐性とマウスLIF 遺伝子を形質転換したマウス線維芽細胞、STO 細胞のクローンに由来します。(STO cell line that stably expresses NeoR and mouse LIF.) SNL細胞は、ES細胞増殖のフィーダー細胞に使われており、近年ではヒトとマウスのiPS細胞培養にも使用されています[2, 3, 4]。
特長
- SNL 76/7 フィーダー細胞: ネオマイシン耐性とマウスLIF 遺伝子を形質転換したマウス線維芽細胞、STO 細胞由来
- ES 細胞培養、ヒト/マウスの iPS 細胞に有用
- iPS 細胞/ES 細胞を加える前にマイトマイシンC 等で有糸分裂的に不活化する必要があります
- McMahon, A.P. and Bradley, A. (1990) Cell 62:1073–1085.
- Okita, K; Ichisaka, T; Yamanaka, S. (2007) Nature 448:313–317.
- Takahashi K, Okita K, Nakagawa M, Yamanaka S. (2007) Nat Protoc. 2:3081-9.
- Takahashi K, Narita M, Yokura M, Ichisaka T, Yamanaka S. (2009) PLoS One 4(12):e8067.
SNLフィーダー細胞
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
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SNL Feeder Cells![]() |
CBL | CBA-316 | 1 VIAL |
¥228,000 |
※1ml:>1×106 cells/ml
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