CD163 は、主にマクロファージや単球の表面に発現する膜結合型受容体です。CD163 の注目すべき応用例として、がんや炎症性疾患のバイオマーカーとしての利用が挙げられます。CD163+マクロファージを標的とした抗体を用いることで、抗炎症薬や抗がん剤をこの細胞に直接届けることができ、動物実験では高い効果が確認されています (図1)。この方法は低毒性であるため、現在の多くの医薬品や医薬品候補の治療領域を高度に改善する可能性があります。現在までに、いくつか のCD163標的治療薬が開発され、第I/II相臨床試験で評価されています。
図1. がんにおける抗体薬物複合体(ADC)を用いた CD163 のターゲティング
(参照:Skytthe et al, 2020)