細菌、哺乳動物、酵母用の発現ベクターへの簡便、IPフリー、傷跡の残らないクローニングがわずか5分で実現！ ATUM社 Electra Vector System™

ATUM社（旧DNA2.0社）のElectra Vector System™ は、細菌、哺乳動物、酵母用の発現ベクターへの簡便かつ傷跡の残らないクローニングが可能な独自のクローニングシステムです。わずか5分間反応させるだけで、制限酵素を用いたクローニングシステムと同等の精度でクローニングが完了します。

IPフリー（ライセンス、特許権使用料共有無し、制限無し）でご利用いただけます。

ATUM社では簡便かつ1つの試験管内で実施可能な汎用性の高いクローニング工程を開発しました。

実験台上でわずか5分間反応させるだけで、制限酵素を用いたクローニングシステムと同等の精度でクローニングが完了します。Electra System™ではIIS型の制限酵素SapI を利用しており、7bpのパリンドロームではない配列を認識し、切断後は5' 末端側が3塩基の突出末端になります。ATUM社では細菌、哺乳動物、および酵母を宿主としたIPフリーの発現ベクターシリーズを開発し、C-/N-末端タグや融合といった種々の要素の付加が可能で、かつご興味のある遺伝子を迅速かつ効率的に試験する方法をご提供しています。如何なるベクターも簡単に「Electra-fied」（Electraベクター様の機能をもつよう変換）することができます。

ATUM社のElectra System™ を利用して、さまざまな特色をもった数々の発現ベクターにご自身のORFを効率的に移動できます。ご興味のあるORF（Gene A）を母ベクター（pMOTHER）からさまざまな娘ベクター（pDAUGHTERs）へと簡単に移動できます。DAUGHTERベクターは、細菌、動物細胞および酵母システムに対応しており、耐性マーカー、蛍光タンパク質、C-/N-末端タグや融合プロテインなど、ご希望のものをお選びください。本製品のご使用に際し、ライセンス制限や特許権使用料などはございませんので、どのような実験計画にも安心してご利用いただけます。

図1. 1つの試験管内で5分で完了するElectra System™
目的の遺伝子を担持する母ベクター(pMother)を、Electra Reagent Mix の存在下で線状化娘ベクター（pDAUGHTERs）と混合する。大腸菌に形質転換し、抗生物質を加えたLBアガー培地に播種し、室温で5分間インキュベートする。

図2. さまざまな特色をもった数々の発現ベクターにORFを効率的に移動
研究対象のORF（Gene A）を母ベクター（pMOTHER）からさまざまな娘ベクター（pDAUGHTERs）へと簡単に移動することができる。DAUGHTERベクターは、細菌、動物細胞および酵母システムに対応。

Electra Vector System™ は非常に簡便

• 迅速：
  1つの試験管内で5分で完了
• ユニバーサル：
  如何なるORFもElectra vector にクローニング可能
  ORFs をMOTHERベクターから複数のDAUGHTERベクターに迅速に移動
• 傷跡を残さない：
  確実にインフレームで移動し、配列に影響しない
• IPフリー：
  ライセンスなし！ 特許権使用料共有なし！ 制限なし！
• 多彩な選択肢：
  複数種の宿主に対応し、かつ融合体、バイシストロニックな発現、プロモータ、RBSなどさまざまなベクターをご用意
• 簡便：
  Electra Cloning kit を用いてご自身の遺伝子をクローニング、ATUM社でのクローニングも承ります。

他社製品との比較

Electra System™ では、IIS型の制限酵素 SapI を利用しています。

7bpのパリンドロームではない配列を認識してその認識部 位より外側を切断し、切断後は5' 末端側が3塩基の突出末端になります。このシステムの特長は、突出末端部分に5' 末端の開始コドンを組込むことができる点です。終止コドンは簡単にORF末端に付加できます。一方、ご希望のタイプのDAUGHTERベクターにORFをクローンする方法もあります。pDOUGHTERベクターは配列開環状でご提供しており、末端配列は5'-TAC-3' および5'-GGT -3' です。

pMOTHER IIS型切断部位


pDAUGHTER IIS型切断部位
pDOUGHTERベクターは配列開環状でご提供しており、末端配列は5'-TAC-3' および5'-GGT -3'。

図3. pMOTHERおよびpDAUGHTERベクターIIS型切断部位

プロトコール

1. 表に記した試薬を１つの1.5 mL チューブに加える。
   （注） DaughterベクターはATUM社より開環状にしてご提供
2. 5〜20分間室温培養
3. 2μ l の反応溶液をそれぞれコンピテントセルに形質転換。
   （注） ATUM社ではストレプトマイシン耐性細胞株を使用
4. 選択抗生物質のみ、または抗生物質および100 μg/mL ストレプトマイシン（Teknova 品番：L1148 Kan+strep）を含むLBプレート、または抗生物質および10mMのp-クロロフェニルアラニン（Teknova 品番：Y5700 (Kan+chloro-phe) または#Y5705(Amp+chloro-phe)）を含むYEGプレートに播種
5. 37℃で一晩培養

ORFのPCR

下記の末端配列はpDAUGHTERベクターに直接組込むために必要なElectra部位をコードしているため、この配列をプライマーに組込むことをお勧めしています。

対象ORF配列の末端15〜20bpをプライマーの3' 末端に追加してORFを増幅すると、Electra MOTHERまたはElectra DAUGHTER発現ベクターと互換性がとれます。

• Forward primer: 5′-TACACGTACTTAGTCGCTGAAGCTCTTCTATG.... (ORF)....
• Reverse primer: 5′-TAGGTACGAACTCGATTGACGGCTCTTCTACC.... (ORF Reverse Complement)....

※　プライマーの分析およびデザインにはATUM社のBioinformatics Toolboxをご利用ください。

• 検証データ 1 ：2つのpMOTHERベクターからE.coli pDAUGHTERベクターに遺伝子挿入配列を移動
• 検証データ 2 ：Electra pDAUGHTERベクターへのPCR産物のクローニング

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