ラットおよびマウス血清中の OCT(オルニチンカルバミルトランスフェラーゼ)を ELISA 法により定量できるキットです。
OCT は肝臓ミトコンドリア障害のマーカーとして有用とされています。
背景
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)およびアルコール性肝障害(ALD)は病理所見が類似しており、いずれも発症にミトコンドリア障害が関与するとされています1)。
そこでヤマサ醤油では、肝臓ミトコンドリアに局在し肝臓ミトコンドリア障害のマーカーとして有用とされているオルニチンカルバミルトランスフェラーゼ(Ornithine Carbamyltransferase、OCT)に着目し、モノクローナル抗体を用いたラット/マウス OCT 定量 ELISA を開発しました。本 ELISA にて肝障害モデルラットの血中 OCT 濃度について検討した結果、薬剤誘発肝障害モデルラット2)3)、NASH4) および ALD モデルラット4) において、OCT が細胞質由来マーカーである Alanine aminotransferase(ALT)や Aspartate aminotransferase(AST)より有用な肝障害マーカーであることが示されました。
特長
- 96穴マイクロプレートによる ELISA 法です。
- 測定に必要な反応時間は一次反応1時間、二次反応1時間、発色反応30分です。
- ラットおよびマウス※1 血清中のOCT測定を可能です。※2
※1: 標準液はラット OCT です。マウス OCT はラット OCT 相当量として算出されます。
※2: 試料は希釈して測定して下さい。詳しくは「測定上の注意」をご参照下さい。
構成内容
構成品名 | 容量 | 数量 |
---|---|---|
抗体固相プレート | 96穴マイクロプレート | 1枚 |
OCT標準液1 (0 ng/mL) | 0.05 mL | 1バイアル |
OCT標準液2 (30 ng/mL) | 0.05 mL | 1バイアル |
OCT標準液3 (100 ng/mL) | 0.05 mL | 1バイアル |
OCT標準液4 (300 ng/mL) | 0.05 mL | 1バイアル |
希釈液 | 50 mL | 1バイアル |
洗浄原液(10倍濃縮液) | 50 mL | 1バイアル |
酵素標識抗体 | 0.15 mL | 1バイアル |
発色液A | 6 mL | 1バイアル |
発色液B | 6 mL | 1バイアル |
反応停止液 | 11 mL | 1バイアル |
測定原理
2種類のマウス由来モノクローナル抗 OCT 抗体を用いたサンドイッチ ELISA です。
測定方法
測定方法概要
ラットおよびマウス血清共に添付の希釈液にて希釈して測定して下さい。共に11倍希釈が目安です。
測定範囲以上の濃度を示す試料については、適宜希釈して下さい。
- Pessayre D. et al.: J Hepatol. 42:928-40, 2005
- Murayama H. et al.: Clin Chim Acta 375:63-68, 2007
- Murayama H. et al.: Clin Chim Acta 391:31-35, 2008
- 村山 寛他: 第36回 日本トキシコロジー学会
ラット/マウス OCT アッセイキット
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について