- 【01】RNA干渉(RNAi)と比べてCRISPR/Cas9システムの利点はなんですか。
- 【02】ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)やTALENよりCRISPR/Cas9ゲノム編集ツールが好まれるのはなぜですか。
- 【03】ガイドRNA(gRNA)配列のデザイン方法を教えてください。
- 【04】gRNA配列は提供されますか。
- 【05】なぜCRISPR/Cas9 ノックアウトプラスミドは3種の標的RNA配列をプールして提供されるのですか。
- 【06】CRISPR/Cas9 ノックアウトプラスミドを3種のgRNAプールではなく単独で提供してもらえますか。
- 【07】HDR プラスミドは3種のプールとして提供されますか。
- 【08】CRISPR/Cas9 ノックアウトプラスミドのみを遺伝子機能のノックアウトに単独で使用できますか。
- 【09】自分の細胞にCRISPR/Cas9 ノックアウトプラスミドがトランスフェクションできたかどうか調べる方法を教えてください。
- 【10】自分の細胞にHDR プラスミドがトランスフェクションできたかどうか調べる方法を教えてください。
- 【11】CRISPR/Cas9 ノックアウトプラスミドとHDR プラスミドを用いてゲノム編集が問題なく生じたことを調べる方法を教えてください。
- 【12】HDR プラスミドの相同性左腕(LHA)と相同性右腕(RHA)の長さはどれくらいですか。
- 【13】CRISPRコントロールはありますか。
- 【14】PAM配列とは何ですか。
- 【15】Cas9/gRNA複合体はゲノムDNAのどの位置を切断するのですか。
- 【16】CRISPR/Cas9システムは分裂細胞と非分裂細胞の双方に使えますか。
- 【17】異なる細胞株によって効果にばらつきがみられますか?
- 【18】CRISPR/Cas9システムでは、標的遺伝子のノックダウンをどのように確認しますか。
- 【19】トランスフェクションの検証を行う場合、ウェスタンブロットや免疫蛍光法はどのように利用できますか。
- 【20】一度にいくつの遺伝子をノックアウトできますか。
- 【21】CRISPR/Cas9 ノックアウトプラスミドを利用する場合、SCB社のどのトランスフェクション試薬や関連商品を購入する必要がありますか。
- 【22】HDRプラスミドはダブルニッカーゼプラスミドと組み合わせて使用できますか。
- 【23】CRISPR/dCas9 Lentiviral Activation Particle(ウイルス粒子)をトランスダクションした場合、ゲノムにインテグレートされて、安定的に標的遺伝子のプロモーターを活性化することができますか?
RNA干渉ではmRNAを標的し崩壊させるのに対し、CRISPR/Cas9システムはゲノムDNAを標的し編集することで対象タンパク質をノックアウトします。ゲノムDNAが編集されると、この変化は永久に持続します。
CRISPR/Cas9システムはこれらより安価かつ切断効率と特異性がより優れています。
サンタクルズ(SCB)社では、GeCKO v2ライブラリーより公表されている3種のgRNA標的配列プールを利用します。公表されているこれらの配列は編集効率が高く、オフターゲット作用が低いことが示されています。
はい、gRNA配列はご購入後、お客様に開示致します。お問合せください。
SCB社では十分な遺伝子破壊を確実に行うため、3種のgRNA配列をプールして CRISPR/Cas9 ノックアウトプラスミドとしてご提供しています。
はい。CRISPR/Cas9 ノックアウトプラスミドセットをご購入頂き、その後、カスタムオーダーとして単一gRNAの CRISPR/Cas9 ノックアウトプラスミドをご購入いただくことが可能です。お問合せください。
はい。各HDR プラスミドはそれぞれ相当するgRNAに対して機能するようデザインしており、2〜3種のプールとして提供されます(遺伝子により異なります)。
はい。ただし、非相同末端結合(NHEJ)が起こり、挿入欠失が生ずる可能性があります。挿入欠失により読み取り枠(ORF)が変わり、二本鎖切断(DSB)以降のアミノ酸配列が大きく変わったり、中途での停止コドンが生じたりする可能性があります。NHEJにより生じた挿入欠損はランダム変異となる可能性もあり、遺伝子破壊の種類や範囲を実験的に決定する必要があります。
