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記事ID : 11613
研究用

5-メチルシトシンを含むDNAを免疫沈降技術を利用して濃縮 BioArray™ メチル化DNA IP キット

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BioArray™ メチル化DNA IPキットは、ゲノムワイドなメチル化分析用に、ゲノムDNAフラグメントのプールから、5-メチルシトシンを含むDNAを免疫沈降技術を利用して濃縮するキットです。

キットに含まれる5-メチルシトシンに高い特異性を持つモノクローナル抗体は、メチル化DNAを「キャプチャー」し、ほんの数時間でメチル化されていないDNAから分離します(図1)。
本キットを用いることで、非メチル化DNAに対して、メチル化DNAを100倍以上に濃縮することができます。回収したDNAは、各種下流のアプリケーション(PCR、全ゲノム増幅、ディープシーケンシングなど)に適用できます。

背景

DNAのメチル化

DNAのメチル化は、原核生物・真核生物の両方で自然に発生する塩基の修飾です。原核生物においては、DNAのメチル化はホストDNAを制限酵素エンドヌクレアーゼ(外来DNAを除去する)による分解から保護します。高度な真核生物においては、DNAメチル化は遺伝子発現を調節/制御します。多くの生物において、DNAのメチル化は、メチルトランスフェラーゼにより、シトシンのピリミジン環の5番目の炭素にメチル基が付加されることによって起こります。哺乳類におけるDNAメチル化の多くは5'-CpG-3'ジヌクレオチドで発生しますが、他のパターンでも起こります。哺乳類のゲノム中の全ての5'-CpG-3'ジヌクレオチドのうち、約80%がメチル化されており、メチル化されていない残りの20%のほとんどは、遺伝子のプロモーター部分又は最初のエクソン内に存在しています。

DNAのメチル化(5-メチルシトシン)を、効率的かつ正確に検出・定量することは、癌、遺伝子発現、遺伝病など生物学の重要な面のエピジェネティックを研究するために、不可欠になっています。今日までにDNAのメチル化を検出/定量するための手法が数多く開発されてきました(高性能キャピラリー電気泳動、メチル化感受性任意プライムPCRなど)。しかし、現在使用されている中では、バイサルファイト(bisulphite)変換法が最も一般的な手法です。また、抗体を用いたメチル化DNAの免疫沈降(IP)は、ゲノムワイドなメチル化の研究において、もう1つの強力なツールです。

特長

  • DNAプールからメチル化DNAを識別する高特異性抗体
  • 大スケールのDNAメチル化分析のためのメチル化DNA濃縮
  • 再現性結果を得られる簡単操作

構成内容

  • プロテインAビーズ
  • 抗5-メチルシトシン
  • コントロールDNA(メチル化DNA、非メチル化DNA)
  • コントロールプライマー1、2
  • IPバッファー
  • DNA変性バッファー
  • DNA溶出バッファー
  • 磁性ロッド

使用データ

非メチル化/メチル化コントロールで「スパイク」したサケ精子ゲノムDNAを本キットで処理
図1 
非メチル化/メチル化コントロールで「スパイク」したサケ精子ゲノムDNAを本キットで処理した。溶出したDNAはキットに添付のコントロールプライマーを用いてPCRで増幅した。増幅産物をNcoI で分解し、メチル化DNAからは2つの175pbのフラグメントを、非メチル化DNAからは1つの350bpのフラグメントを生成した。

操作概要

メチル化DNA IPキット 操作概要
図2 操作概要

BioArray™ メチル化DNA IPキット

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
BioArrayTM methylated DNA IP kit詳細データ ENZ ENZ-45012-0010 10 TEST
¥163,000

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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