免疫チェックポイント関連リコンビナントタンパク質・モノクローナル抗体

NKMAXBio社は、4,400以上の高品質なリコンビナントタンパク質や400以上のモノクローナル抗体を開発し、世界40カ国以上で販売している韓国の企業です。同社は、融合タンパク質を安定化させ、環境からのダメージに対する耐性を高めるための超安定ペプチド（Super stable-peptide 、SP）融合技術を保有しています (Patent No. 1005067660000 PEPTIDES CONFERRING ENVIRONMENTAL STRESS RESISTANCE AND FUSION PROTEINS CONTAINING THE SAME)。特殊な技術である安定ペプチド融合技術は、外部環境の影響を受けやすいタンパク質や長期または室温での保存が必要なタンパク質向けに設計されており、この技術に基づき、製品を開発しています。

腫瘍細胞は、抗腫瘍免疫応答を抑制する免疫チェックポイント経路を活性化するなど、さまざまなメカニズムによって免疫監視を回避し、進行します。免疫チェックポイント阻害剤（ICls）は、共抑制シグナル伝達経路を遮断することにより抗腫瘍免疫反応を再活性化し、免疫介在性の腫瘍細胞排除を促進します。これらの分子は、自己免疫寛容を維持し、末梢組織におけるエフェクター免疫応答の長さや強さを調節して組織損傷を最小限に抑えるために重要です。これらの分子を介したシグナル伝達により、エフェクター免疫細胞 (特にT細胞) が疲弊（exhaustion）状態に陥る可能性があります。T細胞の疲弊（exhaustion）は、エフェクター機能の低下、免疫チェックポイント分子の持続的な発現の低下、リコール応答の低下、および機能的なエフェクターまたはメモリーT細胞とは異なる転写状態によって定義されます。抗原提示細胞（APC）とT細胞との間で起こる活性化相互作用と抑制性相互作用には多くの種類があり、これらの相互作用が免疫応答の性質を調節しています。

免疫チェックポイント阻害剤の相互作用

現在、免疫チェックポイントに関する最も広範な研究は、細胞傷害性Tリンパ球抗原4 (CTLA-4)、プログラム細胞死タンパク質1、およびそのリガンド (PD-1/PD-L1) です。最近の研究では、キラー細胞免疫グロブリン様受容体（KIRs）、T細胞免疫グロブリンムチン3（TIM-3）、ナチュラルキラー細胞グループ2メンバーA（NKG2A）、OX40、および4-18Bなど、いくつかの新しい免疫チェックポイントのターゲットが同定されています。

CTLA-4 (細胞傷害性Tリンパ球抗原4、CD152) は、活性化/疲弊した CD4+ T 細胞、制御性T細胞 (Treg)、活性化/疲弊した CD8+ T細胞、および一部の腫瘍で発現する B7/CD28 ファミリーのメンバーです。CTLA-4 は、抗原提示細胞の細胞表面にある CD80/86 へ結合することにより、T細胞の活性化と増殖を阻害します。このプロセスは、Tregがバイスタンダー細胞に対し免疫抑制を行う上で重要なメカニズムです。

PD-1 (プログラム細胞死タンパク質1、CD279) は、共刺激受容体である B7/CD28 ファミリーのメンバーです。PD-1 は主に活性化T細胞、ナチュラルキラー (NK) 細胞、B細胞、および特定の骨髄細胞で発現しており、アポトーシスの負の制御因子として作用し、T 細胞の免疫応答の維持に寄与しています。PD-1 には、PD-L1 (B7-H1;CD274) と PD-L2 (B7-DC; CD273) の2つのリガンドがあります。どちらも樹状細胞、マクロファージ、単球などの抗原提示細胞で見られますが、その他では様々な非リンパ組織で差次的に発現しています。インターフェロンγ (IFN-γ) が主なトリガーであり、PD-L1 および PD-L2 の上方制御を引き起こすことが知られています。

表1. 主要な免疫チェックポイント受容体とリガンドのペア

略語：CTLA-4, cytotoxic T lymphocyte antigen 4; Treg, regulatory T cell; PD-1, programmed death protein 1; NK cell, natural killer cell; PD-L1/2, programmed death protein ligand 1/2; DC, dendritic cell; LAG-3, lymphocyte-activation gene 3; KIRs, killer cell immunoglobulin-like receptors; TIGIT, T cell immunoreceptor with lg and ITIM domains; PVR, poliovirus receptor; TIM-3, T cell immunoglobulin mucin 3; HMGB-1, high mobility group box 1; VISTA, V-domain Ig suppressor of T cell activation; VSIG-3, V-set and Ig domain-containing 3; CEACAM-1, carcinoembryonic antigen‐related cell adhesion molecule 1; NKG2A, natural killer cell group 2 member A; GITR, glucocorticoid-induced TNFR-related protein; GITRL, glucocorticoid-induced TNFR-related protein ligand; ICOS, Inducible T-cell co-stimulator; ICOSLG, Inducible T cell co-stimulator ligand.

