MALDI-TOF MASS による PMF 解析
MALDI-TOF MASS とはマトリックス支援レーザー脱離イオン化法 (MALDI: Matrix Assisted Laser Desorption Ionization) と飛行時間型 (TOF: Time Of Flight) 質量分析装置 (MS) の組み合わせにより、高分子の質量を決定 することができる手法です。MALDI-TOF MASS による PMF (Peptide Mass Fingerprint) 解析はトリプシン処理によって切られたペプチドフラグメントの質量を測定し、これを Mascot サーチすることによりタンパク質を同定する解析法です。本サービスは Genomic sequence が完了している生物種または Swiss prot に登載されているタンパク質の同定に有効です。
解析内容
- PMF 解析によるタンパク質同定
- MALDI-TOF MSによるゲル中タンパク質の解析(ゲルの脱色、タンパク質のゲル内消化、MS分析、データベース検索が含まれます)
- データベースは基本的にSwiss-Prot、UniProtを使用しております。
装置
Microflex LRF 20 (Bruker Daltonics)
サンプル形態
- CBB染色もしくは銀染色によって染色したゲルから切り出したバンド (もしくはスポット) を 1.5ml のエッペンチューブに入れてご送付下さい。
- CBB染色の場合はバンド1本(もしくはスポット1つ)、銀染色の場合はバンド3本以上(もしくはスポット3つ以上)を目安にお考え下さい。
納品物
データはFTPサーバーにアップされますので、そこからダウンロードして頂きます。
- Mascot searchによるタンパク質同定結果2種類(Mascot searchの生データ;htmlファイル)
- MALDI-TOF MSのスペクトルデータ(gifファイル)
- タンパク質同定結果の一覧(エクセルファイル)
- 解析方法、結果の見方を記載した報告書(PDFファイル)
MALDI-TOF Mass Spec for Modification Analysis
解析内容
- MALDI-TOFを利用してタンパク質の翻訳後修飾を分析します。
- MALDI-TOFでゲル中のタンパク質の修飾についてMS分析を行います。
- 分析には予め予測される修飾の種類をご連絡いただく必要が御座います。
- 下記の「タンパク質翻訳後修飾の種類」から、ご希望の項目をご選択ください。
- 注)糖鎖修飾は分析対象外となりますのでご注意ください。
- 注)ペプチドレベルでの修飾部位同定となります。修飾アミノ酸の位置は特定できかねます。
- 注)選択項目は1サンプルあたり最大9項目となります。それ以上をご指定の場合は2サンプル分としてご依頼を承ります(例: 12項目の場合は9項目と3項目の2サンプル分、20項目の場合は3サンプル分となります)。
- 注)データベースは基本的にSwiss-Prot、UniProtを使用しております。
タンパク質翻訳後修飾の種類
Acetyl (K) |
ICPL:2H(4) (K) |
Acetyl (N-term) |
ICPL:2H(4) (Protein N-term) |
Acetyl (Protein N-term) |
iTRAQ4plex (K) |
Amidated (C-term) |
iTRAQ4plex (N-term) |
Ammonia-loss (N-term C) |
iTRAQ4plex (Y) |
Biotin (K) |
iTRAQ8plex (K) |
Biotin (N-term) |
iTRAQ8plex (N-term) |
Cabamidomethyl ( C ) |
iTRAQ8plex (Y) |
Carbamyl (K) |
Label:18O(1) (C-term) |
Carbamyl (N-term) |
Label:18O(2) (C-term) |
Carboxymethyl ( C ) |
Met->Hse (C-term M) |
Cation : Na (C-term) |
Met->Hsl (C-term M) |
Cation : Na (DE) |
Methyl (C-term) |
Crotonyl (K) |
Methyl (DE) |
cysTMT6plex ( C ) |
Methylthio ( C ) |
Deamidated (NQ) |
mTRAQ (K) |
Dehydrated (N-term C) |
mTRAQ (N-term) |
