Fig.2 最少75死細胞/well から検出可能
ヒト初代 PBMCs と結腸がんの抗 EGFR 剤であるセツキシマブとともに KILR® H322 細胞を様々な密度で播種し、ADCC 応答を測定した。セツキシマブは抗体が免疫細胞を活性化して標的がん細胞を殺傷するという ADCC 活性を示すことが知られている。標的細胞死は、測定シグナルと界面活性剤により可溶化された細胞による総シグナルとの比率である %Lysis で示される。
本アッセイでは、 KILR® 細胞を様々な密度で各ウェルに播種し ADCC の反応を測定した。最も播種密度の低い青色のデータ(2,500 cells/well)では、KILR® H322 細胞より 3% の可溶化(75 cells/well)を再現性よく検出したことが示唆される。
Fig.3 KILR® 細胞株を用いた ADCC アッセイ例
A. SKBR3 細胞におけるトラスツズマブ(Herceptin®)の細胞毒性データを示した。細胞はハーセプチン(抗ErbB2/Her2)の用量反応によりオプソニン化し、NK細胞とともに培養した。トラスツズマブは ADCC 応答を誘引する抗体として知られ、ADCC を再現性よく検出できることが示された。
B. リツキシマブ(抗CD20)の用量反応によりオプソニン化され、NK細胞とともに培養された CD20+ ARH-77 標的細胞におけるリツキシマブの ADCC データを示した。3.6 ng/mL における EC50 は、他の ADCC アッセイ系(例:クロム-51放出、ユーロピウム)を用いて得られた EC50 と一致し、同等の薬理作用や ADCC 検出能力がある、より簡便化された手法であることを示した。
検出試薬を添加して読み取るだけの簡便なプロトコールで、一般的なルミノメーターを用いて測定できます。KILR® アッセイは、試験前に標的細胞をロードしたり、放射性物質を使用したりする必要がないため、実験ステップを減らし効率化することができます。
Fig.4 51Cr放出アッセイとの比較
KILR® アッセイは、以下のような広範囲の用途に利用することができます。
- 抗体依存性細胞傷害(ADCC)
- 補体依存性細胞傷害(CDC)
- 抗体依存性細胞食作用(ADCP)
- 二重特異性抗体介在型T細胞リダイレクト
- キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)
- 抗体薬物複合体(ADC)