deactivated Cas9 (dCas9) はリプレッサータンパク質 (例: dCas9-KRAB) やアクチベータータンパク質 (例: dCas9-VPH) と複合体を形成し、標的遺伝子のプロモーターに結合した sgRNA にリクルートされることで、標的遺伝子の発現を促進 (CRISPRa) または抑制 (CRISPRi) します。Cellecta 社はこの CRISPRa および CRISPRi のスクリーニングにご使用頂ける sgRNA レンチウイルスライブラリをご提供します。
ヒト/マウスゲノムワイド CRISPRa sgRNA ライブラリ
dCas9-VPH やその他の dCas9 アクチベーター発現細胞に使用することにより、標的遺伝子の選択的発現促進を実現。
ヒト/マウスゲノムワイド CRISPRi sgRNA ライブラリ
dCas9-KRAB やその他の dCas9リプレッサー発現細胞に使用することにより、標的遺伝子の選択的阻害を実現。
ライブラリの特徴
- ヒト/マウスの約 19,000 のコード遺伝子を標的とするゲノムワイド sgRNA ライブラリ
- 各プロモーター領域に5 種類の sgRNAをデザイン
(Horbeck, et al., eLife 2016;5:e19760 DOI: 10.7554) - 1 ベクターに同一遺伝子を標的とする 2 種類の sgRNA を搭載したデュアルsgRNAライブラリにより、より強力な発現促進、抑制を実現
- プラスミド(200μg)およびレンチウイルス粒子(2×10 ^ 8 TU と 1×10 ^ 9 TU)フォーマットをご用意
図1. ベクターマップ
左:シングルsgRNA CRISPRaライブラリベクター
右:デュアルsgRNA CRISPRaライブラリベクター
図2. 同一標的遺伝子に対する2つのCRISPRa sgRNAはによる発現増加
MyoD遺伝子を標的とする2つの異なるsgRNAを別々に、または 2 つを共にMDA231細胞に形質導入した。一方のgRNAは発現を不十分に活性化し、他方は10倍を超える促進を誘導した。しかし、2 つの gRNA を同じ細胞内で組み合わせると、発現促進は更に10倍増加した。
図3. デュアル sgRNAによる遺伝子活性化の増加
シングルsgRNA CRISPRaライブラリと比較して、デュアルsgRNA CRISPRaライブラリが遺伝子発現をより効果的に促進するかを検証するために、シングルsgRNA CRISPRaライブラリまたはデュアルsgRNA CRISPRaライブラリのいずれかで形質導入された数百の細胞をFACSによって約10細胞/ウェルの小集団に分類した。ゲノムDNAおよびRNAの両方を各組の細胞から単離した。 細胞中のsgRNAライブラリコンストラクトは、ゲノムDNA中の配列の増幅によって同定した。また、DriverMap標的化RNAシークエンシングアッセイを用いて、全てのヒトタンパク質コード遺伝子の発現レベルを評価し、各細胞群において同定されたsgRNAについての標的遺伝子の発現変化を相関させた。その結果、デュアルsgRNA CRISPRaライブラリでは27%で発現促進がみられないのに対し、シングルsgRNA CRISPRaライブラリでは33%の遺伝子について発現促進が検出されなかった。さらに、シングルsgRNAライブラリと比較して、7%多い遺伝子が、デュアルsgRNA CRISPRaライブラリで10倍を超える発現促進を示した。
CellectaのCRISPRaおよびCRISPRiヒトゲノムワイドsgRNAライブラリは、Horbeckらに基づいて設計されたプロモーター領域に対して設計された5個のsgRNAを使用して、ほぼ19,000のヒトタンパク質コード遺伝子を標的とするように設計されている。 (eLife 2016; 5:e19760 DOI:10.7554)。当社のデュアルガイドCRISPRaおよびCRISPRiライブラリは、5つのコンストラクト(sgRNA 1&2、sgRNA 1&3、sgRNA、sgRNA 2&3など)のそれぞれに、同じ5つの有効なsgRNAを二重に組み合わせて使用します。ライブラリは、200μgのプラスミドと、あらかじめパッケージされた2×10 ^ 8 TUおよび1×10 ^ 9 TUのレンチウイルス粒子で入手可能です。