ユビキチン活性化キットは、ユビキチンE1酵素を活性化します。ユビキチンカスケード研究にご活用ください。
背景
ユビキチン化について
タンパク質へのユビキチンの共有結合(ユビキチン化)及びそれに続くプロテアソーム分解は、細胞周期、分化、免疫応答、DNA修復、クロマチン構造、アポトーシスなどの細胞機能の基本的な役割を果たしています。
ユビキチン化は、3つの酵素ステップで達成されます。ユビキチン活性化酵素(E1)が、Mg2+コファクター存在下でユビキチンとの反応性チオエステル結合の形成を触媒します(ATP依存プロセス)。その次にユビキチンを運ぶタンパク質(E2)のシステイン活性化部位に転移します。その後、E2-ユビキチンチオエステルと、基質特異的ユビキチンタンパク質イソペプチドリガーゼ(E3)が結合し、E3がユビキチンとそのターゲットタンパク質のイソペプチド連結の形成を促進します。
使用目的
本製品は、ユビキチンカスケードの第一段階で利用される、チオエステル結合したユビキチン-E1活性化酵素結合体を作り出します。ユビキチンの活性化、それに伴って生じるE2結合酵素への転移/相互作用、E3リガーゼとターゲッタンパク質のユビキチン化の研究にご利用いただけます。キットは、野生型又は変異型のE2酵素(お客様でご用意ください)と合わせて使用することを目的としています。キットには、ユビキチン及びユビキチン結合体を高感度に検出するユビキチン抗体が添付されています。
構成内容
- ユビキチン活性化酵素(E1)溶液 (20×)
- ユビキチン(Ub)溶液
- ユビキチン酵素溶液
- Mg-ATP 溶液 (20×)
- 非還元ゲルローディングバッファー (2×)
- ユビキチンバッファー (10×)
アプリケーション例
- 野生型又は変異型のE2酵素へのチオエステル結合を介した結合用ユビキチンの活性化
- ユビキチンE3リガーゼの、ターゲット特異的なユビキチン修飾(Ub-E2結合体を利用)
- E1活性化酵素によるユビキチン変異もしくはユビキチン活性化の研究
- 野生型ユビキチンを誘導体(例:ビオチン化ユビキチン 品番BML-UW8705)に置き換えることにより、ユビキチンカスケードにおける活性化や有用性を調査
使用例
図1 ユビキチンチオエステルアッセイのウェスタンブロット
E1活性化酵素(キット添付)及びE2酵素(UbcH5a、キットに含まれない)を用い、プロトコールに従い試験した。ウェスタンブロットにより、ユビキチン-E2酵素結合体をユビキチン抗体で検出した。
レーン1:MWマーカー
レーン2:E2-ユビキチン結合体
レーン3:ATP未添加(ネガティブコントロール)
レーン4:ユビキチン未添加(ネガティブコントロール)
レーン5:E1酵素未添加(ネガティブコントロール)
ユビキチンのE2酵素への転移は、全ての反応成分(E1酵素、Mg-ATP、ユビキチン)が必要であることが示された。
ユビキチン活性化キット
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
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Ubiquitin activating kit![]() |
ENZ | BML-UW0400A-0001 | 1 KIT [20 Tests] |
¥48,000 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
- 「ユビキチン活性化キット(Ubiquitin activating kit)」は、下記のカテゴリーに属しています。