商品情報

記事ID : 11322
研究用

エンドトキシン除去工程必要なし!タンパク質発現用コンピテントセルLucigen社 ClearColi® BL21(DE3)エレクトロコンピテントセル

このエントリーをはてなブックマークに追加

ClearColi® BL21(DE3)エレクトロコンピテントセルは、「ClearColi®」という新技術を用い、エンドトキシンフリーのタンパク質やプラスミドDNAを調製できます。

背景

エンドトキシンとその除去方法

エンドトキシンとして知られるリポ多糖(LPS)は、hTLR4/MD-2が媒介するヒト免疫細胞の炎症誘発活性の強力なアゴニストです。

毒性を防ぐためには、E.Coliで製造したリコンビナントタンパク質が、エンドトキシンフリーでなければなりません。しかし、エンドトキシンの除去は非常に困難で、完全に除去できるアプリケーションはありません。リコンビナントタンパク質からエンドトキシンを除去するための方法は現在、限外濾過、活性炭、界面活性剤、陰イオン交換クロマトグラフィー、固定化セファロースなどがあります。これらの方法にはいずれも負の効果(収量の著しい低下、高コスト、タンパク質の生理活性のロス、エンドトキシン除去に用いた添加剤の生理活性など)があります。表1に一般的な方法と、その欠点を示します。

表1 エンドトキシン除去法の欠点
方法 欠点
限外濾過 適用できるのは低分子タンパク質のみ
エンドトキシンモノマーは、エンドトキシン/タンパク質相互作用により膜を通過する可能性がある
物理的な力で損傷をうけるタンパク質には非効率
活性炭 エンドトキシンとタンパク質の両方に吸着活性を持つ
界面活性剤 高価
タンパク質の生理活性に影響を与える可能性がある
完全に除去するのが困難
除去が生成物のロスにつながる
陰イオン交換クロマトグラフィー エンドトキシンと酸性タンパク質の両方に強く吸着する
エンドトキシンの吸着に特異性がない
ヒスタミン又はヒスチジン結合セファロース 除去能はイオン強度に依存
ヒスタミンの生理活性
ポリミキシンB結合セファロース ポリミキシンBとタンパク質のイオン相互作用によりタンパク質をロス
ポリミキシンBの生理活性

 

ClearColi® 技術

本商品は、ClearColi® という新技術を用い、LPS を脂質IVA(図1)に変換することで哺乳動物細胞でエンドトキシン応答を削減させた、市場初のコンピテントセルです。ClearColi® はタンパク質やプラスミドDNA からLPSを除去するのではなく、LPSを根源から除去する技術です。この技術により、E.Coliを用いて機能的にクリーンなリコンビナントタンパク質とプラスミドを生成します。

ClearColi® 細胞は、hTLR4/MD-2を活性化する外膜のアゴニストが欠損しています。このため、野生型のE.Coliに比べてhTLR4/MD-2シグナルの活性度が数桁低下し、エンドトキシン活性はほぼない状態にまで低下します。ClearColi® 細胞から精製した脂質IVAを含むタンパク質とプラスミドは、エンドトキシン応答を誘発することなくほとんどのアプリケーションで使用することができます。


図1 通常のE.Coli細胞のLPSとClearColi® 細胞の脂質IVAの比較
オリゴサッカロイド鎖を欠損させ、6つのアシル基のうちの2つを除去することで、エンドトキシンシグナルの活性化を無効化した。

ClearColi® 細胞の遺伝型は、7つの別々の遺伝子を欠損させることで修正しています。従って、野生型に戻って通常のLPSを産生することはありません。この変異で、LPSからオリゴサッカロイド鎖を欠損させることにより、生産物から脂質IVAを除去することが容易になります。より重要なのは、6つのアシル基のうちの2つを欠損させたことです。6つのアシル基は、MD-2(myeloid differentiation factor 2)と複合体を形成したトールライクレセプター4(TLR4;Toll-like receptor 4)によって認識され、NF-κBの活性化と炎症誘発性サイトカインの産生を引き起こします。4つのシアル基しか持たない脂質IVAは、TLR4による認識を受けず、エンドトキシン応答を引き起こしません(図2)。

