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記事ID : 44784
研究用

糖鎖特異的ウサギIgG抗体 幹細胞研究に SSEA-4 抗体

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SSEA-4とは

Stage-specific embryonic antigen-4 (SSEA-4) は、末端にシアル酸残基 (N-アセチルノイラミン酸) を含むスフィンゴ糖脂質 (GSL) からなるガングリオシドです。SSEA-4 の発現は、発生、分化、腫瘍形成中に定性的および量的に変化します。ヒトの発生過程において、SSEA-4 は内部細胞塊の多能性細胞で最初に観察され、その後分化すると消失します (Tondeur et al. 2008)。さらに、精巣および卵巣のヒト生殖幹細胞はSSEA-4を発現しています(Harichandan et al. 2013; Virant-Klun et al. 2013)。

SSEA-4 は多くのがんで過剰発現していることが明らかにされており、疾患の進行と相関することが示唆されています。Buhring グループによる研究 (Sivasubramaniyan et al、2015) では、不均一で浸潤性の腫瘍細胞部分集団を識別するための新規マーカーとして SSEA-4 を提案しました。重要なことに、細胞表面のSSEA-4発現の増加は、細胞間相互作用の喪失と遊走表現型の獲得に関連することも示されたことから、細胞外マトリックスへの細胞接着に影響を及ぼすことにより、がん浸潤におけるSSEA-4の重要な役割が示唆されています。

SSEA-4 の発現と機能については、高品質の試薬の不足によってしばしば研究が進まないこともありました。抗原のグリカンの性質により、開発されたほとんどすべての抗体はIgM又はIgG3クラスで、親和性が低い傾向があるため、取り扱いが困難な場合があります。

Glykogen社では、独自の免疫化方法を使用して、組換えモノクローナルウサギ IgG 抗体であるクローン F8 を開発することにより、これらの試薬の課題を克服しました。本抗体により、幹細胞生物学とがん研究の両方において、SSEA-4の発現と機能に関する研究が促進されることが期待されます。

背景

糖鎖抗体でGlykogen社を選ぶ理由

糖鎖は、ほとんど全ての生物学的プロセスで役割を果たしており、主要な疾患にも関与していますが、がんにおける糖鎖の役割は十分に研究が進んでいません。それは、糖鎖は強い免疫応答を引き起こさないため、その糖鎖に対する抗体を産生することが難しいことにも起因しています。糖鎖はDNAやタンパク質とは異なり、鋳型にしたがって合成されるわけではなく、糖鎖を結合する反応は、細胞代謝、細胞の種類、発生段階、栄養素などの様々な要因に影響をうけます。これらの要因により、多様性に富んだ様々な特性を持つ糖鎖が得られるようになりますが、その多様性が故に糖鎖の研究や実験が非常に困難になることもあります。

Glykogen社では、それらの課題を克服すべく、糖鎖抗原に特異的なリコンビナントモノクローナルウサギIgG抗体を産生する独自の免疫システムを開発しました。

Glykogen社の抗体の特長

  • 独自の免疫システムにより、従来の方法では免疫原性のない糖鎖に対する免疫応答を刺激することができます。
  • Glykogen社のリコンビナントウサギIgG抗体は、他の市販のマウスモノクローナル抗体に比べて、複数の用途にご利用いただけます。
  • 従来のIgMまたはIgG3クラスの抗体に比べて、高親和性です。

仕様

SDS-PAGE gel: 2.5 ?g of antibody loaded. Lanes: non-reducing (NR) and reducing (R).
本抗体を各レーンに2.5µgロードしたSDS-PAGEゲル画像 (NR:非還元、R:還元)

Immunogen SSE1-4。スフィンゴ糖脂質であるSSEA-4は、様々ながんおよび脳腫瘍に過剰発現している1
Isotype IgG1
Host ウサギ
Clone E2-F8
Reactivity ヒト
Application ELISA、IHC、IB
Conjugate 非標識
分子量 143 kD
Endotoxin Level <0.050 EU/mg (LAL)
Buffer PBS buffer (pH 7.5)

アプリケーション例

Total lipid extracts with rabbit anti-human SSEA-4.
Anti-human SSEA-4 antibody used at 2ug/ml, with a secondary antibody (A0545 used at a 1:30,000 dilution).
図1
トータル脂質抽出物をウサギ抗SSEA-4抗体を用いてイムノブロットした(一次抗体:Anti-human SSEA-4 2 µg/mL, 二次抗体:A0545(Merck社) 1;30,000希釈)
Staining of frozen tissue sections of colon carcinoma using SSEA-4 F8 antibody
図2
SSEA-4特異的抗体(F8)を用いた食道腺がんFFPE組織の免疫組織染色
 
参考文献

1. Sivasubramaniyan, K., Harichandan, A., Schilbach, K., Mack, A. F., Bedke, J., Stenzl, A., Kanz, L., Niederfellner, G., & Bühring, H. J. (2015). Expression of stage-specific embryonic antigen-4 (SSEA-4) defines spontaneous loss of epithelial phenotype in human solid tumor cells. Glycobiology, 25(8). https://doi.org/10.1093/glycob/cwv032

Anti-SSEA-4 Antibody (clone E2-F8)

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
Anti SSEA4, Recombinant antibody,  (Rabbit Mono) Unlabeled, E2-F8詳細データ GLK F8 RB IGG -50 50 UG
¥69,000
Anti SSEA4, Recombinant antibody,  (Rabbit Mono) Unlabeled, E2-F8詳細データ GLK F8 RB IGG -100 100 UG
¥137,000
Anti SSEA4, Recombinant antibody,  (Rabbit Mono) Unlabeled, E2-F8詳細データ GLK F8 RB IGG -500 500 UG
¥347,000

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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