老化研究キット新シリーズの販売開始に関するお知らせ
このたびコスモ・バイオ株式会社(以下「当社」)は、老化研究用試薬として糖化研究関連シリーズの新たな品目を開発し、全世界に向けて発売することとなりましたのでお知らせいたします。
記
1.商品の特長、概要
老化のメカニズムの解明や予防の研究が広く盛んに行われるなか、近年の研究においては、生体内のタンパク質が糖と結合(糖化)して老化物質「AGEs 注1)」が形成され、これが蓄積することが老化の主要因のひとつであるという考え方が主流となっています。
私たちヒトの血管や皮膚などはタンパク質からできており、糖化によりAGEs が生成・蓄積し、老化が促進されます(図1)。特に皮膚や骨、軟骨のコラーゲン組織は糖化により弾力性が低下してしまうため、AGEs はアンチエイジング研究の対象として、美容や健康、また予防医学の分野でも注目されています。一度できてしまったAGEsを分解するメカニズムは今のところまだ解明されていません。糖化の予防はもちろん、AGEs の分解メカニズムの解明に向けても、日々基礎研究が行われています。
これらの新商品を含めた糖化研究関連シリーズは、糖化を防ぐ食品成分や化粧品成分のスクリーニングに有用なキットです。キットには96 ウェルマイクロプレート注4)を使用しており、多検体のスクリーニングが可能となっています。これまで、血中などのAGEs の量を測定するキットなどは市販されていますが、CMA やCML をそれぞれ特異的に検出・定量し抗糖化を分析するキットは市販されていません。特に、コラーゲンの糖化においてCMA の検出は今後、骨粗しょう症の研究に有用な知見を与えうるものと大いに期待されます。
当社はこれらの製品を国内はもちろん、世界に向けて販売いたします。食品会社、化粧品会社や製薬会社をはじめ、臨床研究の場でも広くご活用いただくことを期待しています。
当社は今後も、商社としてだけではなく、新たなメーカー機能を大いに活かし、研究者が求める製品・サービスの開発に努めてまいります。
なお、業界専門誌『ジャパンフードサイエンス』2014年7月号の「機能性食品素材の近況」特集に、本製品技術に関する当社の論文が掲載されております。
2.商品の名称、発売日
(1)商品の名称 : 下記一覧をご覧ください
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(2)発売日 : 2014年8月25日
3.業績見通しに与える影響
当社グループの収益基盤の拡大に繋がるものと考えておりますが、当社グループ全体の当面の業績に大きな影響はありません。
以上
【用語解説】
注1) AGEs(Advanced glycation endproducts):糖化最終生成物
AGEs は糖化最終生成物の総称。AGEs は一種類だけでなく、生体内で起こる反応ごとに多くの種類が存在する。代表的なものに、CML やペントシジン、ピラリンなどがある。
注2) CML(Nε-(carboxymethyl)lysine):カルボキシメチルリジン
生体内における酸化ストレスマーカー。AGEs の代表的なもののひとつ。
注3) CMA(Nω-(carboxymethyl)arginine):カルボキシメチルアルギニン
コラーゲンに特異的に生成することが報告されているAGE。
マイクロプレートは、多数のくぼみ(穴またはウェル)のついた平板プレートで、各ウェルを試験管やシャーレの代わりに利用する実験器具。ウェルの数には6、24、96 などがある。ウェルが多数のものを用いれば、同条件下で多数の検体 を実験することができ、作業の省力化やデータの精密化に寄与する。また、ウェルの数が多くなるほどウェル1個あたりの容積も小さくなるため、少ない試料で実験が行える。
老化研究キット新シリーズの販売開始に関するお知らせ PDF形式 216KB 2014年8月25日 |