磁性ビーズとは、磁石に反応する微小な粒子であり、マグネットを用いてターゲット分子の分離や精製を行う際に広く利用されています。一般的な磁性ビーズの粒径はマイクロサイズですが、Therma-Max™Streptavidinは、粒径が約10 nmの非常に小さな磁性ナノ粒子です。粒径が小さいほど単位体積あたりの表面積が大きくなるため、ターゲット分子に対する認識性が高いという特性を持っています。
一方で、粒径が数百ナノメートル以下の磁性粒子は、磁性が弱くなる上にブラウン運動の影響を強く受けるため、磁石による分離が困難になるという課題があります。Therma-Max™では、この課題を解決するために、粒子表面に熱応答性高分子を固定化しており、これにより25℃未満では均一に分散し、25℃以上になると粒子が凝集して磁気分離が可能になるという特性を実現しています。
さらに、粒子表面にはストレプトアビジンが固相化されており、ビオチン標識されたタンパク質や抗体などを特異的に捕捉・分離することができます。