Dehydro (C) |
mTRAQ (Y) |
DiLeu4plex (K) |
mTRAQ:13C(3)15N(1) (K) |
DiLeu4plex (N-term) |
mTRAQ:13C(3)15N(1) (N-term) |
DiLeu4plex (Y) |
mTRAQ:13C(3)15N(1) (Y) |
Dioxidation (K) |
mTRAQ:13C(6)15N(2) (K) |
Ethanolyl ( C ) |
mTRAQ:13C(6)15N(2) (N-term) |
ExacTagAmine (K) |
mTRAQ:13C(6)15N(2) (Y) |
ExacTagThiol (C) |
NIPCAM (C) |
Formyl ( N-term) |
Oxidation (HW) |
Formyl (Protein N-term) |
Oxidation (M) |
Gln->pyro-Glu ( N-term Q) |
Phospho (ST) |
Gln->pyro-Glu ( N-term E) |
phospho (Y) |
Guanidinyl (K) |
Propionamide ( C ) |
ICAT-C (C) |
Pyridylethyl ( C ) |
ICAT-C:13C(9) ( C ) |
pyro-carbamidomethyl (N-term C) |
ICPL (K) |
sulfo (STY) |
ICPL (Protein N-term) |
TMT2plex (K) |
ICPL:13C(6) (K) |
TMT2plex (N-term) |
ICPL:13C(6) (Protein N-term) |
TMT6plex (K) |
ICPL:13C(6)2H(4) (K) |
TMT6plex (N-term) |
ICPL:13C(6)2H(4) (N-term) |
|
ICPL:13C(6)2H(4) (Protein N-term) |
|
装置
Microflex LRF 20 (Bruker Daltonics)
サンプル形態
- CBB染色もしくは銀染色によって染色したゲルから切り出したバンド(もしくはスポット)を 1.5ml のエッペンチューブに入れてお送り下さい。
納品物
- データはFTPサーバーにアップされますので、そこからダウンロードして頂きます。
- 修飾の候補リスト
- MALDI-TOF MSのスペクトルデータ(gifファイル)
- 解析の報告書
Whole Protein MASS SPEC Analysis
解析内容
- トリプシン処理を行わずに質量分析を行います。(全長の質量を測定する場合に有効です)
装置
Autoflex speed MALDI-TOF/TOF (BRUKER)
サンプル形態
0.7 mg/ml 以上の濃度のタンパク質溶液 (buffer 組成は必ず表記して下さい。) を 20μl 以上、1.5 ml のネジ蓋式のチューブに入れてお送り下さい。タンパク質の分子量は 80 KDa 以下が測定に適切です。それ以上の分子量の場合は、タンパク質の特性によって測定しにくい場合がございます。また、本解析はMALDI-TOF/TOF 又はMALDI-TOF を使用して解析しますが、下限の検出限界が 3,000 Da 程度になります。 ご不明な点がございましたら、ご相談下さい。
納品物
- データはFTPサーバーにアップされますので、そこからダウンロードして頂きます。
- MALDI-TOF を利用する PSD (POST-SOURCE DECAY) モード方式で溶液中のタンパク質全体の分子量を測定した図
- 解析の報告書
LC-MS/MS MASS SPEC Analysis (Nano LC-MS/MS)
LC/MS/MS は高速液体クロマトグラフ (HPLC) と質量分析計 (MS) を結合させた装置です。まず、サンプルを LC 部で親和性の差によって成分ごとに分離し、試料成分を 1 段目の MS でイオン化(ESI法)し、質量ごとにわけて(プレカーサイオン)、さらに分離されたイオンを衝突室 (コリジョンセル) 内でアルゴンガスに衝突させてイオンを解離させます (プロダクトイオン)。そのイオンを 2 段目の MS で検出する手法です。
本サービスではタンパク質を Trypsin で分解し、そのペプチド溶液を LC/MS/MS に供します。得られた MS/MS データを用いて Mascot 検索を行い、その結果をご報告いたします。ゲノムデータベースが公開されていない種由来のタンパク質を LC-MS/MS で解析する場合は、ゲノムが類似している生物種のデータベースからアミノ酸配列が類似しているタンパク質として同定できる可能性がございます。
