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MEF2D／BCL9遺伝子を検出するFISHプローブ | 急性リンパ性白血病の研究に ZytoLight® SPEC MEF2D／BCL9 TriCheck™ Probe

メーカー名：ZytoVision GmbH

BCL9遺伝子のある染色体の1q21.2領域とMEF2D遺伝子のある1q22領域で起きる逆位は、急性リンパ性白血病 (ALL)でしばしば見られます。ZytoLight® ZytoLight® SPEC MEF2D／BCL9 TriCheck™ Probeは、この逆位の検出に使用できるプローブです。さらに、MEF2D-BCL9の逆位と、BCL9と関係なく起きたMEF2Dの転座とを区別することができます。

ZytoLight® FISH プローブシリーズ詳細

背景

MEF2D (Myocyte Enhancer Factor 2D)の再編成は、急性リンパ性白血病患者(ALL)にしばしば見られます。また、小児の患者の3～4%、大人の患者の約7%で、再編成が再び起きることが分かっています。B前駆細胞型急性リンパ性白血病で一番多いケースは、MEF2Dの転座がBCL9と共に起きることです。他に共に転座を起こす遺伝子としては、CSF1R (5q32), DAZAP1 (19p13.3), HNRNPUL1 (19q13.2), SS18 (18q11.2), FOXJ2 (12p13.31) が挙げられます。

急性リンパ性白血病におけるMEF2Dの再編成は、(1) 異常な箇所のコピー数を増加させる、(2) ヒストン脱アセチル化酵素 (HDAC) 阻害剤治療がより有効になる、という2点と強い関連性があることが分かっています。急性リンパ性白血病に原因があるMEF2D遺伝子の転座が起きるときは、特にヒストン脱アセチル化酵素9 (HDAC9)が高発現になり、従来の抗がん剤への抵抗性が誘発されます。MEF2D-BCL9遺伝子融合が起きたときは、デキサメタゾン治療が効きにくくなります。

したがって、蛍光in situハイブリダイゼーションにより、MEF2D-BCL9融合遺伝子を検出してMEF2Dの再編成を観察することは、白血病のリスク度合いの判定に有用です。

特長

SPEC MEF2D／BCL9 TriCheck™ Probeは、2つのプローブミックスです。SPEC MEF2Dプローブは、緑色とオレンジ色に蛍光標識された2つの領域を持ちます。BCL9プローブは青色蛍光標識されており、1q21.1～q21.2.領域にあるBCL9遺伝子領域に特異的にハイブリダイズします。

(A) 1番染色体においてプローブがハイブリダイズする位置	(B) SPEC MEF2D プローブマップ
	(C) BCL9 プローブマップ

図1. プローブの概要
(B) SPEC MEF2Dプローブは、緑色とオレンジ色に蛍光標識された2つの領域を持つ。緑色蛍光標識された領域は、1q22にあるMEF2D遺伝子の切断部位に隣接した領域に特異的にハイブリダイズする。オレンジ色蛍光標識された領域は、1q22 ～q23.1にあるMEF2D遺伝子の切断部位から遠い領域に特異的にハイブリダイズする。(C) 一方、BCL9プローブは青色蛍光標識されており、1q21.1～q21.2.領域にあるBCL9遺伝子領域に特異的にハイブリダイズする。

使用例

図2. 正常間期細胞でのFISHの例
正常間期細胞の間期核では、緑色／オレンジ色が融合したシグナルと、青色シグナルが各2つずつ検出される。

図3. シグナルの差異の判定
MEF2D-BCL9の遺伝子座で、BCL9遺伝子を含まない再編成が起きている場合、緑色シグナルとオレンジ色シグナルが、離れた場所で1つずつ検出される。この場合、青色シグナルについては2つ検出され、増加は見られない。一方、MEF2D -BCL9の逆位が起きている場合、緑色シグナルとオレンジ色シグナルとが、1つずつ離れた場所で検出され、青色シグナルの増加が見られる。異常な領域のシグナル増加は、多コピーになっていることの証拠で、異常な再編成が起きていることを意味する。