株式会社Proteomedix Frontiersとの業務提携に関するお知らせ
コスモ・バイオ株式会社(以下「当社」)は、株式会社Proteomedix Frontiers(本社:宮城県仙台市、以下「PF社」)との間で、ペプチド事業に関する業務提携を行うこととなりましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
1.業務提携の目的
当社は、3ヶ年計画における事業戦略の一つとして「新たな事業基盤の創出」を掲げ、新規事業の創出あるいは資本・業務提携等による業容拡大を目指しております。そのなかで当社は、2016年12月よりペプチド合成サービスを開始しております。このたびのPF社との業務提携は、本ペプチド合成サービスのラインアップ強化の一環であり、既存の「AQUAグレードペプチド(後述)合成サービス」にPF社のAQUAペプチドデザイン技術を加え、質量分析計を用いたタンパク質の定量に最適なAQUAペプチドの配列デザインから合成までの一貫サービスを新たに開始いたします。
2.業務提携の内容
PF社は、東北大学大学院薬学研究科の寺崎哲也教授らが開発した特許技術を活用し、最適なAQUAペプチドの配列デザインを行うことができますが、AQUAペプチド合成設備は保有しておりません。一方当社はAQUAペプチド合成設備を有し、またAQUAペプチドの潜在顧客を多く抱えております。
双方が協力してこのたびのAQUAペプチド配列デザインサービスを開始することで、研究者にとってより良い研究ツールをご提供できると判断し、今回の業務提携を行うことといたしました。
名称 | 株式会社Proteomedix Frontiers |
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代表者の役職・氏名 | 代表取締役社長 堀江 透 |
事業所所在地 | 仙台市青葉区荒巻字青葉6−6−40 東北大学連携ビジネスインキュベーターT-Biz内 |
設立年月日 | 平成22年3月25日 |
資本金 | 10百万円 |
事業内容 | タンパク質の絶対定量用ペプチドデザインと定量技術 他 |
4.契約締結日
平成29年12月19日
5.今後の見通し
本件による当社グループ全体の当期の業績に与える影響は軽微ですが、当社グループは今後もペプチド事業について積極的な事業展開を図ってまいります。今後、適時開示が必要になった場合には速やかに公表してまいります。
以上
【補足】 本技術の概要
(1)AQUAペプチド(the absolute quantification)とは?
AQUAペプチドとは、ペプチドの構成成分であるアミノ酸の一部の窒素原子や炭素原子を安定同位体に置き換えた(=安定同位体標識をした)ペプチドで、もとのペプチドに比べ、安定同位体の分だけごくわずかに質量が大きくなっています。質量分析計を用いて研究対象のタンパク質を正確に定量する目的で使用されます。
(2)安定同位体とは?
地球上には100種類以上の元素(原子)(H、He、Li、Be・・・)が存在します。そしていくつかの原子は、同じ性質を持ちながらもわずかに重さが異なるものが存在し、これを「同位体」といいます。この重さの違いは元素の性質を決める「中性子」の数の違いによります。同位体のなかには、不安定で時間が経つと放射能を発して中性子を放出し原子番号が変わっていく「放射性同位体」と、安定して存在する「安定同位体」の2種類があります。たとえば、炭素を例にとると、大気中には12Cが99%、その安定同位体の13Cは1%存在しています。
(3)AQUAペプチドでできること
質量分析計を用いてタンパク質の絶対定量を行うことができます。たとえば、生体内のある箇所に研究対象のタンパク質がどれだけ含まれているかを調べるために、対象のタンパク質を酵素分解して複数のペプチド断片にしたものと、そのなかの特定のペプチド断片と同じ配列をもち安定同位体標識した既知濃度のAQUAペプチドを同時に質量分析することにより、対象のタンパク質を正確に定量することができます。タンパク質の定量方法には他に「抗体」というものを使ったELISA(エライザ)法などがありますが、抗体結合部位の特異性の検証が困難な点、検量線のダイナミックレンジ(測定できる濃度の範囲)が狭い点、複数種類のタンパク質の同時定量ができない点、分析法の構築に時間がかかる点など限界もあります。AQUAペプチドを用いることで、抗体を使わずに短期間に正確なタンパク質の定量法を構築することができます。
株式会社Proteomedix Frontiersとの業務提携に関するお知らせ PDF形式 103KB 2017年12月19日 |