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記事ID : 36713
研究用

T7 RNA ポリメラーゼを用いた転写キット HighYield T7 RNA Synthesis Kit

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HighYield T7 RNA Synthesis Kitは、T7 RNA Polymeraseを用いたin vitro転写により大量のRNAを合成するキットです。
キットには、反応に必要な試薬が含まれています。合成されるRNAはテンプレートによって異なりますが、20 μlの反応では、30分のインキュベーション後に約140-160 μgのRNAが得られます。
また、修飾ヌクレオチド(例:ビオチンまたは蛍光標識NTPまたはキャップ類似体)の取り込みにも適しています。

構成内容

  • HighYield T7 RNA Polymerase Mix
  • HighYield T7 Reaction Buffer
  • ATP溶液
  • GTP溶液
  • CTP溶液
  • UTP溶液
  • T7 G-initiating control template
  • PCR-grade water
  • DTT

アプリケーション

  • in vitroでの RNA合成
  • RNAプローブの合成
  • マイクロインジェクションやトランスフェクション用RNAの合成
  • in vitro翻訳実験

鋳型DNA

鋳型DNAのタイプ

標的配列の上流に二本鎖T7クラスII phi2.5またはクラスIII phi6.5プロモーター領域を含む直鎖(linearized)プラスミドDNAまたはPCR産物をご用意ください。T7クラスIIIプロモーターからの転写開始は、一般にT7クラスIIプロモーターからの開始よりも効率的です。

【T7 class III phi6.5 promotor】
5'-TAATACGACTCACTATAGNN…-3'
G:RNAの最初の塩基 NN:理想的にはCG

【T7 class II phi2.5 promotor】
5'-TAATACGACTCACTATTANN…-3'
A:RNAの最初の塩基 NN:理想的にはGG

鋳型DNAの品質

鋳型DNAの品質は、転写反応の収量と品質に直接影響します。プラスミドDNAは制限酵素で完全切断されて直鎖化され、RNase、タンパク質、塩が混入していない必要があります。平滑末端または5'末端突出(オーバーハング)を生成する制限酵素の選択と、フェノール/クロロホルム抽出による精製をお勧めします。PCR反応後の溶液を鋳型DNA としてそのまま使用することも可能ですが、シリカメンブレンベースの精製カラム等を用いて精製されたPCR産物を使用することで、通常、より高い収量が得られます。

mRNA合成

機能的mRNAの合成のために、3'末端、5'末端、ターゲットシーケンスの向き、poly A-tailなど、DNAテンプレートが必要な構造的特長をエンコードしていることを確認してください。Poly A-tailは、poly Aポリメラーゼを使用して転写後に付加することも可能です。

プロトコール概略

  1. 以下の表に従って、ヌクレアーゼフリーのマイクロチューブにすべてのコンポーネントを入れる。
  2. 37℃の暗所で2時間インキュベートする。RNA配列によっては、時間を調整する(37℃で0.5時間から4時間)。
  3. コンポーネント 終濃度
    PCR-grade water X μl  
    HighYield T7 Reaction Buffer(10 x) 2 μl 1 x
    DTT(100 mM) 2 μl 10 mM
    ATP(100 mM) 1.5 μl 7.5 mM
    UTP(100 mM) 1.5 μl 7.5 mM
    CTP(100 mM) 1.5 μl 7.5 mM
    GTP(100 mM) 1.5 μl 7.5 mM
    Template DNA X μl 1 μg
    HighYield T7 RNA Polymerase Mix 2 μl  
    Total volume 20 μl  
  4. 【オプション】
    • 鋳型DNAの除去
      アプリケーションによっては、テンプレートDNAの除去が必要になる場合があります。Turbo™DNAse(ThermoFisher)などの耐塩性の高効率DNAaseを推奨します。
    • 5'末端のリン酸基の除去
      in vitroでのリン酸化RNAの5'末端には、哺乳類細胞でRIG-1を介した自然免疫応答を引き起こすことが知られている三リン酸基があります1,2)。したがって、トランスフェクション実験を目的としたRNAプローブでは、最終精製前にホスファターゼ(CIPなど)で除去することをお勧めします。
    • RNA精製
      RNA濃度測定などの特定のアプリケーションでは、RNAの精製が必要です。スピンカラム精製により、タンパク質、塩、余剰ヌクレオチドを除去します。
    • RNA定量
      RNA濃度は、Lamber-of-Lambert-Beer(A260 = 1は40 μg/ ml ssRNAに相当)に従って260 nm(A260)での吸光度測定により決定できます。
参考文献
  1. Wienert et al. (2018) in vitro transcribed guide RNAs trigger an innate immune response via RIG-I pathway. PLoS Biol. 16 (7) :e2005840.
  2. Kim et al. (2018) CRISPR RNAs trigger innate immune responses in human cells. Genome Res. 28 (3):367.

HighYield T7 RNA Synthesis Kit

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
HighYield T7 RNA Synthesis Kit詳細データ JNA RNT-101 50 RXN
[50 reactions x 20 μl]
¥66,000

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商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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