本キットは、EDTA-血漿、血清、および乾燥血液スポット中の酸化された低密度LDL(ox-LDL)定量するELISAキットです。本アッセイでは、1分子あたりのMDA単位が60 MDA未満であってもMDA修飾アポリポタンパク質B 100を認識します。
背景
脂質過酸化反応は細胞増殖に必須な自然過程です。しかし、酸化ストレスによって抗酸化性の細胞防御が圧倒されると、このバランスが崩れ、脂質過酸化産物の形成が促進されます。現在、脂質過酸化反応は多くの疾患の惹起や進行に関与する基本的なメカニズムのひとつであると考えられています。様々な研究より、脂質過酸化やタンパク質修飾をもたらす酸化ストレスが、アテローム性動脈硬化や冠動脈心疾患の病因に関与することが示されています。
脂質過酸化産物は正常な細胞代謝における余剰なフリーラジカルの産生を介して形成されますが、このフリーラジカルは非飽和脂質、特に血漿コレステロールの主な運搬体である低密度リポタンパク質(LDL)と反応します。LDLは、マクロファージにより除去されます。通常、コレステロールレベルの上昇に応答してLDL受容体発現がダウンレギュレーションされ、受容体介在性のLDL取込みが抑制されています。LDLがいったん酸化されると、マクロファージにより取り込まれますが、コレステロールの蓄積に発現制御を受けないスカベンジャー受容体を介して取り込まれます。酸化されたLDL(ox-LDL)の結合によりマクロファージでのコレステロールが蓄積し、脂質が蓄積された泡沫細胞への形質転換が誘導されます。この過程は、大規模な細胞増殖と細胞外基質成分の生成伴い、血管壁内の内皮損傷を促進し炎症性応答を増幅することでアテローム動脈硬化の発生と進行に寄与します。コレステロールが蓄積したマクロファージの泡沫細胞は、早期の検出可能なアテローム動脈硬化病変や狭窄および血流制限を引き起こすさらに複雑な粥状動脈硬化の前駆体、に存在することが知られています。これらの進行型病変は、最終的に血栓症部位となり心筋梗塞を引き起こすとされています。
特長
種 | ヒト |
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サンプルタイプ | 血漿(EDTA)、血清 |
測定範囲 | 9 - 250 ng/mL |
構成内容
- 抗体コート済みマイクロプレート
- スタンダード
- コントロール 1、2
- 洗浄バッファー(10x)
- ox-LDL抗体コンジュゲート
- コンジュゲート希釈バッファー
- サンプル希釈バッファー
- 基質(tetramethylbenzidine)
- 停止液
ox-LDL/MDA Adduct ELISAキット
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
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ox-LDL/MDA Adduct ELISA Kit![]() |
IMD | KR7810 | 1 KIT |
¥104,000 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
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