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Q&A

記事ID : 45481

BioStatus Limited(BSU)社 DRAQ5™ および DRAQ7™ について

【1】免疫蛍光染色(IF)で、DAPIの代わりにDRAQ5™ を対比染色として使用できますか?

はい、使えます。テクニカルデータシートに記載された手順に従うだけで、とても簡単です。ただし、染色パネルに他の遠赤色蛍光色素を含めないようにしてください。また、赤色光で励起する必要があるため、顕微鏡には適切なフィルターキューブが必要です。検出波長は670〜780nm です。DRAQ5™ の優れた点は、UV光源付きの顕微鏡が不要なことです。

【2】DRAQ5™ で対比染色できるサンプルは?

DRAQ5™ は細胞膜透過性のため、生細胞(無傷な細胞)、固定細胞、新鮮な凍結組織切片、さらにはパラフィン包埋切片でも広く使用されています。パラフィン包埋切片では、通常の脱パラフィン処理および再水和プロトコルを適用することをお勧めします。

【3】DRAQ5™ を用いて免疫蛍光染色(IF)を行った場合、顕微鏡観察時にはどの封入剤が推奨されますか?

メーカーではProLong™ Gold または Fluoromount-G® を強く推奨していますが、使用する封入剤にDNAを染める色素が含まれていないかを事前に確認してください。マイクロプレートやマルチウェルで観察する場合は、封入剤を使用する必要はありません。またDRAQ5™ は光安定性に優れていますが、他の蛍光色素はそうではない場合があるため、サンプルを光から保護することをおすすめします。

【4】顕微鏡で DRAQ5™ を検出するにはどうすればいいですか?

DRAQ5™ は、599nmと647nmの2つの波長で最適に励起されますが、561nmでもレーザー式・ランプ式いずれのシステムで励起に成功した実績があります。ほとんどのお客様は635nmで励起しており、Cy5用のフィルターキューブを使ってDRAQ5™ の励起と検出を行っています。DRAQ5™ の蛍光波長のピークは697nmですが、実際には670〜780nmの範囲で検出可能です。広帯域パスフィルターまたはロングパスフィルターを使用し、できればピーク波長である697nm付近に中心を合わせるのが望ましいです。ただし、使用する検出器またはカメラが遠赤色領域に対して十分な感度を持っているか確認してください。

DRAQ5?の励起スペクトルと蛍光スペクトルのデータ

【5】In-Cell Western にて DRAQ5™ は使用可能ですか?

DRAQ5™ は、二本鎖DNAに化学量論的に結合するため、DRAQ5™ の蛍光シグナルは、1つの細胞内に含まれるDNA量に直接比例します。In-Cell Western では、各ウェル内のすべての細胞からのシグナルを測定することが求められます。DRAQ5™ を使えば、各ウェルに存在する細胞の数に比例したシグナルが得られます。したがって、標準曲線を作成すれば、各ウェル内の細胞数を正確に推定することができ、その情報を用いて、検出対象であるタンパク質のシグナルを補正することができます。LI-COR 社 Odyssey システムでは、700nmチャンネルでDRAQ5™ を測定でき、ターゲットのタンパク質には800nmの蛍光色素をタグ付けし、800nmチャンネルで検出します。

【6】アポトーシスのフローサイトメトリー解析で、プロピジウムヨウ化物(PI)の代わりにDRAQ7™ を使うことはできますか?

はい、DRAQ7™ は死細胞や損傷した細胞を検出するにあたり、PI と同等、もしくはそれ以上の性能を示します。また、DRAQ7™は、フローサイトメーターを使用した際PIで見られるような赤色スペクトルのズレが起こりません。さらに、遠赤色蛍光の DRAQ7™ はJC1 や Annexin V-FITCそして TMRMと効果的に組み合わせることができます。

【7】DRAQ5™ と DRAQ7™ の違いを教えてください。

どちらも DNA を標的とする遠赤色蛍光ですが、唯一の違いは DRAQ7™ は完全に細胞不透過性であることです。つまり、DRAQ7™ は死細胞、死にかけている細胞、または損傷した細胞にしか入り込めず、無傷の細胞には入り込めません。そのため、DRAQ7™ は細胞の生死判定用のプローブとして設計されています。一方、DRAQ5™ は細胞膜透過性であり、生死に関係なく、細胞の核を染色します。そのためDRAQ5™ は、粘性のある全血サンプル中で、白血球のような有核細胞と赤血球のような無核細胞を識別するために使用したり、蛍光顕微鏡での対比染色としても使用することもできます。

【8】PCR と RT-PCR 用に細胞をソーティングしたい場合、DRAQ5™ やDRAQ7™ を染色パネルに使っても、DNAやRNAの抽出に影響はありませんか?

はい、どちらも使用できます。DRAQ5™ を使用すると、有核細胞をゲーティングしたり、細胞周期の位置に基づいてソーティングすることができます。DRAQ7™ を使用すると、死細胞を"ダンプチャネル"に振り分けて除外できるため、ソートされた細胞や下流の増幅反応(PCRなど)に影響を与えません。


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