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記事ID : 44915

CellEase® BacteriaIIを用いた、複数の菌株を共培養した際の菌数の定量

ユーザーレポート

山崎 桃佳
Momoka Yamasaki

新潟薬科大学大学院 応用生命科学研究科 食品機能化学研究室

Product

メーカー:Biocosm株式会社 メーカー略号:BIC

Biocosm株式会社 appnote_title_use.jpg

核酸抽出試薬 CellEase® II

9分でDNA試料を調製できるCellEase® がバージョンUp!

 

実験内容

Lactobacillus 属やBifidobacterium 属など、善玉菌とも呼ばれる乳酸菌群を中心とした宿主に有益な作用をもたらす微生物をプロバイオティクス、オリゴ糖など、これらの微生物の増殖を促したり働きを活性化させたりする食品成分をプレバイオティクスと呼び、多くの研究が行われている。近年では新たな機能性を持つ腸内細菌や、α−シクロデキストリンの機能性が注目されており、当研究室では改めて腸内細菌の資化性をin vitroで評価してきた。私は、オリゴ糖を炭素源とした同一試験管内で善玉菌(Bifidobacterium属)と悪玉菌(Clostridium属)を共培養し、各菌の増殖とpH、短鎖脂肪酸産生を調べ、オリゴ糖の摂取により悪玉菌の増殖が抑制される要因を検討している。

実験は、Bifidobacterium 属菌とClostridium 属菌の生菌数を予め算出し、生菌数が揃うよう調整した各菌を液体培地に植菌して培養した。植菌時点を0時間とし、培養開始から0時間、24時間、48時間の時点で菌体をサンプリングし、菌数の算出と培地のpHの測定を行った。さらに培養開始から48時間の培地を脂肪酸分析した。

単培養で菌の増殖を測る際は、625nmの吸光度から菌の増殖を測っていたが、複数の菌を共培養する場合は吸光度ではどちらの菌が増殖したのかの判別がつかないため、リアルタイムPCRでインターカレーター法を用いて16SrDNAの発現量から菌数を算出した。その際にDNA抽出に用いたのがCellEase® BacteriaIIである。以前別のDNA抽出キットを試したのだが、抽出できず、試したのが本キットだ。本キットは試薬2種を混合し、72℃で6分、94℃で3分インキュベートすることでDNA抽出することができる簡便なキットである。キットには上清1〜10µLをテンプレートDNAとするとあり、私は上清4µLを使っているが、見た目では分からないためどこまでをテンプレートDNAとして使って良いかが曖昧であることは注意が必要である。しかし、私の実験のように大量のサンプルのDNA抽出を行いたい場合は、試薬の調製も簡単で、複数のサンプルを同時に抽出操作が行える本キットが適した試薬であると考えられる。

図1

図1Bifidobacterium longumClostridiun perfringensを様々な糖を炭素源として共培養した際のBifidobacterium longumの増幅曲線。

図2

図2Bifidobacterium longumClostridiun perfringensを様々な糖を炭素源として共培養した際のBifidobacterium longumのMelt curve。

図3

図3Bifidobacterium longumClostridiun perfringensを様々な糖を炭素源として共培養した際のBifidobacterium longumのMelt Peak。
それぞれ添加した糖液(炭素源)毎に色を分けており、グレー:滅菌水(ネガティブコントロール)、緑:グルコース、青:フラクトオリゴ糖(FOS)、橙:ガラクトオリゴ糖(GOS)。
紫はテンプレートDNA非添加(PCR反応におけるネガティブコントロール)


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