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記事ID : 15104
研究用

CRISPR/Cas9 システムでの相同組換え効率を促進 SCR7(NHEJ inhibitor)

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SCR7は、非相同末端結合(NHEJ)の阻害剤で、CRISPR-Cas9 システム と使用することで相同組換え効率を促進します。

背景

NHEJ inhibitor– SCR7

SCR7 は、非相同末端結合(NHEJ:Non-homologous end joining)の強力かつ選択的な阻害剤です。

SCR7 は、Ligase IV のDNA結合をブロックすることで、無細胞DNA修復機構における二本鎖切断(DSB)結合を阻害します。細胞内で Ligase IV 依存的なNHEJ を阻害し、結果として細胞内に二本鎖切断(DSB)が蓄積し、内因性のアポトーシス経路を活性化されて細胞毒性を生じます。さらに重要な役割として、 SCR7はマウスモデルにおける腫瘍進行を妨害し、二本鎖切断(DSB)誘導治療法において並行投与するとその感度を大幅に向上させます。

また、SCR7をCRISPR-Cas9ゲノム編集システムで使用すると、ヒトとマウスの細胞株両方でHDR(相同組換え)効率が4〜5倍に促進されます。

SCR7の詳細情報
分子量 334.39 NHEJ inhibitor– SCR7
組成 C18H14N4OS
CAS RN® 1533426-72-0
溶解性 DMSO up to 50 mM
化合物名 5,6-bis((E)-benzylideneamino)-2-mercaptopyrimidin-4-ol

使用方法

用途用法
In vitro SCR7 を終濃度 20-150 µM で使用(in vitro および 細胞内アッセイ)
In vivo SCR7 をマウス腹腔内投与(IP)(at 20 mg/kg once per day)

よくある質問 Q&A

【01】 マウスにSCR7を投与する時の溶媒は?

【Xcess Biosciences社の回答】SCR7の文献(Cell, 2012)には溶媒まで記載がありません。文献著者に問い合わせいただくか、いくつか一般的な処方をお試しください。

【お客様の懸念事項】文献ではおそらくDMSOを使用していると思いますが、DMSOではマウスが耐えられない可能性があると考えられます。我々は、tamoxifen をマウス腹腔内注射する時に溶媒として植物油(疎水性)を使用していますが、SCR7でもワークするでしょうか?

【コンサルティング後のお客様の解決方法】化合物を水/メチルセルロースで溶解します。数日間であれば冷蔵保管可能です。

【02】 大容量のSCR7(例:100 mg)を小分け包装(例:5 mg)にして販売できますか?

SCR7 を固体として保管し、正確に秤量してから正しい投与量に溶解した方が良いでしょう。SCR7は、緩い粉末なので、~1 mgまでなら容易に量り取ることが出来ます。Xcess Biosciences社では、5 mg や5 mg以上の量を〜1 mg までの量で正確に秤量できます(accuracy beyond 0.1 mg scale)。ただし、大きな容量でご注文になる前に、小包装サイズをお客様の系でお試しいただくことを推奨いたします。Xcess Biosciences社がお客様からフィードバックを頂いた中には、求める結果を得られた方とそうでない方がおり、アッセイ系に依存すると考えられます。

【03】 SCR7はエタノールに溶解しますか?DMSOは卵母細胞に対する毒性が非常に高いので、エタノールで溶解することを考えています。

溶解性は、DMSO 38mg/ml、水・エタノール <1mg/ml です。

参考文献
  1. Srivastava M, et al. An inhibitor of nonhomologous end-joining abrogates double-strand break repair and impedes cancer progression. (2012) Cell. 151(7):1474-87.[PMID : 23260137]
  2. 2. Chu VT, et al. Increasing the efficiency of homology-directed repair for CRISPR-Cas9-induced precise gene editing in mammalian cells. (2015) Nat Biotechnol. [PMID : 25803306].

SCR7(NHEJ inhibitor)

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
SCR7詳細データ XCB M60082-2S 2 MG
¥36,000

製品使用文献

  1. Genomic Tagging in mammalian cells
    K Förstemann, G Center - foerstemann.genzentrum.lmu.de
  2. Genomic Tagging in Drosophila cells
    K Förstemann, G Center - foerstemann.genzentrum.lmu.de
  3. A Mouse Geneticist's Practical Guide to CRISPR Applications
    P Singh, JC Schimenti, E Bolcun-Filas - Genetics, 2015 - Genetics Soc America 4. 
  4. Increasing the efficiency of homology-directed repair for CRISPR-Cas9-induced precise gene editing in mammalian cells. (2015) Nat Biotechnol. In press.Chu VT, et al.
  5. Small Molecules Enhance CRISPR Genome Editing in Pluripotent Stem Cells. (2015) Cell Stem Cell 16(2), 142.Yu C, et al.

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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