ホスホエノールピルビン酸(PEP)は重要な生化学的中間体です。PEPのリン酸結合は生体内で最もエネルギーが高く、ピルビン酸キナーゼがATPを生成してピルビン酸を生成する解糖などの代謝経路において重要な役割を果たしています。PEPは糖新生にも関与しており、そこではホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼによって触媒されるオキサロ酢酸の脱炭酸から生成されます。植物では、種々の芳香族化合物の合成に用いられ、無機炭素を有機炭素への変換(炭素固定)に関与しています。細菌では、PEPはホスホトランスフェラーゼ系のエネルギー源です。本キットは、生体試料中に存在するホスホエノールピルビン酸の量を96ウェルのマイクロタイタープレート形式で測定する簡易蛍光分析法です。各キットには、ブランク、ペプシン標準品、未知試料など、最大100のアッセイ*を実施するのに十分な試薬が含まれています。試料のPEP濃度は、既知のPEP標準との比較により決定します。本キットの検出限界は3.1µMペプシンです。
*注:各サンプル複製には2種類のアッセイが必要であり、1種類はピルビン酸キナーゼで処理し(+PK)、1種類は処理しません(-PK)。ホスホエノールピルビン酸は、2つのウェルからのRFU測定値の差から計算されます。
背景
本キットは、生体試料内の総PEPを測定します。ADP存在下でのPEPは、ピルビン酸キナーゼによってピルビン酸+アデノシン三リン酸(ATP)に変換されます。ピルビン酸はリン酸と酸素の存在下でピルビン酸オキシダーゼによってアセチルリン酸、二酸化炭素、過酸化水素に変換されます。次に、得られた過酸化水素を、高度に特異的な蛍光プローブで検出します。西洋ワサビペルオキシダーゼはプローブと過酸化水素の反応を触媒し、1:1の比率で結合します。検体を96-ウェルマイクロタイタープレート法で既知濃度のPEP標準物質と比較します。検体及び標準物質を30分間インキュベートし、標準的な96ウェル蛍光プレートリーダーで読み取ります(図1)。
構成内容
- PEPスタンダード(20mMのホスホエノールピルベート)
- アデノシンジプハート(ADP) 200mM
- リンオルピルベート(PEP)
- 蛍光プローブ
- HRP
- Flavin Adenine Dinucleotide(FAD)
- チアミンピロリン酸塩(TPP)
- ピルビン酸オキシダーゼ
- ピルベートキナーゼ
- 10×アッセイバッファー
- MgCl2
解析例
ホスホエノールピルビン酸アッセイキットを用いたニワトリ肝臓におけるPEP検出
ニワトリ肝臓を、プロトールに従い、ホモジナイズし、除タンパクした。
ホスホエノールピルビン酸アッセイキット
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
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Phosphoenolpyruvate Assay Kit | CBL | MET-5162 | 100 ASSAY |
¥122,000 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
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