Hedgehog シグナル伝達経路関連抗体

Rockland immunochemicals社では、Hedgehog シグナル伝達経路研究のための抗体商品を多数取り揃えております。

ヘッジホッグ (Hh) シグナル伝達経路は、ショウジョウバエ（Drosophila）で初めて説明され、変異したミバエ（fruit fly）の幼虫の「spiked」 表現型にちなんで名付けられました。この経路はハエからヒトまで高度に保存されており、胚発生における正常な細胞の成長と分化を制御しています。成体では、このシグナル伝達経路は大半が不活性で、組織のホメオスタシスを維持するための幹細胞のサブポピュレーションに限られています。シグナル伝達経路のバランスが崩れると、腫瘍形成につながり、既存の腫瘍の拡散を促進する可能性があります（Doheny et al., 2020 参照）。常に活性化されたHhシグナル伝達経路は、すべてのがんによる死亡の約25％を占めるヒトのがんのグループで発見されています^２。 これにより、このシグナル伝達経路は悪性腫瘍との戦いにおける重要な治療ターゲットとして認識されるようになりました。

図1. 哺乳類のヘッジホッグシグナル伝達経路の OFF (左) と ON (右) の状態

Hh タンパク質の3つの相同遺伝子が哺乳類で発現しています。これらには、1990年代にセガの成功に貢献したビデオゲームのキャラクターにちなんで名付けられたソニックヘッジホッグ (SHH)、インディアンヘッジホッグ (IHH)、デザートヘッジホッグ (DHH) が含まれます。これらのタンパク質は、自己触媒的切断、コレステロールの結合、Hhアシルトランスフェラーゼ (HHAT)によって触媒されるパルミトイル化など、多数の処理ステップを経て前駆体から生成されます³。成熟した Hh は、その後、細胞表面タンパク質dispatched-1 (DISP1) を介して分泌され、標的細胞内のpatched receptor (PTCH1) に結合して、smoothened receptor (SMO) に対する抑制機能を解除します。その後、SMO は glioma-associated oncogene transcription factors (GLIs) を活性化し、これが核に移行して標的遺伝子の転写をオンにします。 オフ状態では、不活性な PTCH1 は SMO が細胞表面へ移行するのを妨げます。その後、GLI タンパク質は、suppressor of fused (SUFU) によって隔離され、PKA、CK1、GSK3β などのいくつかのキナーゼによってリン酸化されます。GLI タンパク質が一部分解することにより、核内の Hh 標的遺伝子の転写を抑制するリプレッサー GLI3R が生成されます⁴。Rockland社は、GLI1、GLI2、GLI3、SMO に対する特異性の高いポリクローナル抗体など、ヘッジホッグシグナル伝達経路の研究に役立つ抗体を提供しています。

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