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記事ID : 43217
研究用

T細胞の活性化と増殖に CD3/CD28 Streptamer® キット(マウス)

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CD3/CD28 Streptamer®
図1
安定なT細胞活性化複合体の生成のために、Twin-Strep-tag®(Fab-Streps)を融合したCD3およびCD28に対するFab断片をStrep-Tactin®多量体と組み合わせた可溶性CD3/CD28 Streptamer®

CD3/CD28 Streptamer®を用いた手法は、Strep-tag®技術に基づいており、T細胞の活性化と増殖を容易にします。CD3およびCD28に対するTwin-Strep-tag®(Fab-Streps)に融合した低親和性のFab断片は、Strep-Tactin®マルチマーの骨格上で多量体化されます。その結果生じるCD3/CD28 Streptamer®複合体は、T細胞レセプター/CD3複合体(TCR/CD3;シグナル1)および補助刺激分子CD28(シグナル2)を刺激します。これら2つのシグナルにより、効率的なT細胞の活性化と増殖が可能となります。
In vitro での刺激および活性化のため、T細胞に可溶性のCD3/CD28 Streptamer®を添加します。ビオチンを加えると多量体化が逆転し、低親和性のFab断片が細胞から解離することを利用して、刺激処理の終了タイミングをコントロールすることができます。

特長

  • 低親和性のFab断片による可逆性試薬
  • 刺激処理の終了タイミングをコントロール可能
  • 刺激の除去にマグネットが不要
  • Capacity ; 5 x 107 total cells

構成内容

  • CD3 Fab-Strep(マウス)
  • CD28 Fab-Strep(マウス)
  • Strep-Tactin® マルチマー
  • ビオチンストック液

T細胞の刺激と増殖におけるStrep-tag®技術

Strep-tag®技術は、CD3/CD28 Streptamer®を原理とするT細胞のポリクローナルな刺激や増殖に応用することができます。この手法では、抗体由来のFab断片がT細胞表面のCD3とCD28をターゲットとします。これらのFab断片をTwin-Strep-tag®(Fab-Streps)に融合させ、Strep-Tactin®多量体上のCD3およびCD28 Fab-Strepsの多量体化を可能にし、CD3/CD28 Streptamer®を生成します。
この手法で用いられるFab-Strepsは、ターゲットに対する親和性が低いため、Strep-Tactin®上のFab-Strepsの多量体化が必要です。したがって、結合活性が十分に増加した場合にのみT細胞に安定して結合します。Strep-Tactin®上のFab-Strepsの多量体化のみがT細胞を効率よく活性化する可溶性複合体を生成しますが、これは単量体のFab-Strepsができないためです。
CD3/CD28 Streptamer®を使用する利点は、増殖期間中、いつでも刺激を止めることが可能な点です。ビオチンがTwin-Strep-tag®よりもStrep-Tactin®への親和性がはるかに高いことを利用し、増殖期間中、いつでも刺激を停止することが可能となります。ビオチンは、Strep-Tactin®上のすべての結合ポケットを阻害し、Fab-Strepsの多量体化を阻害します。これにより、ビオチン添加後数分以内に細胞刺激が終了します。Fab-Strepsの親和性が低いために、それらは細胞表面から自発的に解離し、刺激を終わらせます。これは、活性化シグナルとほぼ同時の開始および終結できる高度に制御されたT細胞の活性化を容易にし、様々な下流のアプリケーションで、試薬フリーの細胞を生成することが可能となります。

CD3/CD28 Streptamer®を用いたT細胞増殖のワークフロー例
図2 CD3/CD28 Streptamer®を用いたT細胞の刺激と増殖のワークフロー例
CD3 Fab-StrepとCD28 Fab-StrepをStrep-Tactin®マルチマーに結合させ、可溶性のCD3/CD28 Streptamer®複合体を細胞に加え活性化・増殖させる。ビオチンを添加することで刺激処理を終了することができる。

実験例

T細胞の活性化

T細胞の活性化
図3 T細胞の活性化の実験例

ヒトHuman CD3+ T細胞をCD3 Fab-StrepsとStrep-Tactin® Magnetic Microbeadsを磁性細胞分離用のFab-TACS®手法に準じて分離しました。活性化マーカーCD25またはCD69をフローサイトメトリーで評価し、死細胞は、DAPIを用いた解析で除外しました。

 

T細胞の増殖

T細胞の増殖例
図4 T細胞の増殖実験例

ヒトCD3+T細胞をCD3 Fab-StrepsとStrep-Tactin®磁性マイクロビーズを磁性細胞分離用のFab-TACS®のプロトコールに沿って分離しました。細胞は、CFSEで染色し、CD3/CD28 Streptamersとともに48ウェルプレートで5日間培養しました。増殖は、CD4+(上部)またはCD8+T細胞(下部)を用いてフローサイトメトリーにより測定しました。死細胞はPIを用いた解析で除外しました。

 

T細胞のFold Expantion

T細胞のFold Expantion
図5 T細胞のFold Expantion

ヒトCD3+T細胞をCD3 Fab-StrepsとStrep-Tactin®磁性マイクロビーズを磁性細胞分離用のFab-TACS®のプロトコールに沿って分離しました。細胞は、CFSEで染色し、CD3/CD28 Streptamersとともに48ウェルプレートで5日間培養しました。増殖は、CD4+(上部)またはCD8+T細胞(下部)を用いてフローサイトメトリーにより測定しました。死細胞はPIを用いた解析で除外しました。

 

T細胞のクラスター形成

IBA_CD3CD28_Streptamer_cluster_A.jpg IBA_CD3CD28_Streptamer_cluster_B.jpg
図 T細胞のクラスター形成
ヒトCD3+T細胞をCD3 Fab-StrepsとStrep-Tactin®磁性マイクロビーズを磁性細胞分離用のFab-TACS®のプロトコールに沿って分離し、CD3/CD28 Streptamerの有り(A)無し(B)で培養した。クラスター形成は顕微鏡を用いて観察した。

CD3/CD28 Streptamer® キット(マウス)

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
CD3/CD28 Streptamer(R) Kit, Mouse IBA 6-8920-050 1 KIT
販売終了

関連商品:CD3 Fab-TACS® アガロースカラムスターターキット(マウス用)

実験前のCD3+ T細胞の分離に

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
CD3 Fab-TACS(R) Agarose column Starter Kit, Human IBA 6-3201-002 1 KIT
販売終了

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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