真核生物の細胞膜は、細胞外の空間から細胞環境を隔離する脂質二重層です。細胞膜により提供される物理的な障壁は、シグナル伝達の媒介や、細胞表面で発生する細胞外イベントに対するRas(1)等の細胞応答を誘導するタンパク質の生理学的足場としても機能します。これらの機能に加え、細胞膜は細胞外小胞(EVs)(2)として知られるカプセル化された生体分子の放出と受容を介して細胞間のハブとしても機能します。
MemGlow™プローブは、リン脂質膜を染色するための新規蛍光プローブです。蛍光性シアニンを基にし、近赤外光を含む広いスペクトル範囲で、蛍光波長の異なる5種類のプローブを用意しています(3)。
図1
KB細胞の細胞膜をMemGlow™488、MemGlow™560、MemGlow™ 640でそれぞれ染色した。Scale bar=15 µm. Images provided courtesy of Dr. Mayeul Collot, CNRS, France.
MemGlow™は、明るく非細胞毒性の細胞膜染色プローブで、高い特異性、低バックグラウンド、簡単なアプリケーションなど、理想的な顕微鏡特性(落射蛍光、共焦点、2光子、TIRF1などの複数の顕微鏡技術で検証済み)を示します。MemGlow™は、固定細胞、固定組織、生細胞、およびエクソソームを含む細胞外小胞などの他のリン脂質膜で機能することが確認されています。