商品詳細:
- コスモ・バイオ取扱品 お求めになりやすい価格のFBSあります
Fetal Bovine Serum; FBS(ウシ胎児血清)
現在、動物由来医薬品における伝達性海綿状脳症(TSEs)のリスクを発生源で完全に除去することはほぼ不可能であり、FBS中のTSEsの完全な除去および不活性化は容易ではありません。Serana社はTSEsリスクを最小化するために、欧州薬局方(EP)モノグラフ2.5.8で導入された3つの主要パラメータを遵守しています。
1. 原料動物
Serana社のFBSは、国際獣疫事務局(WOAH)が定めた「BSEリスクが無視できる地域」の原料のみを使用して製造されます。また、血液を採取するすべての動物は、死前・死後の検査からヒトの食用に適することが国家当局によって証明されています。
2. 動物の部位
モノグラフ5.2.8の附属書1によると、FBSは感染性が検出されない組織の1つです。採取中のFBSと、感染性の異なる他の種の材料や組織との交差汚染を防ぐため、Serana社は特別な品質保証(QA)を実施しています。また、胎児からの組織採取は最も若い年齢の動物を使用する、というモノグラフの推奨を満たし、胎児の血液は心臓穿刺によって無菌的に採取されています。さらに、と畜場のトレーサビリティを取っており、Serana社のQAによってロットごとに保証されています。
3. 品質保証
Serana社はTSEsリスクを最小化するために欧州医薬品品質部門(EDQM)証明書を取得し、保有しています。また、FBSは国際的なガイドラインで定義された主な基準に従って製造されています(例えば、EMA/CHMP/BWP/457920/2012、国際血清産業協会発行のFBS仕様書、欧州薬局方第2262条)。
原料のサプライヤーは、Serana社のQAによって、各バッチが規制に完全に適合していることを確認する義務を負っています。原産地、原材料の管理から製造工程、環境モニタリング、洗浄手順、バッチごとの固有の分析証明書の発行、サンプルの保管に至るまで、GMPに必要となる恒久的な文書化を行い、製品の完全なトレーサビリティを実現しています。
免疫学およびバイオ医薬品の研究に使用する際は、血清内に含まれる補体タンパク質を不活化し、免疫系への影響を排除する必要があります。その際、成長促進作用を低下させないために、熱処理による不活化を推奨します。具体的には、56℃で30分間攪拌しながら熱処理を行ってください。ただし、これらの作業は補体タンパク質に感受性のない研究であれば、ほとんどの細胞培養において不要です。
1. 血清の入ったボトルを冷凍庫から取り出し、約10分間室温に置く。
2. ボトルを30〜37℃のウォーターバスまたはインキュベーターに入れる。
※温度が高すぎると熱に弱い栄養素が分解されます。ウォーターバスを使用する場合は、ボトルのキャップが水没しないようにご注意ください。
3. 血清が完全に解凍されるまで、10〜15分ごとにボトルを静かに撹拌する。
血清を解凍する際に定期的な撹拌が行われなかった場合、溶液全体に高濃度の塩類、タンパク質、脂質による勾配が形成され、結晶や沈殿物が生じる可能性があります。
これらの結晶/沈殿物は細胞培養において有毒ではありませんが、ボトルの外観や粘性に影響を与えます。多量の結晶/沈殿物が認められた場合でも、ろ過は行わないでください。ろ過をすることで成長因子、マイトジェン、その他のタンパク質といった栄養素を損失する可能性があります。
また、推奨された手順で解凍された血清でも、まれに少量の沈殿物が生じます。これは正常であり、製品の性能には影響を与えません。
デキストラン処理をした活性炭は、非極性の親油性物質(例:ウイルス、ホルモン)を有意に吸着・除去しますが、アミノ酸、グルコース、タンパク質の濃度には大きな影響を与えません。したがって、細胞培養における脂質様成分(ホルモン、サイトカインなど)を低く抑えたい以下のような研究分野での使用を推奨します。
● ホルモンおよびホルモン受容体(特にステロイドホルモン)
● 細胞シグナル伝達(特にサイトカインシグナル伝達)
● がん研究(前立腺がん、乳がん、膀胱がんなど)
● 細胞毒性薬剤分析
● ウイルス感染
また、お客様が希望する濃度で、対象の親油性分子を添加することも可能です。
透析により、アミノ酸、塩類、ホルモン、サイトカインなどの低分子の濃度を大幅に下げます。
以下のような小分子研究での使用を推奨します。
● 低分子(アミノ酸、単糖など)のシグナル伝達および欠乏試験
● 質量分析を用いたメタボロミクス、プロテオミクス分析
● 同位体標識
Serana社の血清は非常に厳格な微生物安全性基準を満たしていますが、規制や申請上の要件によっては、特にウイルス汚染リスクに対して高レベルなリスク管理が求められます。 ガンマ線は非常に反応性の高いヒドロキシルラジカルを生成し、DNAを破壊するので、医薬品において微生物やウイルスを不活化するために使用されます。 また、ガンマ線照射済みFBSは、非照射FBSと比較して、細胞増殖促進性能の有意な低下は認められていません。
NBCSはFBSよりも高濃度のIgGを含み、タンパク質含量が多いことが特徴です。NBCSはFBSより安価で代替品として利用できますが、敏感な細胞培養には成長因子の濃度が高いFBSの使用を推奨しています。
一般的に、ドナー馬血清はと畜場で一旦採取される馬血清よりも高品質です。なぜなら、ドナー動物から採取されるため、と畜場と比べてさらに厳密な管理下にあるためです。採血は無菌環境で行われ、汚染リスクははるかに低くなります。さらに、一般的にエンドトキシン含量が低く、バッチ間のばらつきも少ないです。
ウシ血清に対するウマ血清の最も重要な利点は、牛ウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)フリーであることです。BVDVはフラビウイルス科ペスチウイルス属に分類されます。ペスチウイルスは40種以上の動物で感染報告があり、中でもウシはBVDVの罹患率が高いですが、現時点ではウマの血清中にペスチウイルスの存在は報告されていません。そのため、BVDVが存在しないことが必須条件である場合には、ウマ血清の使用を推奨します。