GFP発現を確認してトランスフェクション効率を決定することができます。また、遺伝子ノックダウンの程度を確認するため、さらなるアッセイも必要となります。
RFP発現を確認してトランスフェクション効率を決定することができます。また、遺伝子ノックダウンの程度を確認するため、さらなるアッセイも必要となります。
編集が行われた細胞にはそのゲノムDNAにピューロマイシン耐性遺伝子が組み込まれているため、ピューロマイシン選択を行うことができます。
SCB社ではCRISPR/Cas9 ノックアウトプラスミドに1つのスクランブルgRNA配列を組み込んだネガティブコントロール(品番:SC-418922)をご用意しています。スクランブルgRNA配列はゲノム標的DNAに結合せず、また、Cas9/gRNA複合体は結合せず、DSBを生じません。
プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列はDNA標的配列の3'末端に存在している必要があり、gRNA配列には存在しません。Cas9がDNAにうまく結合するためには、ゲノムDNA内の標的配列はgRNA配列に対して完全に相補であり、3'末端に連続してPAM配列をもつ必要があります。
はい、両方に使えます。分裂細胞ではNHEJまたはHDR経路が利用され、非分裂細胞ではNHEJ経路のみが利用されると考えられます。
遺伝子ノックダウンを確認する方法はいくつかあります。ピューロマイシンによりHDRプラスミドにより編集された細胞を選択することができます。ウェスタンブロット分析によりタンパク質ノックダウンの確認が可能です。また、ゲノムPCRによりゲノム組込みを確認できるでしょう。ゲノム配列を増幅後、PCR断片をクローニングして配列決定することで変異の検出もできるかもしれません。
ウェスタンブロットや免疫蛍光法ではCas9タンパク質の発現が確認できます。RFPマーカーを利用して顕微鏡下で蛍光の可視化もできますし、Cas9抗体を利用することもできます。
一度にノックアウトできる最大遺伝子数はまだよくわかっていません。種々の研究より一度に複数の遺伝子をノックアウトできることが示唆されていますが、これは細胞への同時導入がどれだけできるかによります。SCB社のCRISPR/Cas9ノックアウトプラスミドに関しては1標的遺伝子ずつご利用いただくことを推奨し、保証しています。
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
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Control CRISPR/Cas9 Plasmid | SCB | SC-418922 | 20 UG | ¥17,000 |
Plasmid Transfection Reagent | SCB | SC-108061 | 0.2 ML | ¥11,000 |
Plasmid Transfection Medium | SCB | SC-108062 | 20 ML | ¥1,000 |
Puromycin dihydrochloride | SCB | SC-108071 | 25 MG | ¥6,000 |
SCB社では、各標的特異的CRISPR/Cas9 ノックアウトプラスミド用のコントロール抗体もご提供しています。
いいえ。HDRプラスミドはKOプラスミド(野生型Cas9)用にデザインされており、ダブルニッカーゼプラスミド(ニッカーゼ改変型Cas9)と組み合わせた使用はできません。
【23】CRISPR/dCas9 Lentiviral Activation Particle(ウイルス粒子)をトランスダクションした場合、ゲノムにインテグレートされて、安定的に標的遺伝子のプロモーターを活性化することができますか?
理論的にはレンチウイルス粒子を感染させた場合、ゲノムに組み込まれ安定的にプラスミドを発現します。しかしながら、遺伝子の活性化が安定して生ずるためには、CRISPR-dCas9レンチウイルスActivationシステムを構成する3種のプラスミドすべてがゲノムに組み込まれ、発現する必要があり、そのような状況になるかどうかは定かではありません。