PCR 測定にはタカラバイオ社の Thermal Cycler Dice Real Time System Ⅱ または Ⅲ を使用し、付属のソフトで Ct 値は自動測定されています。
mCDCセット |
mNIIDセット |
判定 |
Ct<41 |
Ct <41 |
陽性 |
Ct<41、または検出されない |
Ct <41 |
陽性 |
Ct<41 |
Ct ≧41、または検出されない |
陽性 |
Ct ≧41 |
Ct ≧41 |
再測定※2 |
検出されない |
Ct ≧41 |
再測定※2 |
Ct ≧41 |
検出されない |
再測定※2 |
※1 陽性コントロールで Ct≦41 の立ち上がりが認められない場合や陰性コントロールで立ち上がりが認められる場合は、再測定してください。
※2 Ct 値 41〜45 で立ち上がりが見られた場合は ± とし、mCDC セット、mNIID セット共に ± または、どちらか一方が ± でどちらか一方が検出されない場合は、反応溶液を2倍(32 µL)にして再測定してください。なお、再測定しても同様の結果になった場合は、陽性の可能性がありますので、検体を採取し直し、再度測定してください。
陽性コントロールの検出例
mCDC セットまたはmNIID セットが増幅できる遺伝子配列の DNA を 100,000、10,000、1,000、100、10 コピー/µL に希釈し、それを反応液に 1 µL 加え、前述のプロトコールで
RT-PCR を測定し、Ct 値を測定し、下に示すようにそれぞれキャリブレーションカーブを作製しました。
陰性コントロール(RNase Free 水)では、いずれも Ct 値は観測されていません。なお、PCR 測定にはタカラバイオ社の Thermal Cycler Dice Real Time System Ⅱ または Ⅲを使用し、付属のソフトで Ct 値は自動測定されています。なお、ウェル間の補正が必要ない機器のため、内部標準は使用しません。
以下のように、上記 PCR 測定機を用いた場合、1 時間以内に逆転写および遺伝子増幅が達成され、検出限界は数コピー/µL でした。従って、国立感染症研究所の性能評価マニュアルにある 3 つのカテゴリーのうち「15 分〜1 時間未満、検出限界 100 ウイルスゲノムコピー/反応以下」にあたります。
図1 mCDC セットの例
図2 mNIID セットの例