バイアスを低減するランダム化アダプター
The NEXTflex® Small RNA-Seq Kit v3 は、特許出願中/特許取得済みの技術を利用し、ゲルフリーかつ低インプット量で Illumina社シーケンシングに対応するsmall RNA ライブラリーを調製することができます。ライゲーション部位にランダム塩基を持つランダム化アダプター(表1)を用いることで、標準的なプロトコールよりも大幅にライゲーションバイアスが低減され、用いた検体中のsmall RNA 存在量をより正確に示すことができます。さらに、少ない合計リード数でより多くのmiRNAを検出することができるため、small RNA シーケンシングの効率が高く、コストの削減が可能です。
NEXTflex® Small RNA-Seq kit v3 を用いることで、他社製品よりも高い割合のリードがmiRNAにマッピングされました(図1)。
表1. ランダム化アダプターの配列
NEXTflex® | 配列 |
3’ NEXTflex® アデニル化アダプター |
5’ rApp /NNNNTGGAATTCTCGGGTGCCAAGG/3ddC/ |
5’ NEXTflex® アダプター |
5' GUUCAGAGUUCUACAGUCCGACGAUCNNNN |

図1. Small RNA ライブラリーは、ヒト脳由来トータルRNAサンプルから調製し、Illumina社MiSeqを用いてシーケンスした。各ライブラリーのリード数と≥20リードのmiRNA集団を示した。Next flexで作製したライブラリは、他社商品で作製したライブラリに比べ、より少ないリード数で20リード以上のmiRNA100種類を検出した。
ゲルフリープロトコール
本製品は、アダプターダイマー形成を大幅に抑制したことによって、従来法と異なり、ポリアクリルアミドゲル(PAGEゲル)精製無しでの small RNAライブラリー調製が可能となりました。≥200 ngのトータルRNAからsmall RNA ライブラリーを調製する際、完全なゲルフリープロトコールで実施することができます。
表2. インプット量のガイドライン
インプット量 | アダプターの希釈 | PCR サイクル | ゲルフリーのサイズセレクション |
2 μg - 200 ng |
None |
12-18 |
+ |
200 ng - 50 ng |
1/2-1/4 |
16-22 |
+/- |
50 ng - 1 ng |
1/4 |
22-25 |
- |
少ないインプット量で、Illumina社対応のsmall RNAライブラリー調製が可能
本製品に組み込まれたアダプターダイマー抑制技術によって、少ないインプット量からのライブラリー調製が可能となります。ライブラリー調製はわずか1 ngのトータルRNAから可能です。図2は、異なるインプット量のサンプル間で、同様の発現量のデータを再現可能であることを示します。

図2. 本製品を用いて、異なる量のヒト脳由来トータルRNAサンプル(10 ngと100ng)からライブラリ作製し、解析した際の各ライブラリのmiRNA発現量の相関性。
RNA-Seq のマルチプレックス化を実現
NEXTflex® Small RNA-Seq Kit v3には、8種類または48種類のバーコードプライマーがあらかじめ含まれており、個別に購入する必要はありません。
他社製品との比較
| NEXTflex Small RNA-Seq Kit v3 | I 社キット | N 社キット |
バイアスの低減 |
 |
× |
× |
ゲルフリープロトコール |
 |
× |
 |
少ないインプット量 |
 (1 ng total RNA) |
× |
× |
全酵素が付属 |
 |
× |
 |
マルチプレックス化用バーコード |
48 |
48 |
24 |
最大インプット量 (μL) |
10.5 |
5 |
6 |
完全自動化対応 |
 |
× |
× |
ひとつのキットで全サンプルをマルチプレックス化 |
 |
× |
× |
Discovery/detection 比率 |
高 |
低 |
中 |