T細胞の活性化と増殖を誘導 Xynaps™-T

Xynapse™-Tは、非細胞性の抗原提示スキャフォールドを用いた試薬であり、効率的かつ再現性高く抗原特異的T細胞を活性化します。本試薬は、従来のペプチドパルス抗原提示細胞（APC）を使った方法のような手間やばらつきを回避し、安定した結果を得られます。

図1 Xynapse™-T模式図

Xynapse™-Tは、2つのシグナルを介してT細胞を活性化・増殖させます。各スキャフォールドはペプチド-MHC複合体をクラスター化して提示し、ペプチドでパルスしたAPCと同等の活性化能を示します。

抗原提示スキャフォールドによる2つのシグナル

• シグナル1 - ペプチド-MHC複合体とTCRの相互作用
• シグナル2 - CD28の結合

図２ Xynapse™-TによるT細胞の活性化

• 再現性の高いT細胞活性化：長時間の前培養不要で、APCと同等の効果を示す
• 高効率なクローン増殖：抗原特異的T細胞やT細胞受容体（TCR）改変T細胞の大量増殖が可能
• 自然なサイトカイン応答：ペプチドパルスAPCを用いた際と類似したサイトカイン産生パターンを再現

• 遺伝子導入T細胞の力価試験
• 希少な抗原特異的T細胞の増幅
• TCR導入T細胞の濃縮
• 遺伝子導入T細胞の活性化

図3 抗原特異的T細胞の増幅

Xynapse™-T 、aCD3およびaCD28抗体ベースの一般的なT細胞活性化試薬、抗原提示細胞（APC）を用いて、TCR導入T細胞を増殖させた。
その結果、全体の細胞数の増加はどの条件でも同程度であったが、TCR導入細胞の濃縮が見られたのは、Xynapse™-TとAPCのみであった。Xynapse™-Tでは、培養開始時に34%だったTCR導入細胞の割合が、8日間の培養後には67%に増加した。
一般的なT細胞活性化試薬はT細胞を無差別に刺激するが、Xynapse™-T 試薬は、APCと同様に抗原特異的T細胞の強力な増殖を誘導する。この特異性により、Xynapse™-T 試薬は、一般的なT細胞活性化試薬では不可能な、目的のT細胞の濃縮が可能となる。

図4 抗原特異的T細胞の活性化

TCR導入T細胞と、その親株の野生型T細胞をXynapse™-T 試薬、ペプチドパルスしたAPC、aCD3およびaCD28抗体ベースの一般的なT細胞活性化試薬の3通りの方法で刺激した。
その結果、Xynapse™-T およびAPCによる刺激では、IFNγの発現はTCR導入T細胞のみに確認された。一方、一般的なT細胞活性化試薬による刺激では、親細胞である野生型T細胞でもIFNγが発現していた。
このことから、Xynapse™-T 試薬は、ペプチドパルスしたAPCと同等のサイトカイン発現パターンを誘導することがわかった。また、この刺激は抗原特異的であり、標的のT細胞のみに制限されていた。

図5 TCR 導入T 細胞におけるフェノタイプ構成の比較

近年、T細胞製品の治療効果には投与量だけではなく、初期の分化フェノタイプが重要であることが示唆されており、幹細胞様メモリーT細胞（TSCM）とセントラルメモリーT細胞（TCM）の表現型は、増殖能とサイトカイン分泌能が高く、良好な生着と強力で長く持続する抗腫瘍活性をもつことが知られている。

本実験では、TCR 導入T 細胞に対してXynapse™-T 試薬とaCD3およびaCD28抗体ベースの一般的なT細胞活性化試薬をそれぞれ用いて刺激を行った場合のフェノタイプ構成を比較した。一般的な T 細胞活性化試薬によって活性化された TCR 導入T 細胞の表現型構成と比べると、Xynapse™-T によって活性化された集団ではTSCMの割合が大幅に高いことが示された。

Xynapse™-T

*1：XXXXXX にはペプチドとアレルの組み合わせにより異なる任意の数字が入ります。

Xynapse™-Tは、ペプチドとアレルの組み合わせに基づいて作成します。
お見積りの際には「アレル」「ペプチド」「包装サイズ」「ご利用代理店名・支店名」 の情報が必要になります。

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• 包装：100 UL、250 UL
• 標準納期：受注確認後3~4週間
• 研究用試薬：診断および治療目的には使用できませんので、ご注意ください。

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