カルシウムは様々な細胞での万能なセカンドメッセンジャーです。無数の機能が Ca2+ により制御されているため、カルシウム指示薬を用いたカルシウム測定は重要な生化学調査の1つになっています。1920年代から Ca2+ の測定が試みられ多様な指示薬が開発されてきました。
蛍光指示薬を用いることで、細胞内の遊離Ca2+濃度の変化を各種機器 (蛍光顕微鏡、フローサイトメトリー、蛍光分光法及び蛍光マイクロプレートリーダー) から確認することができます。これら蛍光指示薬のほとんどが、カルシウムに応答するPET機構 (光誘起電子移動) を組み込んだBAPTAキレーターの誘導体です。蛍光指示薬を選択する際は、ご自身の実験に適したスペクトル特性、測定モード、透過性 (AMフォーム:生細胞中のアッセイに適した細胞透過性タイプ、塩フォーム:生細胞や組織へのマイクロインジェクションに適したタイプ)、 解離定数 (Kd) を選択ください。