本製品は、トランスペプチダーゼの一種であるソルターゼA(SA)を用いて細胞外小胞(EV)の表面を修飾するキットです。タンパク質のC末端に存在する保存されたアミノ酸配列「LPXTG」を特異的に認識し、その内部にあるトレオニンとグリシンの間のペプチド結合を切断します。同時に、タンパク質のN末端にあるポリグリシン(GGG)と結合してアシラーゼ中間体を形成し、新たなペプチド結合を作ることでペプチド転移反応を完了させます。これにより、2つのタンパク質間に共有結合を形成することが可能となります。また、エクソソームの表面に存在する一部のタンパク質のN末端にはGGG構造があり、合成ペプチドや組み換え標的タンパク質のC末端にはLPXTG配列が付加されています。そのため、SA酵素の働きによって、ペプチドや標的タンパク質が細胞外小胞の表面で共有結合的に修飾されます。このように、本製品はタンパク質の修飾において、精密かつ効率的に機能する多用途なツールとして活用できます。
細胞外小胞表面修飾キット(SA-Biotin)の概略図