
Factor XIII(第XIII因子;フィブリン安定化因子)とは、トランスグルタミナーゼの酵素群に属する凝固因子です(EC 2.3.2.13)。Factor XIIIは、プロ酵素(320 kDa)として血漿中を循環するという点でトランスアミダーゼの特徴を有しています。
Factor XIIIというチモーゲンは、2つの同一のAサブユニットと2つの同一のBサブユニットからなるヘテロ四量体(A2B2)です。Aサブユニット(83 kDa)は酵素(トランスグルタミナーゼ)活性を有し、グルタミン残基上の窒素にアルキル基を付加し、隣接するタンパク質鎖のリシン残基と順に結合します(クロスリンク)。Bサブユニット(76.5 kDa)はAサブユニットのキャリアーとして働きます。
Factor XIIIはトロンビンによってFactor XIIIaに活性化され、活性化にはコファクターとしてカルシウムが必要です。トロンビンによるAサブユニットのN末端のArg37残基とGly38残基の間の切断により、活性化ペプチド(MW 4 kDa)を遊離します。次に、カルシウムの存在下で、担体サブユニットは触媒サブユニットから解離することで、立体構造の変化および触媒部位の露出します。
生理学的には、トロンビンを介したフィブリノーゲンのフィブリンへの変換後、凝血塊中のフィブリン線維は1つのD単位によってのみ架橋されます。Factor XIIIは、フィブリン鎖の間にy-グルタミル-E-リジン架橋を付加することによって、凝血塊をさらに安定化します。Factor XIIIは主に肝臓で合成され、巨核球/血小板、単球/マクロファージ、およびいくつかの組織にも存在することが知られています。
Lexo社では、Factor XIII研究用のアッセイキット、抗体、リコンビナントタンパク質、インヒビターを提供しています。
- Autoimmune acquired factor XIII deficiency due to anti-factor XIII/13 antibodies: A summary of 93 patients. Ichinose A and Japanese Collaborative Research Group on AH13; Blood Rev 2017 Jan;31(1}:37-45
- Newly-Recognized Roles of Factor XIII in Thrombosis. Byrnes JR and Wolberg AS; Semin Thromb Hemost 2016 Jun;42(4}:445-454.
- Factor XIII: Structure and Function. Schroeder V et al.; Semin Thromb Hemost 2016 Jun;42(4}:422- 428.
- Rare coagulation disorders: fibrinogen, factor VII and factor XIII. de Moerloose P et al.; Haemophilia. 2016 Jul;22 Suppl 5:61-65.
- Coagulation factor XIII deficiency. Diagnosis, prevalence and management of inherited and acquired forms. Biswas A et al.; Hamostaseologie 2014;34(2}:160-166.