MonoFas® プラスミド抽出キットⅢは、プラスミドDNAがシリカモノリスに吸着する性質を利用し、E.Coli(大腸菌)の培養液から高純度なプラスミドDNAを抽出・精製することができる製品です。遠心または吸引による簡易操作で、サンプルから簡便に、最大45 ㎍までのプラスミドDNAを精製できます。精製したプラスミドDNAは、そのまま制限酵素処理、ライゲーション、シーケエンス、PCRやトランスフェクションなどに利用できます。
背景
分子生物学において、高純度プラスミドDNAの需要が高まっており、クローニング技術の進歩により、サンプル数が大幅に増加し、ハイスループットかつ小スケールでのプラスミド調製が要求されています。前臨床試験、ドラッグデリバリーシステム、ワクチン製造などといった幅広い用途に応じて、高品質プラスミドDNAの選定と最適化も重要視されています。
本キットは、これまでのシリカメンブレンとは異なる、次世代の分離媒体「シリカモノリス」を利用し、短時間、高効率、高純度、しかも簡便に行なえる機能を持っています。また、高価なレジンや有毒な有機溶媒(フェノール、クロロホルムなど)を使用する必要もありません。
特長
- プラスミドDNAへの損傷が少ない
- 後処理なしでトランスフェクション等の次のアプリケーションに適用可能
- 安定した回収率
- 10分間で迅速かつ簡単に精製可能
項目 | 仕様 |
---|---|
操作時間 | 8分 |
培養液処理量 高コピープラスミド | 1〜3 mL |
培養液処理量 低コピープラスミド | 1〜5 mL |
収量 高コピープラスミド | 15 µg/mL culture |
収量 低コピープラスミド | 5 µg/mL culture |
推奨溶出量 | 50〜100 µL |
DNA純度(O.D.260/280) | 1.7〜1.9 |
構成内容
- スピンカラムセット
- 各種Buffer
- RNase A
- 簡易プロトコール
製品データ
■高純度
図 1 大腸菌(DH5α株)1.5 mLから2.6 kbpプラスミドDNA抽出
シリカモノリスの均一なマクロ孔を通過する為、プラスミドDNAにニックなどが起こりにくい特徴があり、高純度に抽出が可能です。
■抽出プラスミド酵素処理
図 2 高コピープラスミドDNAの制限酵素処理
ARL1遺伝子を導入したプラスミドDNAを大腸菌(DH5α株)からMonoFas®を用いて抽出。レーン1〜3抽出後のプラスミドを、制限酵素 EcoRⅠ-HindⅢ
にて消化し、目的遺伝子(ARL1;552 bp)を確認しました。
図 3 低コピープラスミドDNAの制限酵素処理
MonoFas®と他社製品で抽出したプラスミドDNAを用いて制限酵素で2時間処理した消化物です。
■高い再現性
図 4 大腸菌(JM109株)中の2.6 kbpプラスミド抽出
シリカモノリスの品質管理により、マクロ孔及びメソ孔のサイズが一定且つ均一であるため、再現性良く抽出が行えます。
■抽出プラスミド後処理なしにシーケンス解析
図 5
MonoFas®キットにより抽出したDNAサンプルは、抽出液中にナトリウムを含まないため、エタノール沈殿などの後処理をしなくてもシーケンスなどの実験に用いることが可能です。
簡易フロー
MonoFas® プラスミド抽出キットⅢ
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
MonoFas(R) プラスミド抽出キットV / MonoFas(R) Plasmid DNA Extraction Kit III ![]() |
ANM | A03-0101 | 25 PREP. |
¥18,000 |
MonoFas(R) プラスミド抽出キットV / MonoFas(R) Plasmid DNA Extraction Kit III ![]() |
ANM | A03-0102 | 50 PREP. |
¥31,000 |
MonoFas(R) プラスミド抽出キットV / MonoFas(R) Plasmid DNA Extraction Kit III ![]() |
ANM | A03-0103 | 100 PREP. |
¥60,000 |
MonoFas(R) プラスミド抽出キットV / MonoFas(R) Plasmid DNA Extraction Kit III ![]() |
ANM | A03-0104 | 250 PREP. |
¥122,000 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について