哺乳動物細胞を宿主としたタンパク質発現系は、適切な立体構造や翻訳後修飾を必要とするようなタンパク質の生産の目的で利用されています。しかしながら、他の発現系と比べて、哺乳動物発現系の生産性は決して高いものではありません。そのため高いタンパク質の生産性が要求される場合では、遺伝子増幅法による発現細胞の構築が行われています。遺伝子増幅法で構築した発現細胞では、多コピーに増幅された目的遺伝子が染色体上に導入されます。
IR/MAR遺伝子増幅法は、癌細胞株で見られる遺伝子増幅メカニズムの研究過程において発見された新しい原理に基づく遺伝子増幅技術です。哺乳動物複製開始領域 (IR)と核マトリックス結合領域 (MAR) を持つプラスミドは、細胞内で効率よく遺伝子増幅を起こします。従って、本品(IR/MAR配列を持つDNA)と共に発現ベクターを適当な宿主細胞株にトランスフェクションすることにより、遺伝子増幅された発現株を作製することができます。トランスフェクション後は通常の薬剤選抜により、安定発現株を取得することができます。
内容 | 7.5 kbp DNAフラグメント |
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容量 | 10ug DNA/vial, 20uL TE (sterilized) |
保管方法 | −20℃以下 溶解後はヌクレアーゼの混入等による分解にご注意ください。 |