解析内容
- LC-MS/MS 方式のペプチドの断片化
- LC-MS/MS によるゲル中タンパク質の解析 (ゲルの脱色、タンパク質のゲル内消化、MS分析、データベース検索を含みます)
- データベースは基本的にSwiss-Prot、UniProtを使用しております。
装置
Chromatography: Waters nanoUPLC
Mass Spectrometry: Finnigan LCQ iontrap (Thermo scientific)
Positive ion mode, scan range (m/z) = 400 – 2000 Da
Column: ACQUITYUPLC BEH C18 1.7 um, 100 um x 100 mm
Solvent: DW : Acetonitrile (0.1% Formic acid)
Flow rate: 0.4 ul/min
Search program: Mascot search engine (Matrix Science Limited, UK)
サンプル形態
- CBB 染色もしくは銀染色によって染色したゲルから切り出したバンド(もしくはスポット) を 1.5 ml のエッペンチューブに入れてお送り下さい。
- CBB 染色で確認できる量を推奨しております。
納品物
- データは FTP サーバーにアップされますので、そこからダウンロードして頂きます。
- Mascot searchによるタンパク質同定結果 1 種類 (Mascot searchの生データ;htmlファイル)
- タンパク質同定結果の一覧 (エクセルファイル)
- 解析方法、結果の見方を記載した報告書 (PDF ファイル)
※生データが必要な場合は分析を依頼される際に、依頼フォームにその旨をご記入下さい。
※データベースは基本的にSwiss-Prot、UniProtを使用しております。
MALDI-TOF/TOF はイオン源としてマトリックス支援レーザー脱離イオン源を用い、2台の飛行時間型質量分析計を直列に接続したタンデム型の質量分析計です。MALDI-TOF 解析から出た MASS に対してもう一度 MS/MS解析をし、アミノ酸単位まで切られた mass 値を測定し、Mascot サーチによってタンパク質を同定する解析法です。Genomic sequence が完了していない生物種や数個のタンパク質が混ざっているサンプルの同定に有用に利用される方法です。ゲノムデータベースが公開されていない種由来のタンパク質を MALDI-TOF/TOF で解析する場合は、ゲノムが類似している生物種のデータベースからアミノ酸配列が類似しているタンパク質として同定できる可能性がございます。MS 解析の結果を論文に使用する場合は、近頃の著名なジャーナルでは MALDI-TOF/TOF 法や LC-MS/MS 法からのデータのみを認める状況です。
解析内容
- ペプチドマスフィンガープリンティング(PMF)によるタンパク質同定
- MALDI-TOF/TOF (MS/MS) を利用したMS/MS解析
- MALDI-TOF/TOF (MS/MS) によるゲル中タンパク質の解析 (ゲルの脱色、タンパク質のゲル内消化、MS 分析、データベース検索が含まれます)
- データベースは基本的にSwiss-Prot、UniProtを使用しております。
装置
Autoflex speed MALDI-TOF/TOF (BRUKER)
サンプル形態
- CBB 染色もしくは銀染色によって染色したゲルから切り出したバンド(もしくはスポット)を 1.5 ml のエッペンチューブに入れてお送り下さい。
- CBB 染色の場合はバンド 1 本 (もしくはスポット 1 つ)、銀染色の場合はバンド3本以上(もしくはスポット 3 つ以上)を目安にお考え下さい。
納品物
- データは FTP サーバーにアップされますので、そこからダウンロードして頂きます。
- Mascot searchによる MS の結果に基づいたタンパク質同定結果1種類(Mascot searchの生データ;html ファイル)
- Mascot searchによる MS/MS の結果に基づいたタンパク質同定結果2種類(Mascot searchの生データ;htmlファイル)
- タンパク質同定結果の一覧(エクセルファイル)
- MALDI-TOF MSのスペクトルデータ(gifファイル)
- 解析方法、結果の見方を記載した報告書(PDFファイル)