ネイティブに近い構造を持つリコンビナント膜タンパク質
ウイルス様粒子（VLP）表示リコンビナント膜貫通型タンパク質

KACTUS（KCT）社では、抗体創薬に使用可能な高い免疫原性を有する、発現が困難な複数回膜貫通型膜タンパク質を販売しています。

VLPはVirus-Like Particles（ウイルス様粒子）の略で、ウイルスの殻タンパク質が自発的に集合することで形成されるナノ粒子です。VLP には感染性のあるウイルス感染性ゲノムが含まれていないため、比較的安全に実験に使用できます。

KCT社ではVLP上にリコンビナント膜貫通型タンパク質を発現させて販売しております。VLPは膜貫通型タンパク質のネイティブな構造を可溶化・安定化させ、完全長タンパク質の使用を容易にし、より正確な実験結果をもたらします。

• VLPは免疫反応を高めるため、通常は少量しか存在しない、またはそれ自体では強力な免疫反応を引き起こさない抗原標的に対する免疫化に役立ちます。
• 複数回膜貫通タンパク質を自然な構造で可溶性発現できます。
• ビオチン化されたVLP タンパク質もございます。
• SPRやELISAなどの実験に使用可能です。

VLP は天然ウイルスの構造と組成に似ているため免疫原性が高く、宿主内で強力な免疫応答を誘発する可能性があります。免疫系が VLP を認識し、樹状細胞などの抗原提示細胞 (APC) が VLP を取り込みます。 VLP は APC に取り込まれると処理されてT細胞に提示され、B 細胞の活性化を引き起こし、提示された抗原に対する抗体を産生します。 体液性免疫応答と細胞性免疫応答の両方を誘導するのに非常に効果的です。

VLPに表示されるタンパク質は、抗原として免疫反応を効果的に活性化します。そのため、通常は強い免疫反応を引き起こさない、または豊富に存在しない標的タンパク質の抗体を見つけるのに役立ちます。また、親和性試験にも使用可能なため、特定のタンパク質に対する強力な抗体を作製できるようになります。

使用例：ヒトCD24 VLP

抗体の結合能は抗原タンパク質の免疫原性の強さに依存します。一部のタンパク質は、そのサイズ、形状、グリコシル化修飾、または種間の相同性の高さなどが原因で、強力な抗体の作製が困難です。タンパク質に対する免疫反応が弱いという問題を解決するために、KCT社では免疫反応性が高く活性のあるVLP抗原を開発しました。これらは動物の免疫防御を突破し、これらの標的に対する効果的な抗体を見つけるのに役立ちます。

プレート上に0.5µg/mL（100µL/well）でヒトCD24 VLPを固定した。抗CD24 抗体、hFc タグの用量反応曲線 (ELISA によって決定された EC50 は 22.1 ng/ml)。

動物の免疫化にヒトCD24 VLP 表示タンパク質(M-4)と非 VLP 表示タンパク質（M-1, 2, 3, 5）を用いた。VLPのみで抗体レベルが大幅に上昇し、免疫応答が大幅に強化された。

複数の膜貫通領域を持つ膜タンパク質の全長発現・可溶化は困難であり、これらの標的に対する関連薬剤の開発が遅れています。KCT社ではVLPを用いて突然変異や修飾のない、完全長の複数回膜貫通タンパク質の発現に成功しました。

使用例：ヒトCCR2b VLP

エンベロープ VLP上にCCR2bを発現させ、可溶性と機能的な膜貫通タンパク質を可能にしました。

プレート上に0.5µg/mL（100µL/well）でヒト CCR2b VLPを固定した。ELISA によって決定された EC50 が 12.0ng/ml のhFc -tag抗 CCR2b 抗体、の用量反応曲線。

SPRによる検証の結果、ビオチン化ヒトCCR2b VLPは抗CCR2b抗体と5.24 nMの親和定数で特異的に結合することが示された。

• 血液サンプルの測定: ELISA
• in vivo薬物動態解析
• CMC開発
• ELISA、SPRにおける親和性測定

ヒト

マウス

カニクイザル

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