KIRs (キラー細胞免疫グロブリン様受容体、CD158) は主に NK 細胞で発現しています。これは、細胞表面の主要組織適合性複合体 (MHC) クラス I アロタイプ (HLA-A、-B、または -C) 分子に結合することで、NK 細胞の機能に負の制御をもたらし、NK 細胞を介する溶解を減少させます。NK細胞に加えて、T細胞サブセットおよびiNKT（インバリアントナチュラルキラーT細胞）もKIRを発現しています。KIR に対して生成される抗体は、NK 細胞を介する溶解を誘導することが示されているため、免疫療法の理想的なターゲットとなります。

TIM-3 (A 型肝炎ウイルス細胞受容体 2やHAVCR2 として知られている T 細胞免疫グロブリンムチン3) もまた、リンパ球活性化の負の制御を引き起こすことで、免疫寛容に寄与しています。これは、従来のT細胞 (活性化T細胞、メモリーT細胞、疲弊したT細胞)、Treg、自然免疫細胞などの複数の免疫細胞で発現しています。がんでは、慢性刺激により腫瘍抗原特異的 T リンパ球、特に CD8+ TIL (腫瘍浸潤リンパ球) においてTIM-3 の上方制御が誘導され、同時に末梢性T 細胞におけるTIM-3 の発現は最小限に抑えられます。PD-1/PD-L1軸と同様に、TIM-3は慢性的な免疫刺激におけるT細胞の疲弊、特にTh1型免疫応答の調整に関与しています。

NKG2A/CD94 (ナチュラルキラー細胞グループ2 メンバーA、CD159) はC型レクチンファミリーであり、非古典的 MHC I 分子、HLA-E をリガンドとして認識します。末梢血中の NK細胞のほぼ50% は NKG2A/CD94 を発現しており、主にそれらの細胞は抑制型KIR を発現していません。さらに、γδ および CD8+ T 細胞も NKG2A/CD94 を発現しています。正常細胞上に発現する HLA-E への NKG2A および CD94 のライゲーションはシグナル伝達の活性化を抑制し、それによって正常なバイスタンダー細胞の破壊を回避します。

OX40 (CD134、TNFRSF4) は、TNFR (腫瘍壊死因子受容体) のスーパーファミリーに属し、活性化された CD4+ および CD8+ T細胞の表面、さらに Treg、NK 細胞、好中球でも検出できます。その天然リガンドである OX40L (CD52) の発現は、樹状細胞、マクロファージ、B 細胞、および内皮細胞または平滑筋細胞上の炎症誘発性サイトカインによって誘導されます。OX40 による刺激は、T細胞において CTLA-4 が引き起こす負の効果を克服し、エフェクター細胞の活性化に対する Treg の抑制効果に拮抗することが示されています。

4-1BB (CD137、TNFRSF9) は、活性化された CD8+ および CD4+ T細胞で主に検出できますが、炎症誘発性刺激による誘導後は、NK細胞、B細胞、樹状細胞などの他の細胞型や、炎症誘発性刺激による誘導後の内皮細胞にも現れます。CD137リガンド (4-1BBL、CD252) は、さまざまな抗原提示細胞で発現しています。CD137のライゲーションは、特にCD8+T細胞やNK細胞の腫瘍選択的細胞傷害性やIFN-γの分泌を増強する、刺激促進シグナルを生成します。

現在、FDA（米国食品医薬品局）は、多くのがん種の患者の臨床治療のために、古典的な免疫チェックポイント阻害を標的とする以下の7つのモノクローナル抗体を承認しています。

• CTLA-4経路を標的とするイピリムマブ
• PD-L/PD-L1軸を標的とする6つの抗体 (アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、ニボルマブ、セミプリマブ、ペムブロリズマブ。)

表 2. ヒトのがんにおける負のチェックポイント阻害剤として作用する FDA 承認のモノクローナル抗体のリスト

ICC/IF 分析

図1:PD-1/PDCD1 抗体 (4F12、品番 APD0811) を用いたICC/IF 分析
HeLa細胞をモノクローナル抗ヒト PD-1/PDCD1 抗体 (1:100) で染色した。二次抗体 (緑色) には Alexa Fluor 488 を使用し、DAPI で細胞核 (青色) を染色した。

図2: CTLA4抗体（AT4C8、品番ATGA0260）を用いたICC/IF 分析
Jurkat細胞をモノクローナル抗ヒトCTLA4抗体(1:100)で染色した。二次抗体 (緑色) には Alexa Fluor 488 を使用し、DAPI で細胞核 (青色) を染色した。

図3: Fc gamma R1/CD64 抗体 (AT37F7、品番 ATGA0324) を用いたICC/IF 分析
Hela 細胞をモノクローナル抗ヒトFc gamma R1/CD64抗体(1:100)で染色した。二次抗体 (緑色) には Alexa Fluor 488 を使用し、DAPI で細胞核 (青色) を染色した。

■ モノクローナル抗体
■ リコンビナントタンパク質(・B7-CD28 ファミリー　・Fc受容体　・CD94/NKG2 ファミリー　・キラー細胞免疫グロブリン様受容体 (KIRs)　・ネクチンおよびネクチン様結合受容体　・SLAM ファミリー　・TNFスーパーファミリー　・ブチロフィリン　・TIM ファミリー受容体とリガンド　・ANGPT/ANGPTL リガンド　・キヌレニン経路　・その他の受容体およびリガンド)

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