Iris Biotech社は、ドラッグデリバリー用のポリマー担体の幅広いポートフォリオを提供しています。先駆的なポリエチレングリコールに次いで、アルギニン、グルタミン酸、リジン、オルニチン、サルコシンからのポリ(アミノ酸)だけでなく、ポリ(2‐オキサゾリン)を提供します。
ポリサルコシンとは?
非毒性アミノ酸であるサルコシン(N-メチルグリシン)に由来するポリサルコシン(Polysarcosine、PSR)は、安全性、合成の制御、汎用性の点で優れており、ポリエチレングリコール(PEG)の代替として、デンドリマー(dendrimer)、ポリマーミセル(polymer micelle)、ポリプレックス(polyplex)、タンパク質複合体およびナノ粒子、ポリマーソーム(polymersome)およびナノチューブを含む多くのドラッグデリバリーシステムに使用されています。ある研究では、ポリサルコシン化ウリカーゼとPEG化ウリカーゼを比較し、PSar標識体がin vivoでのウリカーゼ半減期を20倍以上延長するのに効率的であることが示されました。さらに、PSar-Uricaseはin vivoで天然またはPEG化ウリカーゼのどちらかと比較して免疫原性が低く、ポリサルコシン化は酵素活性に影響しませんでした。

ポリサルコシンは、生分解性であり、溶解性ならびに化学的および物理的安定性を改善し、in vivo半減期を延長し、さらに免疫原性および毒性を減少させ、in vivoでの有効性の向上が期待されます。一方で、PSRの使用は、市販されている良質な機能的PSRがないことにより広く普及されていませんでしたが、ドラッグデリバリーシステムの規制需要の増大に対応し、高精度ポリマーが注目されています。
Iris Biotech社は、多種多様な官能基を有する単官能性、ホモ-ヘテロ二機能性ポリサルコシン(homo- and heterobifunctional Polysarcosin)を提供しています。重合度(n)は10以下から1,000以上までの範囲で指定可能で、モル質量は約1kg/mol〜100kg/molが可能です。
ポリサルコシンの特徴
- バイオベース、分解性、非免疫原性
- 優れた水溶性と有機溶媒への溶解性
- 狭いポアソン分布を示す高度に定義された高分子
- モノ-、ホモ-およびヘテロ二官能性;要求に応じて特注の機能性
- 優れた有効期間、再現性、分析純度