KeratinoSens®はGivaudan社が開発したレポーター遺伝子導入細胞で、Nrf2-Keap1-ARE pathway(図1)の活性化を評価することのできる細胞です。Nrf2-Keap1-ARE pathwayは、細胞のストレス応答機構として多くの皮膚感作性物質により活性化されることが知られており、KeratinoSens®を用いた同パスウェイの活性化評価は、皮膚感作性評価のためのOECDテストガイドライン(TG 442D)にも登録されています。
acCELLerate社では、継続的に継代して使用が可能なマスターストック細胞株(継代数 <10)に加えて、前培養無しにアッセイに使用可能なReady-to-use細胞(継代数 <25、図2)、およびReady-to-use細胞と評価に必要な試薬がセットになったアッセイキットを販売しています。
図1. Nrf2-Keap1-ARE Pathway
非ストレス環境下では、Nrf2はKeap1と結合して細胞質内に留まり、ユビキチン・プロテアソーム系を介して分解される。皮膚感作性物質がKeap1に結合すると、Nrf2はKeap1と解離して核内に移行し、AREのプロモーター領域に結合することで、ストレス応答に関わる様々な遺伝子群を活性化する。
図2. Assay Ready KeratinoSens® Cells
解凍後の生存率は平均97%で、一晩で接着した。遅滞期(lag phase)なしに増殖をはじめ、継代培養した細胞と同等の増殖能が確認された。