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APPΔC31 測定ELISAキットは、細胞ライセートおよび脳脊髄液サンプル中のAPPΔC31(APP Delta C31)を定量するための免疫測定キットです。アミロイド前駆体タンパク質(APP)の細胞内切断を測定、アルツハイマー病の研究に有用です。

APP Delta C31 ELISA kit

背景

アルツハイマー病(AD)は、進行性の神経変性疾患で、老人斑、神経原線維変化、シナプス・ニューロンの損失などの特徴を持ちます。脳内でアミロイドベータ(Aβ)ペプチドが斑として蓄積することによって媒介される毒性の疾患で、有毒金属との結合、反応性酸素種の産生、細胞膜の直接的な損傷などによって脳細胞が損傷を受けると考えられています。最近の研究では、Aβペプチドは非病理的な効果も持つ多機能性ペプチド1で、アミロイド前駆体タンパク質(APP;amyloid precursor protein)のようなその他のタンパク質との結合し、結果として記憶形成の過程と通常の物忘れとの間に不均衡が生じてADに関与することが示唆されています。Aβペプチド自身が正常な調節及びAPPのシグナリングに影響を与えることができるのは、Aβペプチド及びAPPの相互作用を通してであり、その結果、化学的又は物理的な効果よりもむしろシグナリング効果を介してADの発病が引き起こされます。

APPには3種類の主要なアイソフォーム(APP695、APP751、APP770)があり、mRNA前駆体の選択的スプライシングにより形成されます。APP770が標準的な配列です。APP695は中枢神経系で優先的に発現する一方、APP770及びAPP751は末梢組織でより高く発現します。全長のAPP695はカスパーゼにより細胞内部位(Asp664)で切断され、C-末端ペプチドの31アミノ酸(C31)を放出し、より大きいneo-APPフラグメント(APPΔC31)が残ります。これらの実体は両方ともアポトーシス促進性です2。ヒト脳組織の免疫組織化学的解析により、この細胞質切断は健常人に比べてAD患者では4倍の頻度で発生しており、この切断により、疾病の影響を受ける脳の重要な領域に、老人斑及び神経原線維変化の局在が発生していることが証明されました3in vivoのトランスジェニックマウスモデルにおいて、APP695の664番目のアスパラギン酸残基をアラニンに変換させるシングルミューテーションにより、C末端切断が完全にブロックされ、ADの表現型の多くの特徴が逆行しました4。加えて、細胞培養において、Aβの神経毒性がAPPのAsp645での切断に依存しており5、AβのAPP多量体化促進を引き起こすことが示唆されました6

これらの研究により、ADの進行の理解におけるこの切断及び関連タンパク質の重要性が発見され、治療法開発のためのターゲットが広がりました。

使用目的

APPの切断によって生じるneo-APPフラグメントを特異的に測定するための簡単で扱いやすいELISAキットです。たった2時間で結果が得られます。その他のAD関連タンパク質(Aβ40/42、sAPPα、tau/p-tauなど)の測定と組み合わせることにより、ADの進行についての研究のための有用なバイオマーカーとしてご利用いただけます。

特長

  • 高感度:0.92pMのAPPΔC31まで測定可能
  • 定量:半定量のウェスタンブロット解析を上回る完全定量
  • ハイスループット:最大38サンプル(繰り返し2回)を2時間測定
  • 特異的:類似APPアイソフォームには低交差性

構成内容

  • APPΔC31アッセイバッファー
  • APPΔC31スタンダード(50×)
  • APPΔC31マイクロプレート
  • APPΔC31抗体(ウサギポリクローナル抗体)
  • APPΔC31Conjugate(HRP標識ロバ抗ウサギIgG)
  • 洗浄バッファー(20×)
  • TMB基質
  • 停止溶液2

使用例

典型的なスタンダードカーブ
図1 典型的なスタンダードカーブ

ELISA及びウェスタンブロットにより測定
図2 特異性
APPΔC31又はAPP695をトランスフェクトしたHEK細胞のライセートについて、本キットによるELISA及びウェスタンブロットにより測定した(ウェスタンブロットは、APPの両フォーマットを認識するモノクローナル抗体3E9を使用)。本キットではAPPΔC31を高感度に検出し、APP695を認識しなかった。

薬剤スクリーニングアプリケーションでの使用
図3 薬剤スクリーニングアプリケーションでの使用
APP770をトランスフェクトした7W CHO細胞を5μMのシンバスタチン(細胞内カスパーゼ切断を刺激することでAPP ΔC31を生成する7)で処理した。また、各種濃度(1〜30μM)のカスパーゼ阻害剤(QVD-OPh)を添加して切断及びAPP ΔC31の生成を阻害した。これらの処理の後、細胞を溶解し、ライセートををウェスタンブロット及び本キットによるELISAで解析した(抗体は両者ともAPP ΔC31に特異的)。ウェスタンブロットとELISAの結果は、カスパーゼ阻害剤の濃度上昇に伴ってAPP ΔC31の生成が減少することを示唆し、一致した。

参考文献

1. Lahiri D.K. and Maloney B. (2010) Beyond the signaling effect role of amyloid-β42 on the processing of APP, and its clinical implications. Experimental Neurology, 225: 51-54.
2. Galvan V., Gorostiza O.F., Banwait S., Ataie M., Logvinova A.V., Sitaraman S., Carlson E., Sagi S.A., Chevalier N., Jin K., Greenberg D.A. and Bredesen D.E. (2006) Reversal of Alzheimer’s-like pathology and behavior in human APP transgenic mice by mutation of Asp664. Proceedings of the National Academy of Science, 103: 7130-7135.
3. Bredesen D.E., Rao R.V. and Mehlen P. (2006) Cell death in the nervous system. Nature, 443: 796-802.
4. Banwait S., Galvan V., Zhang J., Gorostiza O.F., Ataie M., Huang W., Crippen D., Koo E.H. and Bredesen D.E. (2008) C-terminal cleavage of the amyloid-beta protein precursor at Asp664: a switch associated with Alzheimer’s disease. Journal of Alzheimer’s Disease, 13: 1-16.
5. Shaked G.M., Kummer M.P., Lu C.C., Galvan V., Bredesen D.E. and Koo E.H. (2006) Aβ induces cell death by direct interaction with its cognate extracellular domain on APP (APP 597-624). FASEB Journal, 20: 1254-1256.
6. Saganich M.J., Schroeder B.E., Galvan V., Bredesen D.E., Koo E.H. and Heinemann S.F. (2006) Deficits in synaptic transmission and learning in amyloid precursor protein (APP) transgenic mice require C-terminal cleavage of APP. Journal of Neuroscience, 26: 13428-13436.
7. Descamps O., Zhang Q., John V. and Bredesen D.E. (2011) Induction of the C-terminal proteolytic cleavage of AβPP by statins. Journal of Alzheimer’s Disease, 25: 51-57.

APPΔC31 測定ELISAキット

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
APP δ C31 ELISA kit詳細データ ENZ ADI-900-227-0001 96 WELL
¥101,000

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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