Long-term Cell Tracer 580 は、細胞を長期間追跡可能な蛍光トレーサーです。様々な細胞でご使用頂けます。
(細胞例:がん細胞, 骨髄間質細胞;BMSC, 末梢血単核球;PBMC,血管内皮前駆細胞;EPC, ヒト/マウス間葉系幹細胞;MSC, 表皮幹細胞等)
背景
101 Bio(ワンオーワンバイオ/OBL)社セルトレーサーは、有機蛍光ドットに分類され、非有機体である量子ドット(quantum dots; QDs)の粒子径と安定性に匹敵し、バイオイメージングを行う場合に問題となる量子ドットの弱点(毒性、ROS存在下における蛍光の減少)を克服します。本製品は、細胞貫通ペプチド(cell penetrating peptide;CPP)の結合によって効率的な生細胞の蛍光標識が可能で、生細胞イメージングに利用できます。近年標準的に利用されている非有機量子ドット標識キットと比較し、in vitroまたはin vivoでの長期的な細胞追跡に優れています(図1,図2,表1)。
また、幹細胞の追跡研究によって間葉系幹細胞の細胞分化に影響しないことが示されています(表2)。本製品は、量子ドットプローブの代替としても利用可能で、さらに表面を修飾された有機蛍光ドットは多様な生体分子/特定の生体分子のイメージングをも可能にします。
特長
- 長期間の高い安定性
‐in vitro 12世代/in vivo 3週間 - 高い蛍光輝度
‐高いS/N比 - 低毒性
‐重金属を含みません。
構成内容
- Cell Tracer 580 溶液:1バイアル(200 nM /1 mL)
製品データ(量子ドットとの比較)
図1.セルトレーサーによるMCF-7細胞の蛍光標識(顕微鏡観察)
(a)2nM セルトレーサーまたは(b)2nM 量子ドット(QD)によって蛍光標識したMCF-7細胞について、その光安定性を7日間連続的に観察した。
図2.セルトレーサーによるMCF-7細胞の蛍光標識(フローサイトメトリー)
(a)2nM セルトレーサーまたは(b)2nM 量子ドット(QD)によって蛍光標識したMCF-7細胞について行ったフローサイトメトリー解析のオーバーレイヒストグラム。
表1. セルトレーサーと量子ドット(QD)の蛍光安定性比較
図2におけるフローサイトメトリーデータをまとめた。 セルトレーサーは、QDと比較し長期間の蛍光安定性が有る。
図3. Cell Tracerは、in vivo で強いシグナルを与える(day 12)。
マウスのin vivo 蛍光イメージング
各蛍光色素で標識したC6 グリオーマ細胞を皮下注射した。
(a)Cell Tracer(day 0 and day 12)、(b)Other tracker 655(day 0 and day 7)
他のトラッカー標識細胞からの蛍光は7日目に検出されなかった一方、Cell Tracer によって標識された細胞は、依然として強い蛍光を示した。
特長
使用手順
はじめに細胞種やアプリケーションに応じてセルトレーサーの濃度条件をご検討ください(濃度目安:0.1 nM〜4 nM)。段階希釈を行った細胞トレーサーで試験頂くことを推奨します。
細胞標識培地(セルトレーサー溶液)の作製
- 10μLのセルトレーサー(200nM)を1MLの細胞培養完全培地に加え、30秒間ボルテックスを行います。 ready to use の2 nM 細胞標識培地(セルトレーサー溶液)が完成します。
→ 接着細胞の蛍光標識(6-ウェルプレート使用時)
- 細胞の播種
- 細胞を培養ディッシュやフラスコに播種してください。細胞密度は細胞種によって異なります。 接着後〜80%コンフルエントに達した状態で、蛍光標識を行います。
※細胞標識培地(セルトレーサー溶液)は都度新鮮なものを調整ください。
- 細胞を培養ディッシュやフラスコに播種してください。細胞密度は細胞種によって異なります。 接着後〜80%コンフルエントに達した状態で、蛍光標識を行います。
- 細胞の蛍光標識
- PBSを使用して細胞を2回洗浄します。
- 1MLの細胞標識培地を各ウェルに添加し、37℃で4時間から一晩培養します。
- PBSを使用して細胞を2回洗浄します。
(オプション操作)蛍光標識細胞を固定する場合、この時点で行ってください。PBSを使用して細胞を3回洗浄した後、PBS(含3.7% ホルムアルデヒド)によって室温15分間の条件で固定します。イメージング前に、固定後の細胞をPBSで3回洗浄します。 - 蛍光標識された細胞は、in vivo / in vitro のアッセイにご使用できます。
→ 非接着細胞の蛍光標識
- 細胞を回収(遠心条件:1500 rpm 5分)し、培地を取り除きます。
- 細胞ペレット対して細胞標識培地を1X106/3MLの割合で添加し、再懸濁します。
- 37 C で4時間培養します。
- 細胞を回収(遠心条件:1500 rpm 5分)し、PBSを使用して2回洗浄します。
(オプション操作)蛍光標識細胞を固定する場合、この時点で行ってください。 - 蛍光標識された細胞は、in vivo / in vitro のアッセイにご使用できます。
Long-term Cell Tracer 580(Yellow)
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
Long-term Cell Tracer 580 (Yellow)![]() |
OBL | P710Y | 1 ML [200 nM] |
¥235,000 |
[関連]Long-term Cell Tracer 500(Green)
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
Long-term Cell Tracer 500 (Green)![]() |
OBL | P710G | 1 ML |
¥235,000 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
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