財団法人岡山県産業振興財団との特許実施許諾契約締結のお知らせ
このたび、コスモ・バイオ株式会社(以下「当社」)は、財団法人岡山県産業振興財団 岡山TLO(以下「岡山TLO」)を介して、岡山大学の出願特許「microRNA 注1)標的遺伝子検出用キット及びmicroRNA 標的遺伝子の検出方法」に関する実施許諾契約を締結いたしましたのでお知らせいたします。
1.対象特許
特願2010−137924
「microRNA 標的遺伝子検出用キット及びmicroRNA 標的遺伝子の検出方法」
(発明者)岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 准教授 大内田 守 氏、助教 伊藤 佐智夫 氏
2.技術内容
microRNA は、動物種により異なりますが、ヒトでは約1000 種類がこれまでに発見されており、それぞれが標的となる遺伝子mRNA 注2)と細胞内で相互作用することで生物のさまざまな機能を制御し、その異常は疾病発症に関わることが判ってきています。
本件技術による検出用キットは、特定の『microRNA・mRNA・タンパク質複合体』のみを細胞から回収することができる優れたキットで、従来の研究方法のように、microRNA を細胞内に取り込んで実験を行う必要がありません。本件技術を用いることで、研究者が興味を持っているmicroRNA が直接作用している遺伝子(mRNA)を簡単に同定することが可能となります。
3.特許実施許諾契約の内容
財団法人岡山県産業振興財団(以下「甲」)とコスモ・バイオ株式会社(以下「乙」)とは、甲が国立大学法人岡山大学より許諾を受けている、本件対象特許及び技術情報に関する第三者への再実施権許諾の権限を含む独占実施権に基づき、実施許諾契約を締結いたしました。
主な取決めは次のとおりです。
契約有効期間:3年間(自動的に3年間毎延長)
実施許諾形態:独占実施権(独占的通常実施権)であり、第三者に再実施権を与える権利を有しない
許諾対価:所定割合の実施料率(延長時に見直し)
秘密保持:期間中及び終了後5年間
4.技術の利用方法
当社の研究用試薬のひとつとして、国内外の需要に対応すべく、本キットを2011 年4月から販売開始予定です。これまでに取り扱いのあるRNA 関連試薬の品揃えに加え、本キットを販売提供することで、RNA 研究をより一層支援していきたいと考えております。
5.業績見通しに与える影響
当社の収益基盤の拡大に繋がるものと考えておりますが、当面の業績に与える影響は軽微であります。
以上
【岡山TLO 概要】
岡山TLO(Technology Licensing Organization )」を運営する財団法人岡山県産業振興財団は、岡山県内の大学等や公的試験研究機関がもつ技術シーズを円滑に産業界へ移転するための組織として、平成16 年4月に文部科学省及び経済産業省から承認を受けています。経済が急速にグローバル化し、産業構造が著しく変化する中、大学等の優れた技術シーズを活用して、新製品、新市場、新産業を創出する「知的財産によるものづくり」が盛んに行われています。
【用語解説】
注1) microRNA(マイクロRNA)
生物の発生の特定段階に特異的に作られ、mRNA と結合してタンパク質の合成を阻害する。mRNAなどと比べて非常にサイズが小さく、マイクロRNA と呼ばれる。microRNA とmRNA の結合に異常が生じるとさまざまな疾病が発症することから、これを応用して病気の原因となる遺伝子を抑え込むことによる疾病治療が期待されている。また、microRNA によるがん診断・予後マーカーとしての可能性が期待されるなど、今後の研究対象として非常に注目され、広く研究が行われている。
注2)mRNA(メッセンジャーRNA)
遺伝子情報をもとにタンパク質が細胞内で合成される際に、遺伝子の情報を運ぶ役目をしている。
財団法人岡山県産業振興財団との特許実施許諾契約締結のお知らせ PDF形式 232KB 2011年1月6日 |