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記事ID : 16066
研究用

FISH(蛍光 in situ ハイブリダイゼーション)法により検出 ZytoLight® BRAF プローブ

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ZytoLight® SPEC BRAF Dual Color Break Apart Probe は、BRAF(B-Raf 癌原遺伝子、セリン/スレオニンキナーゼ、別名: BRAF1、NS7)遺伝子の存在する染色体領域 7q34 を含む再配列の検出に使用できるプローブです。

ZytoLight® SPEC BRAF/CEN 7 Dual Color Probe は、BRAF遺伝子の存在する染色体領域 7q34 を含む増幅の検出に使用できるプローブです。

ZytoLight® FISH プローブ シリーズ

背景

BRAF 遺伝子

BRAF 遺伝子は、多様な細胞プロセスを調節する MAPK カスケードに関与するタンパク質セリン/スレオニンキナーゼをコードしています。

BRAF 遺伝子の再配列

色素性母斑、毛様細胞性星状細胞腫、悪性黒色腫、前立腺癌、胃癌において、BRAF の様々な転座が観察されています。
放射線誘発による甲状腺乳頭癌では、第7染色体長腕の偏動原体逆位による AKAP9-BRAF の融合が検出されています。融合タンパク質にはプロテインキナーゼドメインが含まれますが、キナーゼの恒常的活性化をもたらす自己阻害領域であるN末端部分が欠損しています。

また、毛様細胞性星状細胞腫で見られる FAM131B-BRAF の融合は、BRAF のN-末端側の阻害ドメインが取り除かれる中間部欠失に起因すると考えられています。さらに、膵腺房細胞癌(非常にまれで予後不良とされる膵臓癌のサブタイプ)では、SND1-BRAF の再配列が頻発することが示されています。SND1-BRAF-形質転換細胞は、MEK 阻害剤による処理に感受性を示します。

したがって、蛍光 in situ ハイブリダイゼーションにより検出した BRAF 遺伝子の再配列は、様々な疾患の新規治療ターゲットとなる可能性があります。

BRAF遺伝子の増幅

悪性黒色腫、甲状腺癌、大腸癌、卵巣癌などの様々な腫瘍で、BRAF の活性化変異が見つかっています。これらの変異は BRAF の恒常的活性化につながり、腫瘍形成が促進されます。

悪性黒色腫(MM)、甲状腺濾胞性腫瘍、星状細胞腫、大腸癌、前立腺癌において、遺伝子の増幅 または 7番染色体のポリソミーによる、変異/非変異 BRAF 遺伝子のコピー数の増加が確認されています。これらの増幅により、BRAF の過剰発現や、MAPKシグナル伝達経路の恒常的活性化が引き起こされます。BRAF 遺伝子のコピー数の増加が見られる濾胞癌は、浸潤性である場合が多いことが見出されています。

BRAF V600E 変異を持つ大腸癌や黒色腫の患者では、変異 BRAF 遺伝子の増幅を介して、MEK および BRAF 阻害剤に対する耐性が獲得されることが報告されています。

したがって、蛍光 in situ ハイブリダイゼーションにより検出した BRAF 遺伝子の増幅は、これらの癌の治療に関わる可能性があります。

特長

ZytoLight® SPEC BRAF Dual Color Break Apart Probe(品番: Z-2189-200)

SPEC BRAF Dual Color Break Apart Probe には、7q34 バンドにハイブリダイズする2種類の直接標識プローブが混合されています。オレンジ色の蛍光色素で標識したプローブは、BRAF 遺伝子の切断点より近位にハイブリダイズし、緑色の蛍光色素で標識したプローブは遠位にハイブリダイズします。

7番染色体のハイブリダイゼーションの位置

図1 7番染色体のハイブリダイゼーションの位置

SPEC BRAF プローブマップ(ノンスケール)

図2 SPEC BRAF プローブマップ(ノンスケール)

ZytoLight® SPEC BRAF/CEN 7 Dual Color Probe(品番: Z-2191-200)

SPEC BRAF/CEN 7 Dual Color Probe には、緑色の蛍光色素で直接標識した、7q34 に位置する BRAF 遺伝子に特異的な SPEC BRAF プローブと、オレンジ色の蛍光色素で直接標識した、7番染色体のセントロメア領域に存在するαサテライト配列に特異的な CEN 7 プローブ(D7Z1)が混合されています。

7番染色体のハイブリダイゼーションの位置

図3 7番染色体のハイブリダイゼーションの位置

SPEC BRAF プローブマップ(ノンスケール)

図4 SPEC BRAF プローブマップ(ノンスケール)

使用例

ZytoLight® SPEC BRAF Dual Color Break Apart Probe(品番: Z-2189-200)

7q34 バンドを含む再配列が生じていない間期核では、2つの正常な(再配列していない) 7q34 遺伝子座を表す、2つのオレンジ色/緑色融合シグナルが検出されます。1つのオレンジ色/緑色融合シグナル、1つのオレンジ色シグナルと、別にもう1つの緑色シグナルが検出される場合は、1つの正常な 7q34 遺伝子座と、1つの転座や逆位の生じた 7q34 遺伝子座を表しています。オレンジ色のシグナルが別に検出された場合は、BRAF遺伝子の切断点より遠位で欠失が生じたことを示します。

SPEC BRAF Dual Color Break Apart Probe を、正常な間期の細胞にハイブリダイズすると、それぞれの核に2つのオレンジ色/緑色融合シグナルとして示される。

図5 SPEC BRAF Dual Color Break Apart Probe を、正常な間期の細胞にハイブリダイズすると、それぞれの核に2つのオレンジ色/緑色融合シグナルとして示される。

ZytoLight® SPEC BRAF/CEN 7 Dual Color Probe(品番: Z-2191-200)

正常な間期核では、オレンジ色と緑色のシグナルがそれぞれ2つずつ検出されます。BRAF 遺伝子座の増幅、または、7番染色体のポリソミーを有する細胞では、緑色のシグナルの複数のコピーや、大きな緑色のシグナルクラスターが観察されます。

正常な間期細胞。BRAF(緑色)、CEN 7(オレンジ色)BRAF 遺伝子(緑色)の増幅した、非小細胞肺癌(NSCLC)組織切片

図6(左) 正常な間期細胞。BRAF(緑色)、CEN 7(オレンジ色)
図7(右) BRAF 遺伝子(緑色)の増幅した、非小細胞肺癌(NSCLC)組織切片

参考文献

ZytoLight® SPEC BRAF Dual Color Break Apart Probe(品番: Z-2189-200)

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ZytoLight® SPEC BRAF/CEN 7 Dual Color Probe(品番: Z-2191-200)

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ZytoLight® SPEC BRAF Dual Color Break Apart Probe

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
ZytoLight SPEC BRAF Dual Color Break Apart Probe, ZyOrange/ZyGreen詳細データ ZYV Z-2189-200 0.2 ML
[20 test]
¥278,000

ZytoLight® SPEC BRAF/CEN 7 Dual Color Probe

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
ZytoLight SPEC BRAF/CEN 7 Dual Color Probe, ZyOrange/ZyGreen詳細データ ZYV Z-2191-200 0.2 ML
[20 test]
¥292,000

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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