メスキュージェナシス株式会社との業務提携に関するお知らせ
このたびコスモ・バイオ株式会社(以下「当社」)は、メスキュージェナシス株式会社(本社:東京都中央区、以下「MJ社」)と、ペプチド創薬支援事業に関する業務提携を行うこととなりましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
1.業務提携の目的および内容
当社のペプチド合成受託事業とMJ社のペプチド創薬事業を連携し、相互に新たな事業展開を目指します。
当社は、3ヶ年計画における事業戦略の一つとして「新たな事業基盤の創出」を掲げ、新規事業の創出あるいは資本・業務提携等による業容拡大を目指しております。そのなかで当社は、2016年12月に自社によるペプチド合成サービス事業を開始し、また2017年12月にペプチド事業に関するProteomedix Frontiers社との業務提携を行うなど、ペプチド事業の拡大を目指し、ライフサイエンス研究を支援しております。
一方、今回業務提携を行うMJ社は、ペプチド創薬を事業の柱のひとつとしており、自社でペプチド創薬を手掛けるほか、製薬企業等の創薬事業を支援するサービスの提供を検討しております。当社とMJ社は、共通する事業分野と価値観を有しており、今後、両社が有する経営資源を相互に活用しつつ共同で新たな事業機会を創出していくことが両社の企業価値向上につながると判断し、業務提携を行うこととしました。
当社とMJ社との間で現時点において合意している業務提携の範囲は、以下のとおりです。
- MJ社が自社創薬のために設計するペプチドライブラリ(多数の異なるペプチドの体系的な組み合わせ)の当社における合成および新合成技術開発
- MJ社が提供するペプチド創薬支援サービスの当社による独占販売
上記の業務提携により、当社は、既に提供している「創薬スクリーニングサービス」および「ペプチドの大量合成サービス」と合わせ、ペプチド創薬に関し新薬候補の創出からスクリーニングまでの包括的なサービス提供が可能となります。
2.MJ社のペプチド創薬技術について
ペプチド医薬品は中分子医薬品とも呼ばれ、従来の低分子医薬品(化合物医薬品)、高分子医薬品(バイオ医薬品)の良さを併せ持ち、従来の課題を克服できる医薬品といわれています(表1)。なかでもペプチドを一本鎖状態ではなく環状につなげた「環状ペプチド」は生体内で分解されにくく薬効がより長く続くという利点があります。近年はこの環状ペプチドを効率的に設計・合成する技術がいくつも開発され創薬研究に活用されています。MJ社のcDNAディスプレイ法を用いた新薬候補となる環状ペプチドを探索する独自技術(特許取得済み)は、他社と比較しても化学安定性に優れ、さまざまな応用が可能な技術です(表2)。
医薬品の種類 | 低分子医薬品 (化合物医薬品) |
中分子医薬品 (ペプチド医薬品) |
高分子医薬品 (バイオ医薬品) |
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化合物(ケミカル) | ペプチド | 生物製剤 | |
大きさ | 分子量500以下 | 分子量500〜2000程度 | 分子量150,000程度 |
副作用 | 多い | 少ない | 少ない |
経口投与 | できる | できる | できない |
特徴 |
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製造・コスト |
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表2.MJ社技術と他社技術との比較
MJ社より資料提供
3.MJ社について
MJ社は、国立研究開発法人産業技術総合研究所発ベンチャーである2社(メスキュー株式会社とジェナシス株式会社)が2017年に合併し設立された会社です。ペプチド創薬技術を保有していたジェナシス株式会社は2003年に設立されました。
名称 | メスキュージェナシス株式会社 |
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代表者の役職・氏名 | 代表取締役 鍵山 直人 |
所在地 | 東京都中央区日本橋本町3-11-5 |
設立年月日 | 2015年9月8日 |
資本金 | 48百万円(資本準備金45百万円) |
事業年度末 | 8月期 |
事業内容 | 1)病院・クリニック向け、細胞治療に用いるヒト間葉系幹細胞(MSC)加工受託 2)製薬企業の創薬探索部門等向けペプチド創薬に関する受託・共同研究 3)上記1)2)の技術シナジーによる次世代MSCの開発とその臨床研究 |
ホームページ | https://www.mescue.co.jp/ |
4.契約締結日
平成30年6月26日
5.今後の見通し
本件による当社グループ全体の当期の業績に与える影響は軽微ですが、当社グループは今後もペプチド事業について積極的な事業展開を図ってまいります。今後、適時開示が必要になった場合には速やかに公表してまいります。
以上
メスキュージェナシス株式会社との業務提携に関するお知らせ![]() PDF形式 294KB 2018年6月26日 |