N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体は、L-glutamate受容体の一種で、中枢神経系で重要な役割を担っています。NMDA受容体の活性化は、細胞質内遊離カルシウム([Ca2+]i) の増加をもたらし、シナプス可塑性につながります(1)。
NMDA受容体の異常な活性化は、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病などの神経変性疾患や、てんかんの病因に関連していることが知られています(1)。
IEM-1921は、1-phenylcyclohexylamineとしても知られ、NMDA受容体の選択的ブロッカーです。WistarおよびKrushinskii-Molodkinaラットの慢性実験では、IEM-1921(5mg/kg)が抗けいれん薬として作用することが見出されました。IEM-1921は、けいれんの持続時間を82%減少させ、脳の神経異常を予防することが報告されています(2-3)。