各種サンプル中のSAP (血清アミロイドP成分) をサンドイッチELISAで測定します。
背景
SAP (血清アミロイドP成分) は、カルシウム依存性リガンド結合タンパク質やレクチン (炭水化物結合) に高度に保存されたスーパーファミリーに属します。五量体構造のためペントラキシンとも呼ばれる 25 kDa のタンパク質です。C反応性タンパク質 (CRP) およびSAPは、よく特徴づけられている短いペントラキシンであり、これは炎症性メディエータに応答して肝臓で産生されます。一方で、ペントラキシン3 (PTX3) は、長いペントラキシンに分類されます。SAP と CRP は、すべての脊椎動物で進化的に保存されており、カブトガニ (Limulus polyphemus) などの無脊椎動物でも 51 %の残基配列同一性および66 %の相同性があります。
SAPはタンパク質分解に耐性で、特にカルシウム依存性リガンドと複合体を形成している場合に顕著です。SAPはDNA、多糖、アミロイド原線維のような高分子リガンドに結合します。C1qと結合すると古典的補体経路を活性化します。ヒトSAPはマウスSAPやヒトCRPとは対照的に急性刺激後の急性期反応物質ではありません。マウスでは、SAPレベルはリポ多糖投与の 24時間後に有意に増加します。
SAPは、脳脊髄液 (CSF) にみられる正常な血漿成分です。アミロイド斑と神経原線維変化が見られる脳血管や脳内Aβといったアルツハイマー病 (AD) の病理学的病変にも存在します。これは、アミロイド線維および対になったらせん状のフィラメントそれぞれにSAPが結合するためです。SAP自体にも直接的な神経細胞傷害性をもっている可能性があります。SAPはアミロイドーシスの発症の一因となりますがそのメカニズムはまだ不明であり、種間で異なっている可能性があります。
正常ヒト血清中の SAP濃度は 30〜40 µg/mL です。ある研究では、女性の血清中の平均SAP濃度 (24 µg/mL) は男性 (32 µg/mL) よりも有意に低いことが説明されています。手術後の濃度変化は有意性が見られず、慢性活動性疾患でわずかに増加するだけです。有意に低いレベルのSAPは、血漿タンパク質合成を減少させる重度の肝細胞障害患者においてのみ見られます。脳脊髄液 (CSF) において、健常人におけるSAPの平均レベルは8.5 ng/mL です。
特長
仕様 | HK331 | HK215 |
---|---|---|
感度 | 0.5 ng/mL | 0.4 ng/mL |
測定範囲 | 0.2 to 50 ng/mL | 0.4 to 100 ng/mL |
サンプル | 血清、血漿、尿、CSF | 血清、血漿 |
構成内容
- 洗浄バッファー 20x
- 希釈バッファー 10x
- スタンダード
- ビオチン化トレーサー
- ストレプトアビジン-ペルオキシダーゼ 100x
- TMB基質
- 停止液
- コート済み12マイクロタイターストリップ
SAP (血清アミロイドP成分) ELISAキット
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
SAP ELISA kit, Human | HCB | HK331-01 | 1*96 WELL |
¥176,000 |
SAP ELISA, Human | HCB | HK331-02 | 2*96 WELL |
¥290,400 |
SAP ELISA kit, Mouse | HCB | HK215-01 | 1*96 WELL |
販売終了 |
SAP ELISA kit, Mouse | HCB | HK215-02 | 2*96 WELL |
販売終了 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
- 「SAP (血清アミロイドP成分) ELISAキット」は、下記のカテゴリーに属しています。