NF-kappaB誘導の相対比較
図2 NF-κB誘導の相対比較
K-12E.Coli細胞から精製したLPSと、合成製造した脂質IVAを用いて、HEK-Blue™ 細胞でのNF-κBの誘導を比較した。
※HEK-Blue™ は、InvivoGen社の登録商標です。

特長

  • 遺伝的に修正したLPS(リポ多糖)は、ヒト細胞内でエンドトキシン応答を引き起こしません。
  • 哺乳動物細胞免疫原性テスト、毒性分析、タンパク質製剤研究などにご利用いただけます。
  • 膜タンパク質、脂質結合タンパク質の産生に有用です。
  • BL21(DE3)細胞と同等のタンパク質発現で、エンドトキシン除去工程を必要としません。
  • サイトカインアッセイでの偽陽性を減らし、結果の信頼性を向上します。

構成内容

  • ClearColi® BL21(DE3)エレクトロコンピテントセル
  • 発現回復培地 (ラクトース−)
  • ポジティブコントロールプラスミド(スーパーコイルpUC19 DNA)

遺伝型情報

F– ompT hsdSB (rB- mB-) gal dcm lon λ(DE3 [lacI lacUV5-T7 gene 1 ind1 sam7 nin5]) msbA148 ΔgutQ ΔkdsD ΔlpxLΔlpxMΔpagPΔlpxP ΔeptA
7つの特異的な欠損変異(ΔgutQ ΔkdsD ΔlpxLΔlpxMΔpagPΔlpxP ΔeptA)により、LPSを脂質IVAに修正し、1つの更なる変異(msbA148)により、LPSの前駆体である脂質IVA存在下での細胞の生存能を保ちます。

ClearColi® のタンパク質発現

2種類の異なるたんぱく質を用いて、エンドトキシンフリーのClearColi® BL21(DE3) コンピテントセルのタンパク質生産効率を、通常のBL21(DE3) 細胞と比較しました。全体的な成長率はClearColi® の方が遅いものの、最終的なタンパク質生産レベルは同等でした(図3、図4)。

CleanColi BL21(DE3) とE. Cloni(R) EXPRESS BL21(DE3) のタンパク質発現比較
図3 ClearColi® BL21(DE3) とE. Cloni® EXPRESS BL21(DE3) のタンパク質発現比較
ヒトアポリポタンパク質A1(ApoA1)をコードする遺伝子を持つT7発現プラスミドを含む細胞を、LB Miller培地中で37℃で成長させた。OD600が0.6-0.8に達したとき、0.4mM IPTGを添加して発現を誘導し、3時間インキュベートした。等量の非誘導細胞(-)及び誘導細胞(+)をLaemmliバッファー中で過熱して溶解し、サンプルを4%-20%ポリアクリルアミドグラジエントゲルで解析した。

CleanColi BL21(DE3) とE. Cloni(R) EXPRESS BL21(DE3) の蛍光タンパク質発現比較
図4  ClearColi® BL21(DE3) とE. Cloni® EXPRESS BL21(DE3) の蛍光タンパク質発現比較
T7プロモーター下に黄色蛍光タンパク質(LucY)をコードする遺伝子を含むpET発現ベクターを、両方のコンピテントセルに導入した。コロニーをLB Miller培地中で37℃でインキュベートした。等量の非誘導細胞(-)及び誘導細胞(+)を遠心し、細胞ペレットを長波長UVイルミネーションで撮影した。

 

エンドトキシンアッセイ結果

ほとんどのケースにおいて、エンドトキシンショック応答陰性のリコンビナントタンパク質又は下流の真核生物細胞反応分析に適用するには、簡単なニッケルカラム精製で十分です。LPSエンドトキシンの汚染により引き起こされる免疫応答を懸念せずに、ターゲットタンパク質の効果を分析することができます。この実証として、ClearColi® BL21(DE3) コンピテントセルで発現させたApoA1タンパク質を、ニッケルカラムで精製し、HEK-blue™ 細胞による内毒性(図5)及びLALテスト(図6)を実施しました。

