iBody株式会社との業務提携に関するお知らせ
コスモ・バイオ株式会社(以下「当社」)は、iBody株式会社(本社:愛知県名古屋市、以下「IBD社」)との間で、モノクローナル抗体スクリーニングサービスに関する業務提携を行うこととなりましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
1.業務提携の目的および内容
当社は、3ヶ年計画における事業戦略の一つとして「新たな事業基盤の創出」を掲げ、新規事業の創出あるいは資本・業務提携等による業容拡大を目指しています。その一環として、2016年12月から、ペプチド合成サービスに連携した「抗体作製サービス」を提供しています。このたびのIBD社との業務提携は、抗体作製サービスのラインアップ強化のひとつであり、当社の既存顧客や潜在顧客である研究者にIBD社サービスを仲介するばかりでなく、当社とIBD社双方の技術的特長を融合させることで、研究者のニーズに合った価値ある研究ツールを提供いたします。
IBD社は、名古屋大学発ベンチャーで、ポリクローナル抗体を産生する動物の血液中からモノクローナル抗体を迅速にスクリーニングする「Ecobody技術」をコア技術として保有しております(特許出願中)。一般的にはモノクローナル抗体を作製するには数か月もの時間がかかりますが、当社が提供しているポリクローナル抗体作製サービスに本技術を連携させることで、ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体をほぼ同時に作製することができ、従来の研究効率を大幅に引き上げることが可能となります。
また、一般的な、マウスを用いたモノクローナル抗体よりも親和性の高い動物種由来のモノクローナル抗体を容易に作製することができる本技術の特徴を活かし、極めて価値の高い研究ツールを提供いたします。
2.業務提携先の概要
商号 | iBody株式会社 |
---|---|
代表者の役職・氏名 | 代表取締役 加藤 晃代 |
所在地 | 愛知県名古屋市千種区不老町1番 |
設立年月日 | 平成30年2月1日 |
資本金 | 60百万円 |
事業内容 | 検査・診断向けウサギモノクローナル抗体探索の受託およびライセンス 医薬向けヒトモノクローナル抗体探索およびライセンス |
ホームページ | https://www.ibody.co.jp/ |
3.契約締結日
平成30年9月19日
4.今後の見通し
本業務提携による当社グループ全体の当期の業績に与える影響は軽微ですが、中長期的収益に寄与する重要な技術的優位性の背景となるものです。当社グループは今後もペプチド事業および抗体作製サービスについて積極的な事業展開を図ってまいります。今後、適時開示が必要になった場合には速やかに公表してまいります。
以上
【用語解説】
(1)IBD社技術「Ecobody技術」の概要
血液中のB細胞からモノクローナル抗体を迅速にスクリーニング(選別)する技術です。これまでは、B細胞からモノクローナル抗体を得ることは原理的には可能でしたが、効率が悪く技術的に課題がありました。Ecobody技術ではこの課題を克服し、わずか2日で、微量血液中から得たB細胞から、標的の抗原に対して高親和性や高特異性のモノクローナル抗体を選別します。
(2)IBD社のモノクローナル抗体作製技術と既存技術の比較
IBD社Ecobody技術 | ハイブリドーマ法 | ファージディスプレイ法 | |
---|---|---|---|
適用動物 | ウサギ・ヒト | マウス | 不使用 |
時間 | 最短2日* | 数か月 | 7週間 |
培養操作 | 不要 | 必須 | 必須(大腸菌) |
要素技術 | 試験管内での抗体発現 | 細胞融合・培養 | 大腸菌発現 |
抗体取得効率 | 70%以上 | 予測不能 | 90% |
自然抗体の取得 | 可 | 可 | 困難 |
*免疫反応は含まない
(3)モノクローナル抗体の利用
モノクローナル抗体は、標的に対し特定の1箇所のみを認識する、非常に特異性の高い抗体です。また、一度もととなる細胞を作製(樹立)すると、同じ特性を有するモノクローナル抗体を繰り返し何度でも作製することができます。そのため、研究現場で実験の一貫性を保つだけでなく、検査や診断などの同一水準で安定した結果が求められる現場でも多く利用されており、また抗体医薬品としても活用されています。
iBody株式会社との業務提携に関するお知らせ![]() PDF形式 120KB 2018年9月19日 |