微量サンプルからmiRNAを含めたサンプルを迅速に抽出 Total RNA精製マイクロキット

本商品は、微量の培養動物細胞、組織サンプル、レーザーキャプチャー法（LCM）を含めた顕微解剖サンプルから、Total RNAを迅速かつ高感度に単離精製するキットです。

高分子のmRNA, rRNAから小分子のマイクロRNA（miRNA）、低分子干渉RNA（siRNA）まで、全サイズのRNAを精製できます。フェノールやクロロホルムが不要で、タンパク質のような他の細胞構成物に優先してRNAを精製できます。特別設計のスピンカラムにより20 µLという微量の溶出ボリュームが達成されました。精製RNAは高度にインタクトが確保されるため、多数のダウンストリームアプリケーションに使用することができます。

精製原理は、分離基剤としてノルジェン社独自のレジンを用いたスピンカラムクロマトグラフィーに基づきます。まず目的の細胞や組織を付属の溶解溶液で溶解し、エタノールを加えてRNAをカラムに結合させます。混入タンパク質の多くがフロースルーとして除去されるかレジンの上部に残留するのに対し、RNAはレジンに結合します。次に、結合したRNAを洗浄して残留不純物を除去します。最後に精製されたRNAを付属の溶出液または水により溶出します。図1をご参照ください。

• 【関連情報】Total RNA精製キット（ノルジェン社）

ノルジェン社独自のレジンは、全サイズ範囲のRNAに対して非常に優れた親和性を示すため、高分子と低分子のRNAを良好な直線性と感度で精製できます。精製RNAはインタクトなため、real-time PCR、RT-PCR、ノーザンブロッティング、RNaseプロテクション、プライマー伸長、発現プロファイリング、miRNAクローニングと増幅、次世代シークエンシングを含めた多様なダウンストリームアッセイに使用することができます。

［精製後サンプルの用途］

• 高分子mRNAと、miRNAを含めた小分子RNAの定量的real-time PCR
• 高分子mRNAと、miRNAを含めた小分子RNAのRT-PCR
• 発現プロファイリング
• RNAやmiRNAの次世代シークエンシング
• microRNAクローニングと増幅
• ノーザンブロッティング
• RNaseプロテクション
• プライマー伸長

• 微量サンプルに最適：微量の培養動物細胞、組織サンプル、LCMを含めた顕微解剖サンプルからTotal RNAを抽出可能。RNAは単一の細胞からでも単離可能。
• 少ない溶出ボリューム：20 µLのElution Bufferという少なさでRNAを溶出。
• フェノール/クロロホルム抽出不要：フェノールやクロロホルムといった有害物質を用いずにTotal RNAを抽出。
• 多様な種類のRNAを単離：高分子のmRNA, rRNAから低分子のマイクロRNA（miRNA）、小分子干渉RNA（siRNA）までの全RNA種を、収量を落とすことなく単離可能。
• 迅速かつ簡便な作業：迅速なスピンカラム形式により10サンプルが20分で処理可能。

• バッファー
• 洗浄液A
• 溶出液A
• マイクロスピンカラム
• 回収用チューブ
• 溶出用チューブ（1.7 mL）
• インサート

図1. フローチャート
本キットを用いたTotal RNA抽出手順

図2. 良好な単離感度
本キットでは単一細胞という少量からの高感度RNA抽出が可能である。Total RNAをHeLa細胞の希釈系列から抽出した。溶出RNAの5 μLを20 μLのRT-qPCR反応に使用し、ヒトS14転写物を検出した。S14は単一細胞という少ないサンプルからも測定できた。

図3. 単一細胞からの良好なRNA抽出効率
ノルジェン社と競合他社A社のスピンカラムを用いてHeLa細胞の希釈系列からTotal RNAを抽出した。抽出したRNAをRT-qPCRに供し、ヒトS15および5S rRNA転写物を定量した。各遺伝子ともあらゆる細胞濃度においてノルジェン社のキットで抽出したサンプルが高発現を示した。

図4. レーザーキャプチャー法（LCM）サンプルからの高品質なRNAの単離
本キットはレーザーキャプチャー法（LCM）のような少量サンプルから高感度かつ高品質なRNAを抽出できる。Total RNAを6種の独立したLCMサンプルから回収した。RNA収量と純度（260/280比）はNanoVue分光光度計にて測定した。本キットにより良好な260/280比で十分量のRNAを抽出できた。

※  表示価格について