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研究用

発現ベクターと共に宿主細胞株にトランスフェクション! TG-Sure Expression (IR/MAR)タンパク質高発現試薬

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使用目的

哺乳動物細胞を宿主としたタンパク質発現系は、適切な立体構造や翻訳後修飾を必要とするようなタンパク質の生産の目的で利用されています。しかしながら、他の発現系と比べて、哺乳動物発現系の生産性は決して高いものではありません。そのため高いタンパク質の生産性が要求される場合では、遺伝子増幅法による発現細胞の構築が行われています。遺伝子増幅法で構築した発現細胞では、多コピーに増幅された目的遺伝子が染色体上に導入されます。

IR/MAR遺伝子増幅法は、癌細胞株で見られる遺伝子増幅メカニズムの研究過程において発見された新しい原理に基づく遺伝子増幅技術です。哺乳動物複製開始領域 (IR)と核マトリックス結合領域 (MAR) を持つプラスミドは、細胞内で効率よく遺伝子増幅を起こします。従って、本品(IR/MAR配列を持つDNA)と共に発現ベクターを適当な宿主細胞株にトランスフェクションすることにより、遺伝子増幅された発現株を作製することができます。トランスフェクション後は通常の薬剤選抜により、安定発現株を取得することができます。

内容 7.5 kbp DNAフラグメント
容量 10ug DNA/vial, 20uL TE (sterilized)
保管方法 −20℃以下
溶解後はヌクレアーゼの混入等による分解にご注意ください。

操作方法

1. 発現ベクターの準備
目的タンパク質の発現ベクターをご準備下さい。発現ベクターには任意の市販製品をお使いいただけます。発現ベクターは適当な制限酵素サイトで直鎖化したのち精製してください。

2. トランスフェクション
トランスフェクション前日に、任意の宿主細胞を6ウェルプレートに播種してください。市販のリポフェクション試薬のプロトコールに従い、直鎖化した発現ベクター1.0 ug〜2.0 ug と本DNA試薬1.0 ug〜2.0 ugを混和し、70〜80%コンフルエントの宿主細胞に共導入してください。宿主細胞の播種密度、トランスフェクションの方法や効率等については、別途ご検討の上、至適化を行ってください。
対照として、本DNA試薬を含まないトランスフェクションを行うことにより、IR/MAR遺伝子増幅法の効果を判定することができます。

3. 薬剤選抜
トランスフェクションの翌日〜翌々日に10cm Dishプレートに継代し、発現ベクターの選択マーカーとブラストサイジンS によるダブルセレクションを開始してください。各薬剤の有効濃度は、あらかじめ宿主細胞ごとに決定しておいてください。
選抜開始の数日後から、ブラストサイジンS 濃度を5〜20倍程度高濃度にすることにより、より多コピーに遺伝子増幅したクローンを選抜することができます。通常、1ヵ月ほどの薬剤選抜により、安定発現株を取得することができます。

4. 高発現株の単離
得られた安定発現株は、限界希釈などの方法でクローニングすることにより、高発現株(モノクローン)を単離することができます。
高発現株のスクリーニングは、目的遺伝子のコピー数やmRNA発現量を定量PCRで測定する等の方法で行うことができます。

実施例

1. 発現細胞株の構築例

6ウェルプレートに播種しサブコンフルエントに生育したHEK293細胞に、直鎖化した発現ベクター(Neomycin耐性)と本試薬を2.0 ugずつ混和したDNA液を調製しトランスフェクションを行った。
トランスフェクションには、市販のリポフェクション試薬を用いた。
トランスフェクションの翌日にウェルから細胞を回収し、10cm Dishに播種した。培地はNeomycin (0.5 mg/mL)とBlasticidin S (10 ug/mL)を含むDMEM+10%FBSを用いた。
およそ4-7日ごとに継代を繰り返し、安定発現株を取得した。なお、2回目の継代からは、Blasticidin Sの添加濃度を100 ug/mLとした。

 

2. RealTime-PCRによる高発現株のスクリーニング例

CHO株を宿主として作製した安定発現株から、限界希釈法により12クローンを単離した。
各クローンの細胞ペレットからmRNAを回収し、その相対発現量をRealTime-PCRにより定量した。内部標準には、マウスb-Actin遺伝子を用いた。
各クローンについて、比較Ct法で導入遺伝子の相対発現量を算出したところ、低発現クローンの235倍の発現量を示す高発現クローンを取得することができた。

ライセンス条項

本製品並びにIR/MAR遺伝子増幅法技術は、特許3755028号、特許3882042号、特願2011-019563により保護されています。
本製品は、ご購入者の自施設における研究目的のみにご使用いただけます。
本製品の複製、または第三者への譲渡・配布・再販はご遠慮ください。

本製品のご購入の際には、別途、ライセンス確認同意書のご提出をお願いしております。
つきましては、別紙の内容をご確認いただき必要事項をご記入の上、弊社取り扱い代理店へご注文いただく際に一緒にお送りくださいますようお願いいたします。

参考文献
N.Shimizu et al. Cancer Res 61, 6987–6990, 2001 N.Shimizu et al. Cancer Res 63, 5281–5290, 2003 N.Shimizu et al. Exp Cell Res 302(2), 233-2433, 2005 N.Shimizu et al. Nucleic Acids Res 33(19), 6296-6307, 2005 T.Hashidume et al. J Cell Biochem 101, 552-565, 2007
品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
TG-Sure Expression (IR/MAR) 蛋白質高発現試薬
TG-Sure Expression (IR/MAR)
KAL IM-01 10 UG
¥168,000

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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