【01】N末端とC末端融合タグはどちらで機能しますか? タンパク質内部にタグを配置することもできますか?
はい、N末端とC末端融合タグのどちらも機能します。
タンパク質内部にSpotタグを配置する場合は、その都度検証が必要です。Spotタグペプチドは、線形(Linear)な状態で、目的タンパク質の他の部位の影響・立体障害を受けずに、アクセスできる必要があります。Spotタグを目的タンパク質内部に配置する場合、高次構造を取らないループやもともと高次構造を取っていないドメイン、または長いドメインリンカーに挿入された場合にのみ、抗SpotタグVHH抗体(ナノボディ)によって認識される可能性があります。
【02】ウェスタンブロットでSpotタグ融合タンパク質を検出できますか?
【03】Spot-Label®をウェスタンブロットや免疫蛍光染色で使用する場合の反応時間を教えてください。
一晩のインキュベーションで最適な結果を得ることができます。
【04】N末端とC末端融合タグはどちらも機能しますか?
はい、N末端とC末端融合タグのどちらも機能します。
【05】非特異的タンパク質の結合を回避する方法はありますか?
必要に応じて、サンプルの「プレクリア処理(Pre-clearing)」を実施してください。その際、コントロールアガロース(品番:bab-20)またはコントロール磁性アガロース(品番:bmab-20)を利用できます。詳細は以下のトラブルシューティングガイドをご覧ください。
【06】結合したタンパク質をどのように溶出しますか?
2xSDSサンプルバッファーで溶出できます。または、10 mM NaOH(pH12)で溶出できます(溶出直後にpH調整が必要です)。Spotペプチド(配列:PDRVRAVSHWSS)を用いて4℃条件で穏やかにかつ効率的な溶出を検討される際は、Spot-Trap®の代わりにSpot-Cap®(スポットキャップ)アフィニティレジンの使用をおすすめします。
【07】免疫沈降に必要な哺乳類細胞数を教えてください。
1回の免疫沈降反応で約10^6~10^7の哺乳類細胞の使用をおすすめします。収量は目的のタンパク質や相互作用因子の発現レベルに依存する場合があります。
【08】免疫沈降に必要な細胞抽出物量を教えてください。
哺乳類細胞以外の場合、0.5~1.0mgの細胞抽出物の使用をおすすめします。
【09】質量分析のために、結合タンパク質をビーズから溶出する必要がありますか?
免疫沈降後にビーズ上で直接消化する方法も利用可能です。より迅速で効率的なサンプル前処理と高収率を実現します。詳細は以下の資料をご覧ください。
【10】酵素アッセイのために目的タンパク質をビーズから溶出する必要がありますか?
いいえ、活性中心がブロックされていない限り、直接酵素アッセイが可能です。詳細は以下の資料をご覧ください。
【11】1回の免疫沈降に必要なNano-Trap量を教えてください。
親和性が非常に高いため、1回の反応あたり25 µL(Nano-Trap slurry量)で十分です。
【12】各Spot-Trap®(アガロース、磁性アガロース、磁性ビーズ)の違いを教えてください。
各ビーズの特性(表1)に基づいて以下のように推奨します。
- アガロースビーズ(Agarose):非常に低いバックグラウンドおよび高い結合能を必要とするIPに最適
- 磁性アガロースビーズ(Magnetic Agarose):磁気分離および高い結合能を必要とするIPに最適
- 磁気ビーズ(Magnetic Particles M-270):磁気分離および非常に大きなタンパク質を対象とするIPに最適
表1. Spot-Trap® 各種ビーズの特性
Spot-Trap® 結合担体 |
アガロース |
磁性アガロース |
磁気ビーズ |
ビーズ詳細 |
アガロース (4% cross-linked) |
磁性アガロース (6% cross-linked) |
磁気ビーズ M-270 |
ビーズ形状 |
多孔質 |
多孔質、鉄コア |
固体 |
結合抗体 |
抗Spotタグ組換えモノクローナルVHH抗体 |
分離可能なタンパク質サイズ* |
小〜大(<200 kDa) |
小〜大(<200 kDa) 特大(>200 kDa) |
ビーズ外観 |
白 |
黒 |
茶 |
ビーズサイズ |
90 µm |
40 µm |
2.8 µm |
結合能 (10 µLあたり) |
7 µg |
7 µg |
0.9 µg |
バックグラウンド |
非常に低い |
低い |
磁気分離/自動化 |
No |
Yes |
最大遠心力(x g) |
2,500 x g |
800 x g |
8,000 x g |
*タンパク質のサイズ、形状、多量体/複合体、相互作用因子に依存します。