CleanColi BL21(DE3)と従来のBL21(DE3)コンピテントセル由来のタンパク質のエンドトキシン応答比較
図5 ClearColi® BL21(DE3)と従来のBL21(DE3)コンピテントセル由来のタンパク質のエンドトキシン応答比較

 

LALテスト

LAL(Limulus amebocyte Lysate)テストは、FDAに承認され、最も一般的に用いられているエンドトキシン検出法です。しかし、LALテストは、LPSの4'-モノホスホリルジグルコサミン骨格によってのみ活性化されますが、真核細胞で内毒性の決定因子となるLPSのアシル化パターンで受ける影響は最小限です。また、LALテストは、ヒト免疫細胞システムの中枢的な細胞性エンドトキシンセンサーシステムよりも幅広いLPS/lipid A変異体を認識します。このように、分析の特異性がないことから、偽陽性となることがあります。

ClearColi® BL21(DE3) コンピテントセルで産生されたタンパク質は、簡単なニッケルカラム精製によりLAL応答レベルを95%以上減少させることができます(図6)。しかし、何らかの理由で余分なLPSがコンタミしない限り、残留エンドトキシンは、分析の非特異的な性質により測定されていまいます。図5に示したHEK-Blue™ 細胞のような代替毒性試験であれば、閾値を超えるエンドトキシンレベルがあったとしても、ClearColi® BL21(DE3) 由来のタンパク質からは実際の免疫原性の影響が存在しないことを示すことができます。

LALテストの特異性がないことから、脂質IVAが結合しているClearColi由来のタンパク質のエンドトキシンを測定するには、別の方法を検討することを推奨します。

LALテストで測定されるエンドトキシン量の比較
図6 LALテストで測定されるエンドトキシン量の比較
ニッケルカラム精製タンパク質(ApoA1及びHsp70)
赤:ClearColi® BL21(DE3)
グレー:E. cloni EXPRESS BL21(DE3)
ClearColi発現のタンパク質はエンドトキシン除去ステップがなくても著しくエンドトキシンレベルを低下させることができた。

成長速度

ClearColi® BL21(DE3) 細胞の成長速度は通常のBL21(DE3) 細胞の約50%程度です(図7)。形質転換細胞を播種した後、24時間程度で非常に小さなコロニーが見えることが予想されます。次の実験用にコロニーをピックするまでに32-40時間程度インキュベートすることをお奨めします。細胞数を等量で比較した場合、ClearColi® BL21(DE3) 細胞のタンパク発現レベルは通常のBL21(DE3) 細胞と同程度です。

CleanColi BL21(DE3) とE. cloni EXPRESS BL21(DE3)の成長速度の比較
図7 ClearColi® BL21(DE3) とE. cloni EXPRESS BL21(DE3)の成長速度の比較
200mLのLB Miller培地で、37℃、210rpmで振とう培養し、1時間ごとにOD600を測定した。(初期OD600:〜0.003)

ClearColi® BL21(DE3)エレクトロコンピテントセル

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
ClearColi(R) BL21(DE3) Electrocompetent Cells (DUOs)詳細データ LUC 60810-1 12 RXN
¥62,000
ClearColi(R) BL21(DE3) Electrocompetent Cells (DUOs)詳細データ LUC 60810-2 24 RXN
¥113,000

● 本製品は、非営利的の研究用として販売しており、ご注文の際に使用目的確認書にご署名をお願いしています。
   商業用に使用される場合には、別途契約が必要ですのでお問い合わせください。

 Lucigen(LUC)社 ClearColi® BL21(DE3) Electrocompetent Cell 確認書 [PDF]

【ご注意】 上記商品は、2004年2月19日に施行されました「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(通称カルタヘナ法)の使用規制対象品です。ご使用に際しては、規則に則し、適切にお取扱いください。

【関連情報】

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

お問い合わせ

「Lucigen社 ClearColi® BL21(DE3)エレクトロコンピテントセル」は、下記のカテゴリーに属しています。

商品検索

商品情報

サポート情報

メーカー・代理店一覧

企業情報

関連サイト


© COSMO BIO