リウマチ因子 (RF) を含む血漿や血清サンプル中のサイトカインを定量するELISAキットです。組換えモノクローナル検出抗体とRFブロック希釈液を組み合わせることで、RFと異好抗体によるキャプチャー抗体と検出抗体の架橋を防ぎ、偽陽性の検出リスクを削減します(RF含有の血漿で検証済み)。
RFを含む血漿・血清サンプルに最適 リウマチ因子の干渉を防ぐ サイトカイン検出用 ELISA PathRFキット
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背景
リウマチ因子(リウマトイド因子;rheumatoid factor: RF)とは?
複数の異なる抗体の混合物です。異種の抗体と結合するものや、自己抗体(自己抗原に結合する抗体)となるものがあります。
異好抗体(Heterophilic Antibodies: HA)とは?
異種の抗体に結合します。 ヒトサンプルでは、ヒト免疫グロブリンに結合する自己抗体、またはヒト抗マウス抗体 (HAMA) を含むヒト抗動物免疫グロブリン抗体 (HAIA) のいずれかです。
リウマチ因子がELISAの結果に影響する理由
サンドイッチELISAでは、可溶性アナライトの補足や検出に抗体ペアを使用します。サンプル中にアナライトが存在する場合、陽性シグナルが検出されます(図1A)。しかしながら、リウマチ因子 (RF)や異好抗体 (Heterophilic Antibodies: HA)のような血清や血漿中の干渉因子がELISAの抗体ペアとを架橋(クロスリンク)することがあり、これが偽陽性シグナルの検出および不正確なアナライトの定量を引き起こします (Gehin et al. 2021)(図1B)。架橋してしまうと特異的なシグナルと非特異なシグナルを区別することが不可能になり、アッセイ結果の信頼性が低下してしまいます。そのため、PEG6000を用いる沈殿法や免疫グロブリンの遮断による抗体除去のようなサンプルの前処理がこれらの干渉の削減方法として以前より提案されています (Bartels et al. 2011, Churchman et al. 2012)。
ELISA PathRFの原理
RFは関節リウマチ (RA)の患者で最初に発見され、その後がんや 慢性感染症、サルコイドーシス、混合性結合組織病、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデスなどの多くの病気で報告されています(Ingegnoli et al. 2013, Tiwari et al. 2021)。そのため、RFや異好抗体の干渉によって偽陽性の結果となるリスクは、健常対照のサンプルよりも患者のサンプルの方が高くなります (Kharlamova et al. 2021)。
ELISA PathRFは異なるコホート間でもデータを比較することが可能です。このELISAフォーマットでは、アナライトを特異的に検出するオリジナルの抗体ペアが存在しますが、検出抗体にリコンビナント骨格を導入し、特別なRFブロック希釈液を添加することにより、これらの干渉リスクを回避することができます(図1C)。
図1
(A)サンドイッチELISAの原理
(B)異好抗体およびRFによる偽陽性の干渉
(C)ELISA PathRFキットを使用した際の干渉の回避
構成内容
- RFブロック希釈液
- ビオチン標識検出モノクローナル抗体
- HRP標識ストレプトアビジン
- ELISAスタンダード
- HRP標識ストレプトアビジン用希釈液
- スタンダード再構成用バッファー
- 洗浄バッファー
- 基質 (TMB)
- 停止液
- 抗体コート済ストリッププレート
製品データ
ELISA PathRFはリウマチ因子を含む血漿で検証済み
アンマッチの抗体セットを使用することで、ELISAで得られたシグナルが陽性か偽陽性であるかを判断できます。アンマッチの抗体セットは、全く異なるタンパク質に対するキャプチャー抗体と検出抗体で構成されており、正しい陽性のシグナル結果が出ることはありません。そのため、これらのセットでシグナルが得られた場合、サンプル中の因子がキャプチャー抗体と検出抗体を架橋し、偽陽性のシグナルが現れたことを示します。
関節リウマチ患者由来の血漿サンプル(n=100)で測定した結果、アンマッチの抗体ペアを用いた一般的なELISAの場合は偽陽性が高い頻度で観察されました(図2)。それとは対照的にELISA PathRFを用いた場合には偽陽性シグナルは検出されませんでした(図2)。
図2.関節リウマチ患者(n=100)の血漿サンプルを用いて、(異なるターゲットを検出するキャプチャー抗体と検出抗体をセットにした)アンマッチの抗体セットを使用した一般的なELISAとELISA PathRFの結果
- Bartels et al., Rheumatoid factor and its interference with cytokine measurements: problems and solutions, Arthritis 2011
- Churchman et al., Multiplexing immunoassays for cytokine detection in the serum of patients with rheumatoid arthritis: lack of sensitivity and interference by rheumatoid factor, Clin Exp Rheumatol 2012
- Gehin et al., Rheumatoid factor and falsely elevated results in commercial immunoassays: data from an early arthritis cohort, Rheumatol Int 2021
- Ingegnoli et al., Rheumatoid Factors: Clinical Applications, Dis Markers 2013
- Kharlamova et al., False Positive Results in SARS-CoV-2 Serological Tests for Samples From Patients With Chronic Inflammatory Diseases, Front Immunol 2021
- Tiwari et al., Rheumatoid Factor, Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2021 Jan
ELISA PathRF
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
ELISA PathRF: IFN-γ, Human, Horseradish Peroxidase | MAB | 3420-1HP-DP-1 | 1 KIT [1 plate] |
¥109,000 |
ELISA PathRF: IL-1β, Human, Horseradish Peroxidase | MAB | 3416-1HP-DP-1 | 1 KIT [1 plate] |
¥109,000 |
ELISA PathRF: IL-6, Human, Horseradish Peroxidase | MAB | 3460-1HP-DP-1 | 1 KIT [1 plate] |
¥109,000 |
ELISA PathRF: IL-8, Human, Horseradish Peroxidase | MAB | 3560-1HP-DP-1 | 1 KIT [1 plate] |
¥109,000 |
ELISA PathRF: IL-10, Human, Horseradish Peroxidase | MAB | 3430-1HP-DP-1 | 1 KIT [1 plate] |
¥109,000 |
ELISA PathRF: IL-17A, Human, Horseradish Peroxidase | MAB | 3520-1HP-DP-1 | 1 KIT [1 plate] |
¥109,000 |
ELISA PathRF: TNF-α, Human, Horseradish Peroxidase | MAB | 3512-1HP-DP-1 | 1 KIT [1 plate] |
¥109,000 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
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